ギシ、ギシ、ギリリ……。麻縄が軋む音が響く。クチャ、ピチャ、クチッ……。井村が弄り回している部分からは恥ずかしい水音が漏れてくる。
「なんだ、厳しい縛りも嫌いじゃないのか。中崎先生はドMだったんだな」
「だ、だって……」
宙を舞う感覚は、意外に心地よかった。苦痛はそれほど感じない。いや、苦痛も快感に転じる脳内麻薬が大量に分泌されているのかも知れない。
花菜子は緊縛とねちっこい肉芽責めに屈した身体を、天井から水平に吊られていた。両膝の上と腰に巻かれた縄が天井のレールに繋がれている。膝は曲げられて足首を拘束した縄は花菜子の背中の方向に折りたたまれており、身体全体がやや反った格好だ。井村の悪戯な指が彼女の肉芽を擦り、肉壺の浅瀬を侵食している。
「おサネちゃんで2回も逝ったら、今度は奥を思いっ切り責めてほしいだろ」
「そんな恥ずかしいこと言わないで……。もう楽にして」
「楽にしてだと? もう吊りから下ろしてほしいのか? それとも、また逝かせてほしいって意味かな?」
「うぅ……」
花菜子は下に向けていた首をもたげて呻いた。血液が頭に上っているせいもあり、脳に霞が掛かったような状態だ。思考力は低下しながら、快楽には敏感に反応している。
「ほら、オマ×コがすっかり開ききってるぜ。ヒクヒク動いてやがる」
「言わないで……」
「1本、2本、3本……。20本近くあるかな。何を数えてるか分かるか?」
「知りません……」
「中崎先生のお尻の穴の皺が何本あるかと思ってな」
「いやぁっ!」
そんなところまで覗かれ、検分されるとは想像もしていなかった。人並みにセクハラをされた経験はあるが、井村の一連の言葉は、女性としての尊厳すら辱めるものだ。
(何でここまでの屈辱を与えられなきゃいけないの……?)
その言葉が口から出掛かったとき、井村が尋ねてきた。
「ここに男のものを銜え込んだ経験はおありかな?」
「ありませんっ! そんなこと考えたこともないわ……」
「なら、きょうは勘弁してやる」
井村はあっさり引き下がった。とは言え、この口ぶりでは、今後も花菜子を弄ぼうと企んでいるようだ。
「もうこれっきりにしてください……」
「帰るころには、その言葉を撤回してるぜ、間違いなく。こういうのも使ったことあるんだろ?」
局部に何やらしなりのある異物が押し当てられてくる。
「変な玩具、使わないでえ……」
「とか言いながら、自分からズボズボと引きずり込んでいるぜ」
「そんな、嘘……」
だが、井村の操るバイブは、実際にどんどん花菜子の蜜壺を楽々と進んでくる。柔らかく弾力性もある樹脂製で、男根部分は通常よりやや細めであるため、バイブを使い慣れていない女性でも思わずよがり狂ってしまう逸品だ。先端が奥まで達したバイブがゆっくりと抽送され始めると、花菜子は他愛もなく喘ぎ始めた。吊り縄が軋むギリっという音がひときわ大きく鳴った。
「あっ、あんっ……。イヤっ」
「イヤなら止めようか」
バイブが蜜壺から引き上げられていく感触に、花菜子は思わず叫んだ。
「そんなのダメぇっ!」
「何がイヤでダメなんだ? どうしてもらいたいのか、さっぱり分からないぜ」
「ああっ、抜いちゃダメぇ……。もっと続けてえ」
「何を続けろって?」
「玩具……」
「玩具の呼び方ぐらい知ってるだろうが」
「バイブ続けて。ああ、ホントに抜かないで、奥まで入れてぇ……」
頭を上げて首を振り立てながら、花菜子は恥ずかしいおねだりを始めた。いや、既に恥ずかしいと思う気持ちは大分薄れてしまっている。
「なら、朝までこうしててやろうか」
「意地悪っ! 明日は仕事なのよ……」
この季節、花菜子の勤める塾も夏期講習が行われている。きょうはその合間を縫って転がり込んできた休日だったのだ。
「仕事? 生徒たちは、今ごろ夏期講習に汗を流してるんだろう。なのに、中崎先生は初めて肌を許した男とSMプレイに勤しみ、汗と涙と愛液をまき散らしてる。生徒や同僚がこれを知ったら、どう思うかな?」
「井村さんがイヤらしいことばっかりするからじゃない……」
「人のせいにしやがって。イヤらしいことをされて、はしたなく感じておねだりまでしてるくせに。おれなんかより、ずっとスケベじゃねえか」
バイブの先端だけを突っ込んで浅瀬をこね回しながら、井村はからかった。
「スケベでも何でもいいのっ! ああ、奥まで、奥まで……」
後はむせてしまい、言葉にならなかった。
「自分からバイブをせがんだんだからな。おれの気が済むまで止めないぞ」
「あぁ、早くぅ……」
今まで放置されていた乳首を摘ままれて揉みたてられ、花菜子は吊られた腰を蠢かせた。
(続く)
| ホーム |
»
page top