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    「敗残」(「手錠」⑦)

    「あ、その美梨って女のパンツ、シミにができてるぜ」
     凉花の身体を嬲っている班長がスキンヘッドに声を掛けた。小太りが美梨の前面に回ってしゃがみ込んだ。
    「あ、ホントだ。クロッチの部分は色が変わっちまってる」
    「止めてっ!」
     美梨が顔を左右に振りながら悲鳴を上げた。「おれたちは事実を口にしてるだけだぜ。おれの指にはさっきからヌルヌルした熱いのが絡まってるんだ」
     ショーツの中から手を引き上げたスキンヘッドが、美梨の目の前で人差し指と中指を広げて見せた。指の間には白く濁りかけた粘液の筋が二本、吊り橋のようになって煌めいていた。
    「イヤあっ!」
     美梨は真っ赤になった顔を必死に背けた。「すんげえエロい臭いさせてるんだ、そりゃ恥ずかしいよなあ」
     スキンヘッドは粘液を美梨の鼻孔の入り口に塗り付けようとした。美梨は双眸に涙を浮かべて抵抗したが、縛られた身で逃れきるのは困難だった。
    「どうだ、あん? お前が盗撮したことを認めるか?」
    「そんなことしてません……」
    「ならば、もっと恥ずかしい目に遭ってもらうぜ。もっと濃いマン汁を垂れ流して恥をかくことになるぞ」
     小太りがいつの間にやら持ち出してきたアタッシュケースを開けて見せた。中には種々のバイブレーターや電動マッサージ器などの淫具が並んでいた。
    「どれがいい? お前に選ばせてやるぜ。最近の警察は民主的になったんだ、喜んでくれよ」
    「そんなもので何をするの? 警察がそんなことするんですか?」
    「お前みたいな助平女には、こういう尋問がピッタリだからな。ほら、電マがいいか? それとも、中に太いバイブを咥え込ませてやろうか?」
    「どっちもイヤっ!」
    「そんなこと言うんだ、せっかく親切に選ばせてやろうってのに」
     スキンヘッドは電マの先に男根を象ったアタッチメントを取り付けると、美梨の鼻先のに突き付けた。
    「電マとバイブ、両方の威力を試してやるよ、そんなこと言うんだったら。経験あるのかもしれないがな」
    「そんなイヤらしいこと、経験ありませんってば」
    「それなら、ここで初体験してみな。白状する前に、たっぷり愉しませてやる。こんな優しい警察はいねえぞ」
     スキンヘッドはいったんアタッチメントを外すと、振動させた電マの先端で両乳首を交互に嬲り始めた。
    「ああ、そんなことしないでえ……」
    「と言いながら、腰をモゾモゾ動かしちゃって。ホントは気持ちいいんだろ?」
    「また股間を熱くしてますぜ、この女」
     尻から差し入れた手で股間を嬲りながら、小太りが卑猥な笑みを浮かべた。
    「早くオマ×コを責めてやるか」
     スキンヘッドはしゃがみ込むと、ショーツの上から電マをあてがい、スイッチを入れた。
    「ああん、イヤっ」
     小太りが乳首を摘まみ転がしている。しばらくショーツの上から電マで股間を責めていたスキンヘッドは、ショーツをずらして女芯をさらけ出した。
    「そこは止めてっ!」
    「何だ、もう蒸れ蒸れじゃないか。早く挿れてほしいんじゃないのか」
     スキンヘッドはアタッチメントを電マに取り付けると、その先端を秘裂に沿ってなぞり始めた。美梨の泣き声が高まってきたところで、先端を肉壺に潜り込ませた。
    「あんっ」
    「まだまだ奥までは責めてやらないからな」 スキンヘッドは振動もしていない先端を小刻みに入り口付近で抽送していた。美梨は歯を食い縛り、その感覚に耐えていた。
    「お前にはまずこれを試してやろう」
     美梨が責められる様子を、凉花の乳首を嬲りつつ見物していた班長は、アタッシュケースからピンクローターを取り出し、凉花に見せた。
    「そんなもの、使わないでください」
    「ローターなんかじゃ不満か? ホントは電マとか家で使ってるのかな?」
    「もしかすると『吸うやつ』がお気に入りかもしれませんぜ」
    「そうかもしれないな。週に何回オナニーしてるんだ、凉花女王様?」
    「そんなことしてませんっ」
    「処女のくせして妙に感度がいいのは、オナニーしてるとしか思えないんだがな。毎晩してるんだろ、ホントは?」
    「もしかすると、SMクラブで男を責めた後、密かにオナニーしてるかもしれませんぜ」
    「勝手な想像しないでっ! ああんっ」
     ローターの振動が乳首に当てられた。それだけで凉花の背筋に電流が走り、腰が浮き上がりそうだった。部下は凉花のショーツの前部を縄で結ぶと、斜め上の方に引っ張り上げた。
    「止めてえ、そこ見ないでえ」
     秘唇をさらけ出された凉花は泣き叫んだ。ショーツに結ばれた縄は凉花の腰に巻き付けられ、固定された。
    「あうっ!」
     ローターの振動が肉芽に当てられた。凉花の前にしゃがみ込んだ班長が振動するローターを巧みに転がすようにして肉芽を苛んでいる。背後に回った部下は乳首を摘まみ転がしている。
    「ああ、もう許してえ」
    「こんなの、まだ責めてるうちに入らないぜ。おい」
     班長は部下に声を掛けた。部下は乳首への責めを止める代わり、先端が黒いゴムに覆われたクリップのようなものを両乳首には取り付けた。クリップから伸びたスイッチボードを操作すると、クリップが振動を開始する。「取って、それ取ってっ」
    「そいつも満更じゃないはずだぜ」
     部下は凉花の背後にしゃがみ込むと、筆を持ち出した。
    「イヤっ、それダメっ!」
     初めての感触に凉花は狼狽の声を上げた。筆は凉花の蟻の門渡りや後門のあたりを擽り回している。そして、肉芽に当てられた振動は強められた。
    「ああん、もうダメっ……」
     腰がプルプル震えたかと思うと、凉花は顔を仰け反らして全身を硬直させた。
    「おい、もう逝っちまったのか? 逝くときには逝くって言わないとダメじゃないか」
    「さっきから焦らされた上に、クリとケツ穴を責められてますからね。普通の女はイチコロですよ」
     部下が下卑た笑いを浮かべた。
    「今度は逝くって言うんだぞ、言わなかったらお仕置きだからな」
     班長と部下は責めを再開した。
    「あん、逝くっ!」
     凉花はいとも簡単に二度目の絶頂に達した。班長と部下は呆れたような表情で顔を見合わせた。
    「もう一人の被疑者はもう逝っちまったぜ、処女のくせに。お前はどうかな?」
     スキンヘッドは電マの先端を小刻みに抽送しながら美梨に尋ねた。美梨は顔を左右に振るだけだった。スキンヘッドは入り口しか責めていなかった先端をいきなり奥に突き入れた。
    「ああんっ、それキツい……」
    「何がキツいんだ?」
     惚けながらスキンヘッドは先端を引き上げると、今度は先端を斜めに挿入した。
    「そこダメえ」
    「Gスポの方がお好きかな?」
     先端に振動が加わり、美梨は絶叫した。背後からは小太りが乳首を相変わらず責め立てている。電マの強烈な振動がGスポットを激しく刺激する。美梨はこの感覚に懸命に抗おうとした。だが、機械的な刺激で巧みに性感帯を責め立てられては、抵抗も儚いものとなるしかなかった。
    「ああん、もう許してっ……。ひうっ!」
     地面についている右足が床から浮き上がり、美梨は宙吊りとなった。そのまま全身を痙攣させ、振り立てられていた顔から汗が飛び散った。凉花に続き、二人目の被疑者・美梨も敗残の姿を晒すしかなかった。

    「対面」(「手錠」⑥)

    「せっかくだから、お互いの顔が見えるようにしてやろうか」
     「え、せっかく目隠ししたのに、もう外してやるんですか? 目が見えない方が女は感じるでしょう」 
    「いや、実はな……」 
     班長と部下の間でひそひそ話がなされているようだが、凉花にはその中身は聞こえない。
    「なるほど、そいつは楽しみですね」
      含み笑い混じりに部下が答える。不安に怯える凉花の目隠しが外された。予想どおり、目の前二メートルほど先にには後ろ手に縛り上げられた女が立たされている。比較的背は高く、ショートカットで、目鼻立ちは整っている。白いブラウスのみを身に着けた上半身に喰い込む縄が、豊かな胸を絞り出し、余計に大きくなっているようだ。凉花がその姿を見つめていると、目を逸らした。つい視線を釘付けにさせてしまったことを、凉花は心密かに恥じた。
     「凶器を隠し持っていた女王様と、盗撮犯のご対面だ。どっちも綺麗な顔して、やることはえげつないぜ」
      班長が揶揄した。
     「あ、あたしとこの人をどうしようっていうの?」
      凉花の前に吊された女が叫んだ。声がわずかに震えている。
     「まずはこうしてやるんだよ」 
     女を連行してきたと思われる小柄で小太りの私服刑事が、ブラウスの前ボタンを乱暴に引きはだけた。刺繍があしらわれた白いブラジャーが顔を出した。
     「何するんですか? イヤらしいこと止めてください!」 
    「われわれはイヤらしい気持ちでやっているんじゃない。お前みたいな女を早く白状させないといけないからな」 
    「止めてってばっ!」
     「うっ……」 
     小太りがその場に蹲りそうになった。女が履いている靴のヒール部分で、足を踏まれたらしい。
     「おい、今のは公務執行妨害だぞ。処罰が必要だな」 
     女を連行してきたとみられるもう一人のスキンヘッドの刑事が、女の頬に平手打ちを喰らわすと、左膝の上に縄を巻き付け始めた。
     「今度はどうしようっていうの?」
      スキンヘッドがニヤリと笑った。縄は女の頭上にぶら下がった輪に通された。
     「こ、こんな恥ずかしいっ……」
      女の左脚は膝を起点に吊り上げられてしまった。そのため、スカートがめくれ上がり、パンストに包まれた白いショーツが丸見えとなっている。
     「われわれに逆らうから、こんな格好にされちまうんだよ、美梨(みり)ちゃん」
      スキンヘッドがイヤらしい笑いを浮かべながら、女の頬を突いた。痛みが引いたのか、小太りが立ち上がり、美梨と呼ばれた女の頬を張ると、美梨の前にしゃがんだ。 
    「こうしてやる」
      小太りは黒いストッキングの股間部分に爪を立て、思い切り破った。白いショーツに思わず凉花は目を奪われた。
     「イヤっ、何でそんなことを」
      小太りはショーツの二重底となっている部分に中指の腹を這わせ始めた。小太りに代わってスキンヘッドが引きはだけたブラウスに続き、ブラジャーを引き下げた。形の良い乳房がまろび出る。
     「なぜ乳首が立ってるんだ? コリコリさせやがって。お前は取り調べされながら、エッチな気分になってるのか、あん」
      スキンヘッドは淡い桃色の乳首を指先でやわやわと揉み立てている。スキンヘッドはショーツの底をつつき回しながら、鼻先をそこに近づけている。
     「何か、スケベな臭いがしてきたぞ。お前、こういう風にされるのが好きなのか、被疑者のくせに」
     「イヤらしいことしないでっ! ああ、あなたたちは本当に警察官なのっ? 弁護士が来たら訴えてやるっ」
     「弁護士に、縛られて身体をちょっと触られただけで、乳首を勃起させながらパンツ濡らしましたって訴えるのか? そんな被疑者をまともに弁護するような弁護士はいないぞ、あん?」 
     スキンヘッドが美梨の乳首を長く引き伸ばすようにしながら嘲った。
     「お前ももう一人の被疑者が羨ましいんだろう」
      班長が凉花の乳首を掌で転がしてきた。
     「イヤっ、もう許してっ!」 
    「ここはどうかな?」
      尻の方から差し入れた手の指が、凉花のショーツの底を前後に撫で付ける。
     「触んないで、痴漢!」 
    「そう言いながら、指が何やら粘ついてきたぞ。お前も目の前の女みたいに、尋問を愉しんでるんじゃないのか?」
     「もう濡らしてるんですか? ったく、だらしねえ。オ×ンコを直接触られたわけでもねえくせに。ちょっとパンツ触ってるだけですよね、班長?」
      身体の前面から部下が乳首を捻り転がしてくる。その快美感に、凉花は人の字縛りの身体を悶えさせた。
     「どうやら、凉花女王様は尋問を痴漢プレイと勘違いして愉しんでるみたいだな。ほら、パンツの上からでも分かるぞ、ここがコリコリしてきてるのが。処女のくせに、ここがこんなに大きくなってるのは、毎晩自分で弄ってるせいか?」
     「ああん、そこ触らないで! きったない手で……」
     「おれの手を汚してるのは、お前が漏らしてる粘っこい汁だぜ。クチャクチャ音もしてきた。何だか、エッロい臭いも漂ってきたぞ。処女の女王様が、情けないこった」
     「あああ、もうイヤっ。ダメえ……!」
      凉花の腰が小刻みに震え始めた。しばらく薄布の上から肉芽を弄り続けていた班長は、凉花がもう一声呻いた時点で、手を引いた。部下も乳首から指を離した。思わず、凉花は班長を振り返った。 
    「処女のくせに、痴漢みたいに触られて逝っちまおうってのか? 気の早い女王様だぜ。お前の前にいる女が出来上がるまで、お預けだな」 
     凉花は自らの顔に口惜しげな感情が走ったことに気付かなかった。
     「お前はそろそろもっと敏感なところを集中的に嬲ってほしいのか?」
      凉花と同じように尻の方から差し入れられた手でショーツの船底を弄り回されている美梨はかぶりを振った。
     「この女も乳首を勃起させてますぜ。そろそろクリを触ってやってもいいじゃないですかねえ」
     「そうだな、触ってほしかったらおねだりしてみろ」 
    「だ、誰が……ああっ!」 
    「大サービスだ。パンツの上からなんてまどろっこしいやり方じゃなく、直接触ってやるぜ。あーあ、もうオ×ンコ熱くしてやがるなあ」
     「止めて、そこだけは……」
      背後を振り返って美梨は叫んだ。

    「連行」(「手錠」⑤)

     部屋の扉が開く音が鳴った。涼花は思わず音のした方に顔を向けた。
    「放してっ、警察がこんな真似をするんですかっ! 誰ですか、あの女の人は?」
    「いいから、大人しくするんだ。今度有罪だったらムショ行きだぞ」
    「悪いことをしたのはお前だ、分かってるだろう」
     新たな容疑者が連行されてきたようだ。声からすると、若い女らしい。二人の男が女をこの部屋に勾引してきたと思われる。
    「あたし、そんなことしてませんってば。何かの間違いです!」
    「間違いかどうかを決めるのはおれたちであってお前じゃない。勘違いすんなよ」
    「証拠は残ってるんだ。言い逃れなんかせず、素直に吐いた方がいいぜ」
     新しい女を連行した二人の男は、涼花を逮捕した警官たちよりもドスの利いた声を響かせている。
    「お疲れ様です、班長。その女は何をやらかしたんですか?」
     太った方の声が耳のすぐ後ろから響いた。涼花の背後に回り、乳房を揉み、乳首を弾き転がしている。
    「イヤっ、何なの? 何で他の人が入ってくるの?」
     涼花の叫びを無視して、男たちのやり取りは続いていた。
    「盗撮だ。女性用スパの更衣室で、利用者の女の裸を盗み撮りしていやがった」
    「嘘ですっ!」
    「なら、何でお前のスマホに画像が保存されていたんだ?」
    「それは誰か別の人が……。痛いっ、止めてくださいっ」
     女は泣き声を上げた。本当なら酷い話だ。だが、女の必死の訴えを耳にすると、本当に冤罪ではないかという気がしてくる。涼花もほとんど言い掛かりのような容疑で逮捕された身であるだけに、余計そう感じるのかもしれない。あまりの成り行きに、涼花は新たな恐怖と羞恥に襲われた。
    「別の誰かがやったなら、その証拠を見せてみろ。どうせ、撮った写真を盗撮マニアか何かに売って小遣い稼ぎでもしていたんだろう」
    「お前もあの女みたいな格好にされたいか?」
     班長とその部下と思われる男の怒声が響き、どんという音とともに、床に何かが落ちるようなどさっという物音が響く。女が突き飛ばされたようだ。
    「痛いっ。本当に警察なんですか、あなたたち? あの女の人は何であんな風に縛られてるんですか? おかしいですよっ」
    「本来ならな、犯罪者は縄で縛り上げるもんなんだよ。手錠と腰縄くらいで済んでることをありがたく思え」
    「いやっ、もう外してください……。取り調べの時は手錠もなしですよね?」
    「それもそうだな。手錠は外してやるか」
     カチャカチャという金属音が鳴っている。手錠の鍵を外しているのだろう。
    「いやっ、何でっ? 手を離してえ」
    「言ったろ? 犯罪者を拘束する時は縄で縛るもんなんだよ」
    「あの女の縛られた姿、エロいだろ? お前も縛られたらもっとセクシーになるぜ」
     縄が擦れる音が涼花の耳を嬲る。今連行された女も、涼花と同様に縄で縛り上げられているようだ。
    「ほら、先客の女が尋問される様子でも見ていな」
     班長と呼ばれた男の声だ。
    「ああ、何をするのぉ……」
     女の声が近くなった。もしかすると涼花と同じように、天井から垂れた縄に繋がれているのかもしれない。
    「聞き分けのない女で困るぜ。ところで、その女は何をやらかしたんだ?」
    「この女、縄とかカッターナイフとか危険な物を持ち歩いてましてね。軽犯罪法でしょっ引きました」
    「そいつは穏やかじゃありませんね。何でそんな格好をしてるんですか、その女は?」
    「SMの女王様らしいんですよ、それが」
    「へえ、可愛らしい系の美人なのに、見かけによりませんね」
    「それだけじゃありませんよ。ちょっとこの女のオ×ンコを覗いてみてください」
    「おい、まさか、チ×ポが生えてるんじゃないだろな」
     班長が軽口を叩いた。脚を開いて固定され、丸出しになった股間に息が掛かるのに、涼花はそっぽを向いて耐えた。誰の目にも触れさせなかった部分が、今日だけで四人の男に見られることになる。耐えがたい羞恥だったが、身動きもできず視界も遮られたままだ。
    「へえ、こいつは驚いたぜ。処女膜がしっかり残ってやがる」
    「え、処女なんですか、この被疑者は? おれにも覗かせてください」
     班長の部下の男が涼花の股間に屈み込んでいるらしい。涼花は顔を左右に振り立て、身体を捩ったが、無駄な抵抗でしかない。
    「マジですか、処女の女王様なんてのがいるんですね! こりゃ、相当に珍しいじゃありませんか」
     その声は卑猥な調子を帯びていた。
    「それに、こんな状況なのにビッショリ濡らしてやがる。取り調べを愉しんでやがるんじゃないか、この女被疑者は」
     パンティの前の部分を擽られ、涼花は屈辱に喘いだ。
    「軽く揉んでやっただけでこうですからね。処女のくせに助平な身体をしてやがりますよ」
     長身の警官が涼花の反応を揶揄する。太った方が班長に言った。
    「この女、涼花女王様って源氏名なんですが、なぜこんな仕事をしてるのか尋問してるところなんですよ」
    「それは大事な点だな。早く吐かせちまえ。お前らのお手並み拝見だが、必要ならおれたちも手助けするぜ」
    「へへ、班長たちに手伝ってもらったら、この女は言わなくてもいいことまでゲロっちまいそうですね」
     太った方が下卑た声で班長に阿っている。髪の毛を掴まれ、乳房をギュッと握られる。己の恥ずかしい格好を他の警官と同性の容疑者の目に晒されながら、涼花女王様は恐ろしさに打ち震えるしかなかった。

    「目隠」(「手錠」③)

    「こ、こんなことしてっ。あたしに何をするんですか?」
    「さっき言っただろうが、取り調べだよ」
    「痛い目に遭いたくなかったら、早めに白状した方がいいぞ」
     太った警官と長身の警官が嗤った。二人とも上着と制帽を脱ぎ、ネクタイも外して白のワイシャツ姿になっている。対して、涼花は二十畳ほどの部屋の真ん中あたりに吊されている。天井から垂れ下がったフックに縄尻を繋がれ、
     黒のガーターストッキングに両脚は肩幅より広く開かれ、それぞれの足首はコンクリートの床に取り付けられた革枷に固定されている。
    「何も白状することなんかありません。さっき言ったとおりです。それに、何ですか、この部屋は? まるで拷問部屋ですよ」
    「女王様のくせに拷問部屋を見て怖じ気づくなよ。これでも紳士的に事情聴取するつもりなんだがね」
     太った方が顔を歪めた。長身の方もそれなりに整った顔に陰惨さを貼り付けている。
    「だ、だって……」
     部屋の奥には鉄格子の嵌まった牢屋があり、片方の壁には鏡が張り巡らされている。そして、涼花の身体は鏡の方を向けられている。もう片方の壁には縄や鞭、枷などがぶら下げられている。プレイで用いられる部屋や道具とは異なり、遊びではなく、収容者を本気で屈服させる意思を感じさせる部屋であり道具立てだった。
    「革の衣装を着たままじゃ暑いだろう」
     長身の方が、コルセットの前面にあるファスナーに手を掛けた。
    「何するのよ、ヘンタイ!」
    「女王様にヘンタイ呼ばわりされるとは光栄ですねえ」
     ファスナーを胸の谷間にから臍のあたりまで下ろすと、黒いハーフカップのブラジャーに包まれた乳房がまろび出た。
    「イヤあっ」
    「Dカップくらいはありそうだぜ」
     背後から太った方が乳房を揉み立てる。
    「触んないで、ダメっ」
    「ふふふ、感じやすそうなおっぱいだな。マゾ男に吸わせたりしてるんじゃないだろうな」
    「そんなこと……してませんっ」
    「ここを舐めさせたりはしてないのか?」
     長身がしゃがみ込んでスカートを捲り、パンティの前を撫でた。
    「そこはイヤっ」
    「黒い紐パンとはエッチですねえ、女王様。何だかもうヤーらしい臭いが漂ってますよ、どうしたんですかあ?」
     長身は鼻先をパンティの船底に擦り付けるようにしながら言葉で嬲る。
    「こ、こんなに虐めるのが取り調べなのっ? おかしいでしょ」
    「あんたは男を虐めた上に、銃刀法違反までしでかしてるんだぜ。悪いことをしたら、その報いを受けるのは当然だろう。ほら、縛られて情けない格好の女王様、自分の姿を鏡で見てみたらどうだ?」
    「ああん、酷い……。止めてえ、それは止めてっ」
     ブラジャーのカップが引き下ろされる。白く柔らかそうな乳房が顔を出す。桃色の乳輪は小さいが、乳首は意外にふっくらとしている。
    「美味しそうなおっぱいだな。女王様には似つかわしくないぜ」
     乳房の根元から乳輪に掛けて渦を巻くように、太った方の手指が這い回る。
    「おや、パンティから漂う臭いが強くなってきましたよ、女王様」
     相変わらずパンティの前面を撫で回しながら、股間の臭いを嗅いでいる長身が指摘した。涼花は顔を左右に振りながら、声をかみ殺している。
    「あんっ」
    「どうしたのかな? 乳首がコリコリしてきたぞ」
     乳首を指先で転がされ、涼花は思わず呻いた。耳元には息を吹き掛けられたり、うなじにキスされたりしている。
    「触んないでっ、カッター持ってただけで何でこんなことを?」
    「そもそも何で、あんたは女王様なんかやってるのかな? ホントはこうやって嬲られる方が好きなんじゃないのか?」
     乳首から生じる刺激が背筋を貫く。股間は直接触られているわけではないが、鼻や口から吐き出される息が敏感な部分を微妙に刺激する。
    「もっと激しく責めてやりましょうよ。この涼花女王様、せっかく色んな道具を持ってるんですから」
    「いや、案外柔らかい責めの方が効くかもしれないぞ」
     涼花の乳首を捻り上げて悲鳴を搾り取ると、太った方は涼花の荷物の中から、先端に赤いファーの付いた長さ二十センチほどの棒を取り出した。主に擽り責めに使われる「フェザースティック」と呼ばれる道具だ。
    「ほほぉ、そんな物も持っていたんですか」
    「しかも4本もあるぜ。全身を擽り回してやろうか」
    「それはイヤですっ」
    「男にそういう責めをするから、こんな物を持ち歩いてるんだろ? たまには自分でも味わってみろよ」
    「ほら、鏡から目を逸らしてるけど、自分の姿を見てみろ」
     長身が背後に回り、涼花の髪の毛を掴んで正面の鏡に正対させた。
    「イヤだってばっ」
    「仕方ないな、見たくないならこうしてやろうか」
     太った方がキャリーバッグから取り出し、長身に手渡したのは、黒いレザー製のアイマスクだった。
    「見たくないなら、目が見えなくても問題ないわけだ」
     長身の手によって涼花に目隠しが施された。涼花は不安そうな面持ちで顔を振った。
    「もう少し可愛がってやりましょうか、この女王様を」
    「気長に責めてやるからぜ」
    「ああ、もう帰して……」
     涼花女王様は二人の警官に訴えた。もちろん、願いが聞き入れられそうにはなかった。

    「聴取」(「手錠」②)

    「ほぉ、こんなイヤらしい格好をしていたとはねえ」
     春物の薄手のコートを脱がされた女は、太った方の警官を睨み付けた。逮捕されて黒いワンボックスカーの後部座席に押し込められた際、後ろ手錠を一旦外されて前手錠を掛けられ、手錠と繋ぐ腰縄まで打たれた。その際、着ていたコートを脱がされ、肩に掛けられたのだ。
     そして、今は鉄格子の嵌まった取調室に押し込められ、座らされたパイプ椅子の背もたれに腰縄を繋がれている。手錠も外されないままだ。
    「し、仕方ないでしょ。時間がなかったんです……」
     女は顔を赤らめながら抗弁した。女が着ていたのは黒革のコルセットスカートと呼ばれる衣装で、胸から下までの上半身のボディラインを強調するよう腰の部分を絞ったコルセットに、同素材の短いスカートをセットアップしたものだ。
    「ふむ。ところで、あんたの源氏名は何というんだ?」
    「りょ、涼花です……」
     逮捕後、連行された薄暗い取調室で、涼花と名乗った女は消え入りそうな声で答えた。太った警官はニヤリと笑いながら重ねて訊いた。
    「縄とか鞭とか入っていたが、今日はどんなプレイをしたんだ?」
     警官は取調室に持ち込んだ涼花のキャリーバッグから、縄や革手錠を取り出し、机に並べ始めた。涼花は眉を曇らせながら答えた。
    「……縄で縛ったり、革手錠で拘束したりして、鞭で叩いたり、ロウソクを垂らしたりです」
     俯きつつ、声は消え入るように小さくなる。地味ながら整った顔は赤らみ、机の上に乗せた手錠の嵌まった両手を握りしめている。
    「ねえ、あたしが縄とかを持ってたのは、仕事のためなんです。関係ない人を縛ったりするつもりなんかありません。お願いです、帰してくれませんか?」
     涼花は両目に涙を溜めて抗議した。よく見ると、顔立ちはそれなりに派手に見えるが、化粧を落としたら童顔なのかもしれない。年齢も二十過ぎくらいだろう。
    「しかし、あんたがそういう物を持ち歩いていたのは事実だろう。しかも、荷物の中身を改めたら、こんな物まで入っていた。明らかに銃刀法違反だな」
     背の高い警官がキャリーバッグから、布に包まれた細長い物を取り出し、太った方に手渡した。布を取り去ると、ハサミが姿を現した。
    「こ、これは縄が絡まったり解けなくなったとき、切るためのものです」
    「しかしねえ、こういう物を持ち歩くだけで、犯罪になるんだよ。知らなかったのか?」
    「そんなっ……」
    「人を縛るための縄のほかにも、刃物まで持っていたとあっては、見逃すわけにはいけませんね」
     長身の警官の目付きが厳しくなる。
    「確かにそうだ。縄を切るためにハサミを所持していたということが証明できないと、いつまで経っても帰れないぞ」
     太った方が涼花を睨み付けた。
    「どうやって証明すればいいんですか」
     涼花の声は震えている。
    「まあ、少し落ち着きなさい。よく考えたら、まだ手錠を掛けたままだったな。おい、外してやれ」
    「はい」
     背の高い警官が涼花に歩み寄り、手錠を外し始めた。涼花はホッとした様子で両手首を労るように擦った。すると、両手は背中に捻じ上げられた。
    「何をするんですかっ!」
     長身の警官が涼花の両手首を腰の上で重ねるような形に押さえ付け、太った方が机の上の縄をそこに巻き付ける。縄はあっという間に胸の上に掛け回され、背後で縄留めされる。それだけで涼花は身動きできなくなった。
    「縛られるのは初めてなのか? こうされたらもう抵抗できないって分かってるだろう」
     縄が胸の下にも回され、二の腕と胴体の間にも掛けられると、ますます緊縛は厳しくなる。そして、背中から首の横を通った縄が、乳房の間に通され、胸の上下に掛かった縄を引き絞り、もう片方の首の横から再び背中の縄に固定される。後ろ手に縛られただけでなく、乳房を縦横に縄で固められた格好だ。背後で太った警官が言った。
    「ハサミを縄を切るために使ってるって言ったな。なら、自分で縄を切ってみせるんだ」
    「む、無理です、そんな……」
    「なら、ハサミは不法に所持してたことになるぞ、それでもいいのか」
     長身の方が薄笑いを浮かべながらハサミを机の上に置いた。涼花は縛られた身体を捩り、拘束された右手で何とか掴もうとする。だが、長身がハサミを取り、刃先をつまんで涼花の目の前で揺らした。
     涼花が歯噛みしていると、背後から縄尻を引き上げられ、椅子から立たされた。
    「どうやら無理そうだな。今からお前を本格的に取り調べる。覚悟しておけよ」
     背中をどんと突き飛ばされ、涼花はつんのめった。長身に身体を抱き止められ、顎をつままれて顔を上に向けられた。にやけ顔と人を馬鹿にしたような目と視線が合う。その顔に唾を吐きかけてやりたい気持ちを、涼花は何とか堪えた。

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