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    温感(「やち責め」③)

    「そろそろ直にクリちゃん弄ってあげたいわね」
    「そうだな、せっかくローション用意したのに」
    「紐パン脱がすの、あたしにやらせてくれる? 早季ちゃんがどんな反応するか見てみたいの」
    「イヤですってば、そんなの……」
     早季は顔を左右に振り立て、雁字搦めに縄を打たれた上半身を捩りながら叫んだ。肩のあたりで切り揃えられた柔らかい髪が揺れ、腰が蠢く。
    「おいおい、もうこいつが欲しいのか? まだ早すぎるぜ」
     スラックスの下で充血した奥村の屹立を、早季の身悶えする尻が図らずも擦り上げる。背後からうなじに唇を這わされ、乳首をこね回された上に、熱い脈動の感触も加わり、早季は進退に窮していた。
    「腰を動かしても、逃げられないわよ。こうやって紐を引っ張ればすぐなんだから」
     美冴は早季の腰の左右で結ばれた紐を同時に引いた。早季が悲鳴を上げる間もなく、用をなさなくなったショーツは単なる布きれと化した。
    「意外に濃いのね、ここ。入念にトリミングしてるみたいだけど」
     美冴は指先で早季の草むらを撫で回しながら、悪戯っぽい目付きで見上げてくる。
    「触らないでください……」
    「だって、良い手触りだもん。触ってもらいたそうな匂いが漂ってくるわよ」
    「イヤぁっ」
     美冴は先ほど脱がせたショーツを奥村に手渡しながら言った。
    「あたしもこんなエッチな匂いをさせてるのかしら?」
    「早季ほどじゃないだろう。ここまでネバネバしたものを滴らせる女も滅多にいないもんな」
     早季の目の前でショーツを広げ、股布の部分を見せつけながら奥村は応えた。
    「これじゃ、ローション要らないくらいだわね」
    「せっかくだから塗ってみろよ。ローションを使うのは初めてだしな」
    「それもそうね」
     早季の近くに置かれたテーブル上にあるローションの瓶から、美冴はヌルヌルした液体を指先に垂らした。それを早季の肉芽にクリクリと塗りたくる。
    「イヤぁ、変な感じ……」
    「そのローションはな、塗られた後だんだん温かくなってくるんだ」
     奥村が解説しながら、タイマーをセットした。
    「今度はこれ試してみるわね」
     美冴はローションの瓶とともに並べられたケースから綿棒を取り出し、透明な流動体を肉芽の表面に満遍なく塗り広げ始めた。温感が広がるとともに、開花しきっていない性感がジワジワと昂ぶらされる。
    「それ止めてください……。あああっ!」
    「あたし、今の早季ちゃんと同じ格好に縛り付けられて、同じように綿棒で弄ばれたことがあるの。似たようなことをされる気分はいかが?」
     片手で早季の肉芽を完全に露頭させ、小指の先ほどの大きさに充血した神経の塊をヌルヌルと刺激しながら、美冴は尋ねた。
    「だ、ダメっ!」
    「何がダメなのかしら?」
     綿棒が肉芽とその包皮の間に差し入れられる。そのあわいをなぞるように回転しながら、綿棒の先端は早季の微妙な感覚を容赦なく煽り立ててくる。そのうえ、微妙な熱をもったローションの感触が、早季の繊細な神経のすみずみを容赦なく侵犯してくる。
    「ダメ、それされると……」
    「刺激が強すぎたようね。それとも、こうした方がいいかしら?」
     美冴は綿棒で肉芽の先端を強く擦った。早季が悲鳴を上げると、同じ動作を繰り返す。美冴が奥村に同じ責めを施されたときも、似たような嬲り方をされた。その際、美冴は呆気なく逝かされてしまったが、早季はどうだろう? そう考えを巡らせたとき、またしてもタイマーが鳴った。
    「ヒィっ……」
    「あら、残念ね。せっかくわたしが逝かせてあげられるかと思ったのに」
     美冴は早季の乳首をチュッと吸い上げて悔しそうな悲鳴を上げさせた後、ニッコリと微笑んだ。
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