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    【きた×Leon コラボ企画 モデル:あんじゅ】―「桂」①

     沢井が顎をしゃくると、桂の両腕が背中に捩じ上げられた。
    「な、何ということをっ? 腕を離しなさいっ」
     座卓の前に正座したまま、腰の上に重ねられた腕は全く動かすことが出来なかった。沢井の部下でかつては巡査だった野本の馬鹿力に、箸より重い物をなど手にしたことのない桂が敵うはずはない。それでも、桂は文字通り柳眉を逆立て、沢井の暴挙に抗議した。
    「奥様、貴女はたった今、わたしに買われたのですよ。何をしようと勝手というものでしょう」
     沢井は高級そうな茶色い革鞄から臙脂色に染まった麻縄の束を取り出した。そのうちの一本を二つ折りにすると、桂の両手首に巻き付け始めた。
    「縛ろうというのっ? わたしは罪人ではありません……」
    「このままでは、あなたのご主人も、間もなく囚われの身となり果てるではありませんか。妻女も同じ恥辱を味わってみてはいかがです?」
     沢井は両手首を拘束した縄を、桂の胸に回した。乳房の上が縄に締め上げられ、下も同じように縛られると、襦袢の裏地に乳首が擦れるのを感じた。上半身を振って沢井らの手からから逃れようとするが、自らの自由を奪う縄目に抗う余地は少ない。不正献金疑獄の真っ只中にいる夫の斉藤敬二郎は、当局の事情聴取に追われ、ここ二月ほど桂の身体を求めてこなかった。三十路手前の身体は疼きを内包している。こんなときだというのに、夫との閨を思い起こす自らを桂は羞じた。
    「ふふっ、このぐらいは抵抗してもらった方が、こちらも縄の掛け甲斐がありますな。野本、この桂夫人の縛られっぷりは、どう思う?」
    「罪人の妻に相応しいですな。縄が入るたびに身体がぴくっと跳ねるのが、また悩ましい」
     縄打たれる自らの姿を、この男はいやらしい視線で視ている。桂は生まれて初めての憤怒と屈辱を味わっていた。その間にも、縄は足されていく。
    「ほら、縛ったぞ。縄目の恥というものを、どうお感じになりますかな? さほどきつくはないはずですが、動くと縄が締まってきますぞ」
     着物を纏った上半身に食い込む縄目――。背中に縛られた手首を動かして縄抜けを試みたが、二の腕を縛り固められているため、上半身を無駄に揺さぶることしか出来ない。かえって、胸の上下を締め上げる縄が食い込み、桂の胸中に広がっていた怒りは絶望に塗り替えられていく。屈従に傾きかけていた気持ちを振り払うように、桂は叫んだ。
    「こ、このような恥を晒しに、こちらに参ったのではございませんっ!」
    「これは勇ましい。だが、自らのお立場をお考えになっては? 敬二郎殿が獄に繋がれるかどうかは、わたしの一存に掛かっていると申しても過言ではありませんが」
     桂は震える唇をそっと噛みしめた。沢井の指摘は事実だった。敬二郎が勤務する財閥所有の商船会社においては、衆議院の有力議員に不正献金した疑惑が浮上し、検事局の捜査が入りつつあった。だが、金銭の出入りを司る経理部の課長補佐である敬二郎の身柄を拘束するかどうか、当局内でも判断が分かれていた。法務省に勤務する桂の従兄・重蔵がもたらした情報だ。没落したとはいえ元士族であった桂の実家・土岐家としても、敬二郎が逮捕される事態は何としても回避したかったのは当然だった。
     土岐家が伝手をたどった結果、政界への転身を図る司法省官僚に対し、資金援助を持ちかけている沢井という新興成金に行き当たった。沢井は土岐家の申し出を受け入れるに当たり、桂との面会を要求した。桂は沢井が浅草に所有する別邸の座敷に引き入れられたところだった。夫と実家のため、桂は重蔵に覚悟を決めるよう因果を含まされていた。女学校一の美女との誉れ高い桂と、九州の旧家出身で財閥の俊英と目される敬二郎の夫婦生活を壊すわけには行かなかった。そして何よりも、桂は敬二郎を愛していたからこそ、懊悩しつつ身を挺す決意を固めたのだ。。
    「しかし、このような辱めは……。縄をほどいてくださいっ」
    「往生際が悪いですな。御自らの姿をご覧になれば、そのような口も利けなくなりましょう」
     沢井が顎をしゃくると、野本は部屋の隅で裏返されていた大鏡を桂の眼前に運んできた。思わず顔を伏せようとしたとき、顎の下に竹笞を抉じ入れられた。
    「わたしは笞などを使うのは好みませんのでな。痛い目を見たくなければ、鏡に目を向けるのです」
     沢井が背中から垂れる縄尻を掴んで上方に引き上げながら、窘めるような口調で命じた。野本が手にした笞の柄を顎の下で前後に動かしているため、顔を伏せることもままならない。痛みは与えられずとも、まるで責め問いだ。桂は横座りとなった脚をもぞもぞと動かしたが、大した抵抗にはならない。
    「ああ、お許し……」
     涙に煙る視線の先には、自らの恥ずべき姿が映し出されていた。鳥の子色の地に薄紅色の花びらをあしらった着物――御守代わりに身に着けてきた亡き母の形見だった――に、肩のあたりまで伸ばした黒髪。そこに加わった臙脂色の麻縄が酷薄さを剥き出しにしている。だが、見慣れたはずの自らの姿が普段以上に美しく彩られているのも事実だった。呆然と視線を正面に投げかけつつ、かすかなナルシズムにすた浸りかけていると、沢井の両手が胸を這い回り始めた。 
    「お止めくださいっ! そんな淫らなことをっ」
    「こうされるのはお嫌いじゃないはずですよ、桂奥様。ご主人は当局への対応に追われてお疲れでしょうから、閨でも身体に触れてこないのではありませんか。乳首がもう固くなられているのでしょう?」
     縄目に絡め取られてからの身体反応を見抜かれている。恥じ入った悲鳴を上げながら上半身を捩り立てつつも、桂は乳房を揉みしだかれる快感に身体の芯を灼かれそうになっていた。沢井の手が着物の前袷を開き、乳房を剥き出しにする。血管が透けて見えるほど白い肌の頂点に、着物の模様と同じ薄紅色の乳首が屹立している。
    「いやっ、ご覧にならないで……」
    「子供がいないだけあって、若い乳ではありませんか。いささか大きすぎますがね。まるで異人のようだ」
     乳首が指の腹で転がされる。こよりを作るような手つきで摘ままれ、揉み立てられる。鳥肌が立ったような乳暈はしこり、乳首の充血は増すばかりだ。心地よさに、口から漏れ続けている悲鳴が喘ぎ声に転じつつある。すると、脚が崩れたのを見計らったように、着物の裾から腰巻きの下に沢井の手が忍んできた。
    「そこはっ……」
     慌てて股を閉じようとしたが、遅かった。却って沢井の手を挟み込んでしまい、桂は進退に窮してしまった。
    「往生際が悪いですな。乳首は立っていますし、オマ×コにはお湿りが来ているではありませんか。おや、ここ、おサネにも血が溜まっているようですな、既に剥けていますぞ」
     知ってはいたが、耳にするのは初めての俗語に、桂は耳から全身を汚される気がした。沢井の中指は着実に敏感な突起を探り当てている。いくら腰を揉んでも中指は離れず、却って微妙な動きを促してしまい、くるめきが全身を覆う。蜜壺から溢れる熱い樹液をすくい取り、勃起した肉芽に塗り付けてさらなる汚辱に桂を追い込む。人差し指と薬指で両側を押さえられ、さらに充血を増したおサネを、節くれ立った太い指に似合わぬ繊細な動きで転がされると、桂は「ああっ」と快感を訴える声を上げずにはいられなかった。
    「いいお声ですな。これはどうです?」
     沢井は人差し指と中指の第一関節の間に肉芽を挟み、力を入れたり抜いたりを繰り返した。野本は笞を捨て、桂の乳首を摘まみ転がしている。沢井だけならともかく、野本にまで嬲られる――。しかし、その屈辱も快感を増幅する効果をもたらしてくる。呼吸が速くなり、悩ましい声を止められなくなった。
    「ああっ、止めてっ! 止めて下さいっ!」
    「ふふふ、既にオ×ンコとおサネを、わたしに明け渡しているではありませんか。今さら止めてとおっしゃっても、いささか遅すぎますな。ニチャニチャっと、妙な音まで聞こえてきますぞ」
    「イヤですっ、それ以上なさらないでっ」
    「今止められたら、困るのは桂奥様ですぞ。しかし、随分はしたないですな。夫君のために仕方なくわたしに身を任せるのではなく、御自ら愉しんでいらっしゃる。こうして嬲り者にされるのをね」
    「く、口惜しいです……」
     率直な感情が漏れた。桂は緊縛された身体を悶えさせつつ、一音階高い喘ぎ声を座敷中に響き渡らせた。
    「口惜しいのは、高みに登らされそうだからでしょう? こういう嬲りはいかがです?」
     慌てて唇を引き結んだ桂の肉芽を、沢井は指先で軽く弾いた。快楽を載せた波動が全身に広がる。野本は図々しくも、乳首を吸い、根元を甘噛みし始めている。それを何度か繰り返され、桂は顔を左右に振り立てつつ、腰を蠢かせている。
    「い……い、いっ」
     沢井は肉芽を中指の腹で押し始めた。その力は当初は弱く、時折強められる。野本は乳首をひねり回す動きに転じている。陰湿で淫靡な責めに、桂は落城寸前だ。
    「さ、こんなときはどう言えばいいのか、知らないわけじゃあるまい? 一言『逝く』と言えば、極楽に遊ばせて進ぜます」
    「い……く……。い、きそうっ」
     肉芽に押し当てられた指が突然去った。乳首だけが依然甘痒い刺激に晒されている。
    「ぐっ……」
     桂は沢井を睨め付けたつもりだった。が、その視線に込められているのは哀願でしかなかった。
    「どうしてほしいのです?」
     沢井は桂の双眸をわざとらしく覗き込んだ。嘲笑と揶揄を含んだその目に、桂はもう逆らえなかった。
    「続けて……」
    「何をです?」
    「指を……。指を当てて下さいまし……」
    「こうですかな? それとも、こちらがよろしいかな?」
    「どちらでも構いませんっ! 最後まで続けて……」
    「逝かせてほしいのですな?」
     またしても指の動きを止めた沢井が、分かりきったことを尋ねる。桂は無言で頷いた。次の瞬間、肉芽に優しい振動が与えられた。
    「あん、あ……。逝きますっ。逝くっ!」
     快美感が背筋を走り抜ける。桂は顎を仰け反らせ、腰を小刻みに痙攣させていた。
    「桂様、欲求不満は解消できましたかな?」
     沢井の揶揄が耳に残った。
    (続く)    

    きた×Leon コラボ企画
    モデル:あんじゅ

    美しく蠱惑に満ちた写真を撮り続ける縄師兼カメラマン・Leonさんとのコラボに挑戦した。

    彼が撮影した写真を基に、おれが巡らせた妄想を文字にしてみた。

    この文章が、モデル・あんじゅさんの魅力と色香をさらに際立たせているなら、筆者としてもこの上なく嬉しい。

    それでは、皆さん、よいお年を。

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