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    「時間」(「連行」⑪)

    「赤川さんは奥が好きなのかな? それともこっち?」
     角井が秘口に挿入した中指を様々に動かしている。指が奥を擦り上げると、全身を仰け反らして喘いだ。
    「奥が好きなんだ。案外助平ですねえ」
     中指をゆっくりした速度で抽送しながら、角井は肉芽を舐め上げ、吸い上げる。
    「いやあぁっ!」
     赤川は手放しで喘ぎ声を放った。最早、20分間耐え抜くことなど、すっかり頭から抜け落ちてしまったようだ。指を小刻みに動かされ、顔を仰け反らせながら嬌声を盛大に響かせている。
    「ふふふ、お隣はもう陥落しそうだな。あんたはどうかな?」
     木内は繊毛を弄っていた手で肉芽をスッと撫でた。
    「ひっ! イヤあぁぁ」
     奈々美も赤川に負けないくらい大きな喘ぎ声を上げた。木内の指は秘裂から溢れる粘液をすくい取り、肉芽に塗り付けるように動いている。
    「随分ヌルヌルしているじゃないか。逝くときは逝くって正直に言うんだぞ」
     木内のドスの利いた声とは裏腹に、肉芽の先端が指先で優しく愛撫される。乳首も同時にいじくられ、散々に焦らされていた奈々美の性感は。媚薬の効果もあってか、あっという間に沸点近くまで引き上げられる。
    「ああ、そこはダメなのぉ……。許して、許してくださいっ」
     目の前が真っ赤になり、鏡に映った赤川の姿はもちろん、自分のそれも視界から滲んでしまう。奈々美も絶頂に導かれること以外、何も考えられない状態に陥っていた。
    「ああん、もう……。我慢できない、ああああっ」
    「まだまだ逝かせてやりませんよ」
     角井が抽送を止め、中指に付着した粘液を赤川の頬に塗り付ける。
    「もう意地悪しないで……。お願いよ」
     赤川は遂に涙ぐみながら、さらなる責めを哀願した。
    「2回も逝ったらどうなるか分かってるんですか?」
    「まあまあ、もうそろそろ引導を渡してやろう。これ以上焦らされたら気が狂っちまう」
     木内は赤川の背後に回り、乳首を摘まんだ。赤川が呻き声を上げる。木内が顔を近付けると、その唇を貪りだした。
    「そんな……」
     待ち望んでいた肉芽への責めを中断された奈々美は、開脚縛りにされた両脚をばたつかせた。ご丁寧に後門に挿入されたローターのスイッチも切られていた。
    「せっかく逝きそうだったのかもしれないがな、まずはこの女が優先だ。悪く思うなよ」
     むずかる奈々美に意地の悪そうな笑みを向けると、木内は赤川の乳首を指で転がしつつ、耳朶を噛む。角井は指の抽送を再開し、大きな音を立てて肉芽を吸う。指の出し入れが続けられている秘口からも、淫らな水音が微かに響いている。
    「ああっ、もうダメ」
     赤川は木内の顔を見て、許しを請うような表情を見せた。木内はそれに呼応するように乳首を転がす指の回転を速めた。
    「もう覚悟を決めたんですね。これでどうです?」
    「んっ、本当にもう死んじゃう……。逝くっ、いいっくぅ……」
     真っ赤に染めた身体が、電気が走ったように数回痙攣した。赤川は口をパクパクさせながら、眉根を寄せつつ呻いた。完全な敗北の姿だった。
    「一息吐いたら、また逝かせてやれ。あと2回は行けるだろう」
     角井に命じた木内は、再び奈々美の正面に立った。奈々美はそっぽを向きながら、横目でチラチラと木内を睨んでいる。
    「ふふっ、放置されて拗ねてるのか」
     後門に挿入されたローターが再び作動し始める。
    「ああん、そこじゃないっ」
     奈々美はまた脚をバタつかせる。
    「とか言いながら、相変わらず乳首がビンビンだぞ。またオマ×コが濡れてきてるぜ」
    「イヤあ、意地悪っ!」
    「何が意地悪だ、お前が逝かないように手加減してやってるんだぜ。逝かされたらここに何日も監禁されて、ずっとこんなイヤらしい拷問をされるんだ。彼氏も呆れるような淫乱女になっちまってもいいのか、あん?」
    「だってっ!」
    「触ってほしいんだな、1日も経たないうちにこんなに助平になっちまって。家に大人のオモチャ隠しとくような女だから、こんなもんか」
     木内は切羽詰まった奈々美の乱れようを嘲笑しながら、乳首を指で摘まんで嬲りつつ、内股や繊毛のあたりを擽った。
    「もうどうなってもいいのっ!」
     奈々美は木内を切なげな目で見つめながら、責めをせがむ声は切迫の度を増している。
    「どうしてほしいんだ? 改めておねだりしてみろ」
    「……かせて……」
    「聞こえない」
    「逝かせてっ……。もう意地悪止めてくださいっ!」
     完全に屈服した奈々美の顔を一瞬じっと見つめた木内は、彼女の前にしゃがみ込んだ。肉芽に息を吹き掛ける責めを繰り返して奈々美を啼かせた後、中指を秘口に沈めていった。
    「ああ、そこ……」
    「オマ×コに指を入れてほしかったのか、あん?」
    「あひっ」
     奈々美は固縛された身体を反らせた。木内は指の抽送を行いながら、肉芽へキスし、しゃぶり立てる。
    「ダメ、そこダメぇ」
    「3点責めだ、さっきの赤川よりサービスがいいぜ」
    「おれも手伝いますよ」
     赤川を3回目の絶頂に追い込んだ後、角井が寄ってきて奈々美の乳首を掌で転がし始めた。対照的に、木内による中指の抽送の速度は低下した。
    「あん、そこがいいのっ。気持ちいいっ……」
     奈々美は全身から汗を噴き出しつつ、身体を震わせる。顔を左右に振りながら、蕩けたような表情を晒している。下腹部が徐々に痙攣し始める。その時、電子音が鳴った。ノートパソコンの画面は20分が経過したことを示していた。
    「よかったな、お前は解放してもらえるぞ。逝かせてもらえなかった代わりにな」
     木内と角井はサッと奈々美の身体を離れた。奈々美は大きく息を弾ませながら、呆然とした顔で木内を見つめていた。

    「紅茶」(「連行」⑩)

    「ほら、クリちゃんを触ってほしいか? それともこいつで責めてもらいたいか?」
     木内はズボンのポケットからピンクローターを取り出した。長さ2センチほどの小型のもので、先ほど使われた奈々美の持ち物ではない。奈々美は顔を赤らめて小さく頷いた。蜂の羽音のような振動音が響くと、身体の疼きが増してくる。木内はコードの中程を持ち、振動子を垂らすと、奈々美の耳から首筋に這わせた後、乳首に当たるようにした。
    「あっ……」
     奈々美は身体を跳ねさせた。自分で使用したときはもちろん、武彦に使われたときに感じた以上の快感が全身を蝕んでいく。今まで焦らすような刺激しか与えられなかっただけに、乳首への振動はより甘美に感じられる。両方の乳首をローターによる刺激に晒され、奈々美は上半身を悶えさせた。
    「ふふふ、まさか乳首だけで逝ってしまうんじゃないだろうな? 乳首だけで逝かされて賭けに負けたら恥ずかしいぞ」
     振動が臍を通って股間の周辺に移る。秘裂の近くがローターの刺激に晒される。
    「んんっ……もうぅ」
     振動子は秘裂の周囲を脅かすだけで、核心には触れてこようとしない。木内は意地の悪い笑みを口元に浮かべながら、振動子を肉芽の周辺に這わせつつ、乳首に時折軽く触れてくる。
    「どうした、そんなに悶えて? 気持ちいいのは結構だが、逝ったらずっとここに閉じ込められて調教されるんだぜ」
    「だってっ……。ああっ」
    「仕方ないな、ローターを咥え込ませてやろう」
     木内はローターの振動子にローションを垂らすと、奈々美の体内に挿入し始めた。
    「イヤっ、何でそんなとこっ? 何するんですかっ!」
    「ここは未体験かな? 慣れると悪くないもんだぜ」
     振動子は奈々美の後門に押し込まれているのだ。そんなところを弄られた経験はついぞなかった。今まで味わったことのない感覚から逃げようとしたが、椅子に固縛されたままで後門へのローター挿入は避けられるはずがない。奈々美は涙を零しつつも、その微妙な感触を受け入れるしか術はなかった。
    「ふふふ、尻の穴にローターを埋め込まれた気分はいかがかな? 振動子自体はそんなに大きくないから、そこまで違和感はないはずだぞ」
    「イヤ、取って。取ってください……」
    「もう少し愉しんでから取ってやるよ」
     木内は肉芽に息を吹き掛ける責めを再開しながら、両手を上に伸ばして奈々美の両乳首を軽く揉み立て始めた。椅子に開脚縛りされた自分の股間に中年男が顔を埋め、乳首を愛撫している姿を鏡で見ていると、屈辱的でありながらも卑猥で美しいということを認めざるを得ない。乳首から生じる甘い感覚と、後門の異物感に責めさいなまれる中、息を吹き掛けられるだけの肉芽に、舌か指でのタッチが加わったら、その瞬間に逝ってしまいそうな気がした。理性はそれを拒んでいる。
    (ああ、もう何でもいいからクリ触って……)
     叫び出しそうなのを懸命に堪えていた。
    「これだけじゃ気の毒だから、もう少し刺激を加えてやろうか」
     奈々美の切なげな瞳に期待の色が宿る。だが、それはすぐにかき消された。
    「いや、スイッチ入れないでえ……」
    「アナル感覚って悪くないもんだって言ったろ? もっともっと愉しむんだよ」
    「ああ、それ許してください……」
     奈々美が求めている振動はこれではない。だが、この甘痒い違和感は軽揉みされている乳首と息を吹き掛けられる肉芽から生じる感覚を増幅しているように感じられる。だが、今奈々美が望んでいる爆発的な快感は決して得られない。その横で、赤川は肉芽を指で転がされている。
    「ああん、角井さん、もうダメ、ホントに止めて……」
    「なら止めましょうかねえ、赤川さん?」
     角井は肉芽への責めを中断し、代わりに両乳首をひねり回す。
    「んんっ……」
     赤川は拗ねたように美しい眉根を寄せる。下腹部の繊毛は逆毛立ち、サーモンピンクの秘裂はぬめ光り、半分白濁した粘液が脚の付け根付近を濡らしている。
    「ああん、乳首ダメっ。もっと優しくしてえ……」
     角井が乳首を指先で弾いたり、強く摘まんだりし始めると、赤川は抵抗の意を示す。だが、その言葉の調子は屈服の色を帯び始めている。角井は思いっ切り赤川の股間にむしゃぶりついた。
    「ああん、それだけはっ……」
     赤川はそう叫ぶと、顔を左右に振りながらも唇を噛んだ。既に全身からは汗を噴き、下腹部が大きく膨張と収縮を繰り返し、力の入った足指はすっかり丸まっている。
    「うっ……」
     赤川は顔を仰け反らせ、全身を大きく震わせた。腹部はさらに大きく動いている。
    「まさか、もう逝ったんじゃないだろうな?」
     木内が奈々美への責めを中断し、赤川と角井の方に声を掛けた。
    「い、逝ってません……」
    「その反応は明らかに逝ってるぜ。内緒で逝っておきながら、逝ってないフリをしたら、お仕置きが増えるだけだぜ、正直に言いな」
     角井が赤川の顎をつまみながら、自白を迫る。
    「嘘つくんなら、さっきの紅茶をもっと飲ませてやったらどうです?」
     カメラを構えたまま、原が提案した。
    「それも面白いな。角井、持ってこい」
     命じられた角井は冷蔵庫から新たにペットボトルを2本持ち出し、1本を木内に渡した。よく見ると、角井が持つボトルはラベルが赤いのに対し、木内に手渡されたのは黄色いラベルのボトルだった。
    「喉が渇いただろう、もう少し水分補給してやる」
     木内はペットボトルの中身を、また奈々美に飲ませた。喉を鳴らしながらあっというまに中身が空になっていく。一方、赤川は口元に差し付けられたペットボトルを拒み、顔を背けていた。
    「どうしたんですか、喉が渇いてるんでしょう?」
    「……変なクスリ入れたでしょう?」
     赤川は角井を睨み付けた。
    「変なクスリって人聞きが悪いですねえ。あなたがた被疑者を愉しませるものですよ」
     角井がニヤニヤしながら赤川の鼻を摘まみ、無理矢理開けさせた口にペットボトルの中身を流し込む。赤川はむせ返りながらも、注ぎ込まれる液体を飲み干さざるを得ない。
    「何か変なものでも入ってたんですか?」
     奈々美は木内に尋ねた。
    「ああ、媚薬がな。要するに、身体が感じやすくなるクスリが入った特製紅茶だよ。乳首やオ×ンコの感度は1.5倍から2倍になっているはずだ」
    「そんなっ……」
     道理でやたらと身体が火照り、性感が増しているはずだった。その上で、緊縛された女体に焦らし責めと性感刺激を繰り返し、20分も絶頂に達するのを禁ずる。あまりにも責められる側が背負わされたハンデは大きい。奈々美はこの男たちの卑劣さに憤激しそうになった。だが、甘いタッチで乳首を責められると、次第にトーンダウンしてしまう。
    「お前はこの競争が始まる前から責めを受けて身体も準備OKだったが、赤川は違っていたからな、あの女にはお前の倍の濃さの媚薬を飲ませている。少々効き過ぎたかもしれないがね。お前は今媚薬を追加されたとはいえ、まだまだ手ぬるい責めしか加えられていない。その調子で逝かないよう頑張るんだぞ」
     ノートパソコンの画面に目をやると、残り時間は7分あまり。持ち時間の3分の2近くが経過している。
    (あたし、耐えられるかしら……)
     再び乳首がひねり回される。後門への刺激は先ほどから続いている。木内の手が下腹部の繊毛をかき混ぜ始めた。
    「ああんっ……」
    「媚薬が追加されたからといって、そんなに感じてたら制限時間まで持たないぞ。それ覚悟でもっと濃厚接触してもらいたいなら、それでもいいがな」
     媚薬がさらに効いてきたのか、身体の反応が激しくなり始めた奈々美を、木内は嗤った。
    「今度は2点責めだ。逝ったことを認めるまで止めませんよ」
    「あん、ズルいそれ……。うぅんっ!」
     隣では、角井が赤川の肉芽を吸いしゃぶりつつ、秘口に中指を抽送し始めていた。

    「疼き」(「連行」⑨)

    「ふふふ、美人は怖い顔をしても美しいな。しかし、われわれにそんな表情を見せたら、もっと厳しく責められるってことをそろそろ学習した方がいいな」
     木内は奈々美が縛り付けられた椅子ごと壁の鏡に正対させた。角井もそれに習って赤川が拘束されている椅子を鏡に向けさせ、奈々美の椅子とくっつけた。鏡に向かって奈々美が右、赤川が左に並んだ格好だ。鏡の前に女2人と相対するように時間を表示するノートPCの乗ったテーブルが移された。
    「お前らも敵同士だが、今や同じ被疑者だ。屈辱的な縄付き姿で脚を開かされオ×ンコパックリで拷問されてるんだ。その立場を弁えた方がいいな」
    「そうだ、木内さんの言うとおりだぜ、赤川。さっきまで堂に入った女王様ぶりだったけどな、こんな恥ずかしい姿を晒してるんだぜ。乳首もこんなに尖らせやがって」
     角井が赤川の乳首を指先で弾いた。
    「うふんっ」
     形のいい唇から喘ぎ声が漏れる。緩んでしまった唇を再び噛み締めると、角井に憎しみの籠もった視線を向ける。それを平然と受け流した角井は、赤川の正面にしゃがみ込むと、刷毛で足指を擽り始めた。
    「ああ、止めて卑怯よっ」
    「これが効くんですね、赤川さん」
     おどけた調子で赤川をからかうと、角井は足の指と指の間に丹念に刷毛の穂先を走らせる。
    「止めてっ、イヤらしいっ」
     角井は赤川の足指を擽りつつ、足の甲にキスし始めた。木内は背後から赤川の両乳首を優しげな手つきで揉み立てる。赤川は懸命に声を堪えているが、時折溜息のようなものが唇から漏れる。原は鏡に映ったその様子を撮影している。
     隣の奈々美は、横目で責められる赤川を窺っていた。このまま時間が過ぎ去ってくれないかと願った。だが、責めを中断された中、全身から湧き上がる疼きは増してくる。身体中にうっすらと汗をかき、乳首は尖っている。そっと正面の鏡に目をやると、さらけ出された股間の草むらに咲いた蕾のように肉芽が膨らみ、その周囲は粘液が鈍く光っている。思わず背筋が快美感に襲われ、秘肉が収縮し、新たに粘液を吐き出しているのを自覚した。
    (何でこんなに感じるの……。何度も逝かされたせい?)
     身体が妙に反応している。赤川も声を堪えながら、足指と乳首への軽いタッチの責めに嘖まれている様子だ。
    「もう一人の被疑者も早く触ってほしそうですぜ」
    「おっとうっかりしていた。時間は限られているんだったな」
     木内は指先による玩弄に尖っている赤川の両乳首を次々と軽く舐めてやった。
    「ああん……」
    「乳首は舐められるのが好きだったのか? 続きは角井にしてもらうんだな」
     切なげな目を向ける赤川のあごを猫をじゃらすようにくすぐると、木内も奈々美の前にしゃがみ込んだ。
    「放っておかれて拗ねてるのかな?」
     顔を背けている奈々美に声を掛けると、木内は刷毛で足の裏を擽った。
    「そ、そんなとこ止めて……」
    「なら、こうやって足の指と指の間を擽ってやろうかな、隣の被疑者とおんなじに」
    「イヤあっ!」
     奈々美は椅子に縛り付けられた全身を悶えさせた。だが、縄目は緩みそうもない。それどころか、決して認めたくないことだが、火照った身体を心地よく締め付けてさえいる。足の指の間を擽られながら、奈々美の上げる悲鳴は喘ぎ声と区別が付かなくなりつつあった。すると、隣からはあからさまなよがり声が耳を劈く。
     正面の鏡を見ると、赤川は股間を刷毛で責められているようだが、その様子は背中に隠れて見えない。奈々美の視線を感じた角井は赤川の斜め前に移った。赤川の秘裂を縦になぞるように、刷毛が上下に往復している。
    「ああっ、それ許してえ……」
     赤川の声が蕩けている。哀願と甘えの入り混じった口調だ。
    「こうされるのが好きでしょう、赤川さん? これはどうです?」
    「たまんない、それっ!」
     角井は刷毛の穂先を秘裂の頂点に走らせた。肉芽を柔らかな毛先で掃き清められ、赤川は叫んだ。刷毛は肉芽を責めていたかと思うと、秘裂を再び往復したりしている。赤川は焦れているのか、喘ぎ声が泣くような調子に変わった。
    「こんなんで逝くなよ。逝ったら酷い目に遭うんだからな」
    「あんっ……」
    (ああ、あたしもたまんない……)
     奈々美の方は相変わらず足指の間だけを擽られている。武彦の愛撫も丁寧な方と思うが、こんなに丁寧に性感を掘り起こされるような責めは初体験だった。ましてや、椅子に縛り付けられてから、身体は正体不明の疼きに悩まされている。奈々美は顔を左右に振った。汗を吸った髪の毛の一部が額に貼り付いている。
    「足の指の間ばかり責められたのでは不満なんだな?」
     木内が奈々美に尋ねた。決して頷くことはなかったが、木内に向けられる目に物欲しげな感情が込められてしまう。
    「オンナが一番感じる足の指の間を擽ってほしいか?」
     歯がカチカチと鳴っている。最早認めたも同然だった。
    「なら、赤川と同じようにしてやろう」
    「ひぃっ、イヤっ!」
     刷毛は奈々美が疼かせている女芯ではなく、後門を襲ってきた。
    「尻の穴の皺は何本あるかな?」
     その皺に沿うように刷毛が走る。
    「そこはダメです……。ああ、変な感じっ!」
     奈々美は叫んだ。すると、隣から赤川の声が響いた。
    「クリ触んないでっ! ああ、おかしくなっちゃうっ。何でこんなに身体が火照っちゃうの? ダメぇ」
     相変わらず肉芽を刷毛で責められている赤川も、奈々美と同じように身体が疼いているようだ。だが、奈々美の肉芽はわざとなのか、いまだに何もされていない。
    「ケツの穴だけじゃなく、クリちゃんも責めてほしいんだな?」
     奈々美はガクガクと頷いた。その様子を目にした角井と原が失笑を漏らす。木内は奈々美の股間に顔を近付けると、唇を丸めて肉芽に息を吹き掛けた。
    「ああんっ!」
     次々と肉芽に息が当たる。後門には相変わらず刷毛が踊っている。だが、大きく膨らんだ肉芽にも蜜液を吐き出す秘口にも何も触れてはいない。
    「クリに息吹き掛けられただけで逝ったりしないよな?」
     奈々美の股間から顔を離した木内は、意味ありげな目で奈々美を見上げた。その視線を受け止められない奈々美は、心中で叫んだ。
    (早くクリ弄って……)
     隣では角井が唾で湿らせた中指の先端で、赤川の肉芽を転がし始めた。その様子を横目で見ながら、奈々美は身体の疼きがどうしようもない段階に達しつつあるのを感じていた。

    「相対」(「連行」⑧)

    「最初はこれで行こうか」
     木内が取り出したのは柄の部分が木製の刷毛2本だった。
    「こんなもんでいいんですか?」
     角井がにやけ面で1本の刷毛を受け取りながら言った。
    「持ち時間は20分もあるんだ。最初から激しく責めて逝かせても面白くないだろう?」
    「それもそうですね」
    「バイブなんかを使うのも控えようか」
    「この女ども、却って欲求不満になるかもしれませんよ」
    「それも一興だよ」
     木内は奈々美の、角井は赤川の背後にそれぞれ回った。傍に置かれたテーブル上に置かれたノートパソコンの画面上には、大きく「20:00」という数字が表示されている。
    「お前らにも時間はきちんと示してやる。誤魔化したりはしないから心配するな。いや、むしろ時間内に逝かされないよう心配した方がいいな」
     角井と原は木内に追従するように下品な笑い声を上げた。2人の女は歯を食いしばりながら、そんな男たちから顔を背けている。
    「ふふふ、お前らは敵同士のくせに、似たような反応をしてるな。同じチ×ポを咥え込んでたせいかな。今からスタートだ」
     木内がノートパソコンの画面にタッチすると、20分間のカウントダウンが始まった。先ほどと同様、原は2人の姿をテレビカメラで撮影している。
    「ん……くくっ」
     角井の刷毛が赤川の耳たぶを這い回る。唇を噛みしばった顔が仰け反る。耳朶に嵌まった小ぶりなピアスに埋め込まれた石が煌めく。奈々美は顔を背けながらも、その様子を目の端で捉えていた。
    「ひぃっ」
     奈々美の首筋にゾクリとする感覚が走る。
    「目を背けていないで、前を見るんだよ」
     髪の毛を掴まれ、顔を正面にねじ向けられる。上半身を重罪人の女囚の如く厳重に縛り上げた縄の食い込みが痛々しい。上下を締め上げられたやや小ぶりな乳房は大きく膨らみ、青筋を立てて斜め上に飛び出している。色素の沈着が薄い乳首は早くも充血し、サクランボのように膨らんでいるのが卑猥だ。そして、両膝を椅子の肘掛けに括り付けられたため、すっかり丸出しになった股間は赤く色づき、まだ触られていないにも関わらず、うっすらと湿り気を帯び、小さく蠢いているように見える。責めの手を待ち望んでいるのだろうか。赤川が晒している恥辱の緊縛姿は、奈々美自身の写し絵でもあった。
    「見せないで、恥ずかしいっ」
    「そりゃそうだろう。お前も同じ恥ずかしい格好に縛られてるんだからな。下手に人の恨みを買うと、こんな目に遭うんだよ」
     木内が耳元で囁きながら、片方の耳朶や耳孔を擽ってくる。奈々美は顔を振り立てたが、刷毛の穂先から逃れることは出来ない。最初は擽ったさしかもたらさなかった刺激は、早くも性感を煽り立てるものに変化していた。
    「そんなことしたって感じないわよ!」
     角井の操る刷毛は赤川の乳房の裾から頂点に掛けて渦を巻くように這い上っている。両方の乳房に同じ責めを繰り返されるものの、赤川は気丈にも角井を睨み付けている。刷毛が赤川の乳首を掠めるように奔った。角井を睨む瞳がかすかに揺らいだ。
    「もっと早くここをいじめてほしかったんじゃないんですか、赤川さん?」
     角井は乳首の周囲で円を描くように丹念に刷毛を這わせつつ、時折乳首をかすめるという動きを繰り返している。赤川は改めて唇を噛み締めながら、漏れそうになる呻き声を押し殺しているようだ。
    「あんたも早く乳首を触ってほしいかな? どうだ、縛られて辱められるのも悪くないだろう。ちょっと揉んでやっただけでドMになっちまったんだかな」
     木内も刷毛を奈々美の乳首の周囲に這い回らせ始めた。喘ぎ声を発しそうになるのを危うく堪えた。先ほど3人から責められたときに比べ、身体が敏感になっているような気がする。木内の言うとおり、マゾの気が強いとしても、それを認めたくはない。。
    「止めてください……」
    「まさか、乳首触っただけで逝ってしまうことはないだろう? 素直になったっていいんだぜ」
     奈々美は木内の甘言に身を委ねてもいいかと思い、慌ててその考えを打ち消した。その間にも乳首はどんどん充血し、さらに尖ってきているのが目に入る。
    (武彦さんなら乳首舐めて甘噛みしてくれるのに……)
    「彼氏に乳首弄られてるときのこと思い出してるのか? あんたや赤川のこんな姿見たら、呆れちまうんじゃないか? 彼氏の妹にも嫌われるぞ」
    「ホントに止めてっ!」
     奈々美は叫んだ。武彦の妹で女子大生の咲良とは、2人でも遊びに行ったりする仲となっている。屈託ない性格で誰からも愛される咲良の愛らしい顔が脳裏に浮かび、奈々美はこんな男に屈してはならないことを思い出した。
    「あふっ」
     赤川の押し殺したような呻き声が聞こえる。角井は片方の乳首を刷毛で撫でつつ、もう片方の乳首を指先でやわやわと揉み立てている。赤川は顔だけでなく全身を赤く火照らせながらも、両足の指を丸めている。その姿は快感を堪えているようにも、湧き上がる愉悦に耐えるのを愉しんでいるようにも見える。
    「お前を陥れた敵は頑張っているようだな。お前はどうだ?」
     乳首の先端を刷毛の先が襲った。
    「ひっ!」
    「もっと色っぽい声を出したらどうだ?」
     木内は乳首を指でつまむと、その先端を刷毛の毛先で擽る。首筋や耳朶には唇が這う。奈々美も赤川を習うように足先を丸めた。全身が紅潮し、うっすらと汗を噴き出していることには気付いていなかった。
    「あん、そこイヤです……」
    「何を言ってる。ここをもっと触ってほしくてウズウズしてたくせに」
     木内は嗤いながら、乳首を刷毛で掃き清めつつ、もう片方の乳首を指先でつまみ転がした。
    「あんっ……」
     乳首から生じる快感が背骨を走り抜ける。先ほど木内にからかわれたように、乳首への愛撫だけで逝ってしまうこともあり得なくはないという気がした。ノートパソコンに目をやると、まだ残り時間は15分もある。
    「もの凄い汗をかいてるじゃないか。5分で逝ったら、おれたちも面白くないがね」
     奈々美は嘯く木内を睨み付けた。しかし、目力が残っているかどうかは自信がなかった。

    「甘露」(「連行」⑦)

     奈々美は吊りから解放され、縄を解かれたものの、すぐに後ろ手錠を掛けられた。奥にある檻付きの部屋に連れて行かれ、床に座らされた。
    「しばらくここで反省してなさい」
     赤川は奈々美の頬を軽く張ると、偽刑事たちは牢獄を出て行った。奈々美は床に座り込んだまま、涙を零した。汚れた顔を拭くことも出来ず、30分ほど呆然としていた。
    (早く帰りたい……)
     勤務先の会社には赤川が親族を装い、体調不良によって急遽休む旨の連絡を入れたという。だが、ここからいつ解放されるかは分からない。バッグは奪い取られたままで、後ろ手錠を掛けられている中、はだけられたブラウスを直すこともできない上、パンティも脱がされたままだ。あの4人はいつ戻ってくるのだろう? その時にはさらなる陵辱を受ける可能性もあるが、このまま狭い牢獄に閉じ込められたままでも気が狂いそうだ。
     目の前の鉄格子に近付いてみると、鉄格子の扉の閂を固定しているはずの南京錠が、きちんと嵌まっていないことが分かった。奈々美は鉄格子に背を向け、後ろ手で閂をずらしてみた。扉は肩で押すと簡単に開く。奈々美は檻から出ると、拷問部屋の扉に耳を付けた。外から音はしない。扉のノブを後ろ手で慎重に回してみる。
    「反省しろって言わなかった?」
     腕を組んで扉の前に立っていた赤川に突き飛ばされた。
    「痛いっ」
     頬を張られ、床に押し倒された。馬乗りになった赤川が奈々美に顔を近づけ、唇を重ねようとする。
    「何するのっ?」
    「あんたみたいなオンナ、虐めたくなるのよね。屈服したように見えて、しぶとく刃向かってくる。どんどん堕としてやりたくなるわ」
     唇を割って舌が差し入れられる。歯ぐきや歯の表面を舌でなぞられ、奈々美は顔を左右に振って逃れようとする。乳房が優しく揉まれ出すと、抵抗する気力が削られてくる。
    「もう帰して。お願いよ……」
    「帰すのはもう少し後だな」
     声の方に視線を向けると、木内ら3人の男が立っていた。角井が赤川を奈々美から引き剥がす。原と角井に押さえ付けられた赤川は、奈々美と同じように後ろ手錠をはめられた。
    「止めてっ、何であたしが?」
    「この女に復讐したいのは分かるがな、勝手な真似は許されないんだよ」
     木内が赤川を見下ろしながら告げた。
    「お前、この女が逃亡を図るように、南京錠を掛けなかっただろう? おれたちもそのことに気付いてたけど、あえて見逃したんだ」
    「この女が逃げ出そうとしたところを捕まえて、一人でいたぶる気だったんだよな? おれたちに対する背信行為だ」
     角井や原も口々に赤川を責め立てる。
    「そ、そんなつもりじゃないのよ。ただ、この女をもう少し懲らしめたかっただけ」
    「そんな言い訳、今さら通用すると思うなよ。この女の処遇はおれたちが決めるんだ。お前にもお仕置きをしなければな」
     木内の口調は冷たかった。奈々美は唖然としながらこの間の経緯を見つめていた。

    「どうだ、今の気分は?」
     木内は奈々美に尋ねた。
    「恥ずかしいです、こんな格好……」
     俯きながら奈々美は答えた。赤川が捕まった後、2人とも服を剥ぎ取られ、麻縄で後ろ手に縛り上げられた。赤川は抵抗したが、3人の男たちに力では敵うはずがなかった。奈々美は毒気を抜かれてしまい、裸に剥かれる際もはかばかしい抵抗はせず、大人しく縄を打たれた。しかし、肘掛け椅子に座らされ、畳まれた両脚を肘掛けに固定される際は抵抗したが、無駄だった。
     逆に、赤川は上半身を縛り上げられてからは大人しくなり、奈々美と同じ姿勢で肘掛けに固定される際も抵抗らしい抵抗は見せなかった。そして、2人は椅子開脚縛りの格好で、1.5メートルほどの距離で向かい合わされた。お互いの顔を見ることは出来なかった。
    「今井奈々美、もう解放してほしいか?」
     奈々美は弱々しく頷いた。
    「早ければ、あと20分ほどでここから出してやろう」
     思わず奈々美は木内を見上げた。
    「ルールは簡単だ。20分間、おれたちに責められて逝かなかったら許してやる。逝ったら解放しないだけじゃなく、あらたな仕置きをすることになる」
    「ほ、本当に20分耐えたら帰してくれるんですね?」
    「無論だ。ただし、逝ってるのに逝ってないフリをしても分かるんだぞ。そんな真似をしたら、何日もここに閉じ込められるんだ。分かったな?」
    「はい……」
     奈々美は小さな声で返答した。それに頷くと木内は赤川に言った。
    「そして赤川、お前にも同じ責めを加えてやる。これは、おれたちを出し抜いてこの女を責めようとした罰だ。20分間で逝ったら、お前もここで延々と拷問されることになる。ただし、耐え抜いたら今日のことは不問に付す」
     木内を睨み付けていた赤川は、そっぽを向いた。
    「不服のようだが、まあいい。この格好で抵抗できるはずがないってことは、お前もよく分かっているだろうからな。喉が渇いただろう」
     原と角井がそれぞれ500ミリリットルのペットボトルに入った紅茶飲料を奈々美と赤川の口に突き付けた。
    「大人しく飲んでおけ。水分補給は大事だぞ、これからまた体液を身体中から垂れ流すんだからな」
     2人の女は口を開かされ、ペットボトルの中身を注ぎ込まれた。奈々美はこんな男に紅茶を飲まされるのは屈辱だったが、ほどよく甘い液体は全身に染み渡るように感じた。普段より柑橘系の風味が強く思われたが、木内の心遣いに感謝したくなるほどだった。
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