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    「相対」(「連行」⑧)

    「最初はこれで行こうか」
     木内が取り出したのは柄の部分が木製の刷毛2本だった。
    「こんなもんでいいんですか?」
     角井がにやけ面で1本の刷毛を受け取りながら言った。
    「持ち時間は20分もあるんだ。最初から激しく責めて逝かせても面白くないだろう?」
    「それもそうですね」
    「バイブなんかを使うのも控えようか」
    「この女ども、却って欲求不満になるかもしれませんよ」
    「それも一興だよ」
     木内は奈々美の、角井は赤川の背後にそれぞれ回った。傍に置かれたテーブル上に置かれたノートパソコンの画面上には、大きく「20:00」という数字が表示されている。
    「お前らにも時間はきちんと示してやる。誤魔化したりはしないから心配するな。いや、むしろ時間内に逝かされないよう心配した方がいいな」
     角井と原は木内に追従するように下品な笑い声を上げた。2人の女は歯を食いしばりながら、そんな男たちから顔を背けている。
    「ふふふ、お前らは敵同士のくせに、似たような反応をしてるな。同じチ×ポを咥え込んでたせいかな。今からスタートだ」
     木内がノートパソコンの画面にタッチすると、20分間のカウントダウンが始まった。先ほどと同様、原は2人の姿をテレビカメラで撮影している。
    「ん……くくっ」
     角井の刷毛が赤川の耳たぶを這い回る。唇を噛みしばった顔が仰け反る。耳朶に嵌まった小ぶりなピアスに埋め込まれた石が煌めく。奈々美は顔を背けながらも、その様子を目の端で捉えていた。
    「ひぃっ」
     奈々美の首筋にゾクリとする感覚が走る。
    「目を背けていないで、前を見るんだよ」
     髪の毛を掴まれ、顔を正面にねじ向けられる。上半身を重罪人の女囚の如く厳重に縛り上げた縄の食い込みが痛々しい。上下を締め上げられたやや小ぶりな乳房は大きく膨らみ、青筋を立てて斜め上に飛び出している。色素の沈着が薄い乳首は早くも充血し、サクランボのように膨らんでいるのが卑猥だ。そして、両膝を椅子の肘掛けに括り付けられたため、すっかり丸出しになった股間は赤く色づき、まだ触られていないにも関わらず、うっすらと湿り気を帯び、小さく蠢いているように見える。責めの手を待ち望んでいるのだろうか。赤川が晒している恥辱の緊縛姿は、奈々美自身の写し絵でもあった。
    「見せないで、恥ずかしいっ」
    「そりゃそうだろう。お前も同じ恥ずかしい格好に縛られてるんだからな。下手に人の恨みを買うと、こんな目に遭うんだよ」
     木内が耳元で囁きながら、片方の耳朶や耳孔を擽ってくる。奈々美は顔を振り立てたが、刷毛の穂先から逃れることは出来ない。最初は擽ったさしかもたらさなかった刺激は、早くも性感を煽り立てるものに変化していた。
    「そんなことしたって感じないわよ!」
     角井の操る刷毛は赤川の乳房の裾から頂点に掛けて渦を巻くように這い上っている。両方の乳房に同じ責めを繰り返されるものの、赤川は気丈にも角井を睨み付けている。刷毛が赤川の乳首を掠めるように奔った。角井を睨む瞳がかすかに揺らいだ。
    「もっと早くここをいじめてほしかったんじゃないんですか、赤川さん?」
     角井は乳首の周囲で円を描くように丹念に刷毛を這わせつつ、時折乳首をかすめるという動きを繰り返している。赤川は改めて唇を噛み締めながら、漏れそうになる呻き声を押し殺しているようだ。
    「あんたも早く乳首を触ってほしいかな? どうだ、縛られて辱められるのも悪くないだろう。ちょっと揉んでやっただけでドMになっちまったんだかな」
     木内も刷毛を奈々美の乳首の周囲に這い回らせ始めた。喘ぎ声を発しそうになるのを危うく堪えた。先ほど3人から責められたときに比べ、身体が敏感になっているような気がする。木内の言うとおり、マゾの気が強いとしても、それを認めたくはない。。
    「止めてください……」
    「まさか、乳首触っただけで逝ってしまうことはないだろう? 素直になったっていいんだぜ」
     奈々美は木内の甘言に身を委ねてもいいかと思い、慌ててその考えを打ち消した。その間にも乳首はどんどん充血し、さらに尖ってきているのが目に入る。
    (武彦さんなら乳首舐めて甘噛みしてくれるのに……)
    「彼氏に乳首弄られてるときのこと思い出してるのか? あんたや赤川のこんな姿見たら、呆れちまうんじゃないか? 彼氏の妹にも嫌われるぞ」
    「ホントに止めてっ!」
     奈々美は叫んだ。武彦の妹で女子大生の咲良とは、2人でも遊びに行ったりする仲となっている。屈託ない性格で誰からも愛される咲良の愛らしい顔が脳裏に浮かび、奈々美はこんな男に屈してはならないことを思い出した。
    「あふっ」
     赤川の押し殺したような呻き声が聞こえる。角井は片方の乳首を刷毛で撫でつつ、もう片方の乳首を指先でやわやわと揉み立てている。赤川は顔だけでなく全身を赤く火照らせながらも、両足の指を丸めている。その姿は快感を堪えているようにも、湧き上がる愉悦に耐えるのを愉しんでいるようにも見える。
    「お前を陥れた敵は頑張っているようだな。お前はどうだ?」
     乳首の先端を刷毛の先が襲った。
    「ひっ!」
    「もっと色っぽい声を出したらどうだ?」
     木内は乳首を指でつまむと、その先端を刷毛の毛先で擽る。首筋や耳朶には唇が這う。奈々美も赤川を習うように足先を丸めた。全身が紅潮し、うっすらと汗を噴き出していることには気付いていなかった。
    「あん、そこイヤです……」
    「何を言ってる。ここをもっと触ってほしくてウズウズしてたくせに」
     木内は嗤いながら、乳首を刷毛で掃き清めつつ、もう片方の乳首を指先でつまみ転がした。
    「あんっ……」
     乳首から生じる快感が背骨を走り抜ける。先ほど木内にからかわれたように、乳首への愛撫だけで逝ってしまうこともあり得なくはないという気がした。ノートパソコンに目をやると、まだ残り時間は15分もある。
    「もの凄い汗をかいてるじゃないか。5分で逝ったら、おれたちも面白くないがね」
     奈々美は嘯く木内を睨み付けた。しかし、目力が残っているかどうかは自信がなかった。

    「甘露」(「連行」⑦)

     奈々美は吊りから解放され、縄を解かれたものの、すぐに後ろ手錠を掛けられた。奥にある檻付きの部屋に連れて行かれ、床に座らされた。
    「しばらくここで反省してなさい」
     赤川は奈々美の頬を軽く張ると、偽刑事たちは牢獄を出て行った。奈々美は床に座り込んだまま、涙を零した。汚れた顔を拭くことも出来ず、30分ほど呆然としていた。
    (早く帰りたい……)
     勤務先の会社には赤川が親族を装い、体調不良によって急遽休む旨の連絡を入れたという。だが、ここからいつ解放されるかは分からない。バッグは奪い取られたままで、後ろ手錠を掛けられている中、はだけられたブラウスを直すこともできない上、パンティも脱がされたままだ。あの4人はいつ戻ってくるのだろう? その時にはさらなる陵辱を受ける可能性もあるが、このまま狭い牢獄に閉じ込められたままでも気が狂いそうだ。
     目の前の鉄格子に近付いてみると、鉄格子の扉の閂を固定しているはずの南京錠が、きちんと嵌まっていないことが分かった。奈々美は鉄格子に背を向け、後ろ手で閂をずらしてみた。扉は肩で押すと簡単に開く。奈々美は檻から出ると、拷問部屋の扉に耳を付けた。外から音はしない。扉のノブを後ろ手で慎重に回してみる。
    「反省しろって言わなかった?」
     腕を組んで扉の前に立っていた赤川に突き飛ばされた。
    「痛いっ」
     頬を張られ、床に押し倒された。馬乗りになった赤川が奈々美に顔を近づけ、唇を重ねようとする。
    「何するのっ?」
    「あんたみたいなオンナ、虐めたくなるのよね。屈服したように見えて、しぶとく刃向かってくる。どんどん堕としてやりたくなるわ」
     唇を割って舌が差し入れられる。歯ぐきや歯の表面を舌でなぞられ、奈々美は顔を左右に振って逃れようとする。乳房が優しく揉まれ出すと、抵抗する気力が削られてくる。
    「もう帰して。お願いよ……」
    「帰すのはもう少し後だな」
     声の方に視線を向けると、木内ら3人の男が立っていた。角井が赤川を奈々美から引き剥がす。原と角井に押さえ付けられた赤川は、奈々美と同じように後ろ手錠をはめられた。
    「止めてっ、何であたしが?」
    「この女に復讐したいのは分かるがな、勝手な真似は許されないんだよ」
     木内が赤川を見下ろしながら告げた。
    「お前、この女が逃亡を図るように、南京錠を掛けなかっただろう? おれたちもそのことに気付いてたけど、あえて見逃したんだ」
    「この女が逃げ出そうとしたところを捕まえて、一人でいたぶる気だったんだよな? おれたちに対する背信行為だ」
     角井や原も口々に赤川を責め立てる。
    「そ、そんなつもりじゃないのよ。ただ、この女をもう少し懲らしめたかっただけ」
    「そんな言い訳、今さら通用すると思うなよ。この女の処遇はおれたちが決めるんだ。お前にもお仕置きをしなければな」
     木内の口調は冷たかった。奈々美は唖然としながらこの間の経緯を見つめていた。

    「どうだ、今の気分は?」
     木内は奈々美に尋ねた。
    「恥ずかしいです、こんな格好……」
     俯きながら奈々美は答えた。赤川が捕まった後、2人とも服を剥ぎ取られ、麻縄で後ろ手に縛り上げられた。赤川は抵抗したが、3人の男たちに力では敵うはずがなかった。奈々美は毒気を抜かれてしまい、裸に剥かれる際もはかばかしい抵抗はせず、大人しく縄を打たれた。しかし、肘掛け椅子に座らされ、畳まれた両脚を肘掛けに固定される際は抵抗したが、無駄だった。
     逆に、赤川は上半身を縛り上げられてからは大人しくなり、奈々美と同じ姿勢で肘掛けに固定される際も抵抗らしい抵抗は見せなかった。そして、2人は椅子開脚縛りの格好で、1.5メートルほどの距離で向かい合わされた。お互いの顔を見ることは出来なかった。
    「今井奈々美、もう解放してほしいか?」
     奈々美は弱々しく頷いた。
    「早ければ、あと20分ほどでここから出してやろう」
     思わず奈々美は木内を見上げた。
    「ルールは簡単だ。20分間、おれたちに責められて逝かなかったら許してやる。逝ったら解放しないだけじゃなく、あらたな仕置きをすることになる」
    「ほ、本当に20分耐えたら帰してくれるんですね?」
    「無論だ。ただし、逝ってるのに逝ってないフリをしても分かるんだぞ。そんな真似をしたら、何日もここに閉じ込められるんだ。分かったな?」
    「はい……」
     奈々美は小さな声で返答した。それに頷くと木内は赤川に言った。
    「そして赤川、お前にも同じ責めを加えてやる。これは、おれたちを出し抜いてこの女を責めようとした罰だ。20分間で逝ったら、お前もここで延々と拷問されることになる。ただし、耐え抜いたら今日のことは不問に付す」
     木内を睨み付けていた赤川は、そっぽを向いた。
    「不服のようだが、まあいい。この格好で抵抗できるはずがないってことは、お前もよく分かっているだろうからな。喉が渇いただろう」
     原と角井がそれぞれ500ミリリットルのペットボトルに入った紅茶飲料を奈々美と赤川の口に突き付けた。
    「大人しく飲んでおけ。水分補給は大事だぞ、これからまた体液を身体中から垂れ流すんだからな」
     2人の女は口を開かされ、ペットボトルの中身を注ぎ込まれた。奈々美はこんな男に紅茶を飲まされるのは屈辱だったが、ほどよく甘い液体は全身に染み渡るように感じた。普段より柑橘系の風味が強く思われたが、木内の心遣いに感謝したくなるほどだった。

    「理由」(「連行」⑥)

    「すっかり出来上がったな。使い慣れた玩具で責められたのがよかったんじゃないのか」
    「あたしたちの道具の使い方もツボにはまってたのよ、きっと。自分でするとき、今日されたことの真似するんじゃないの?」
    「すげえエッロい臭いがしてますよ。撮ってるおれの方にも漂ってくる」
     緊縛されたまま訳も分からず淫らな責めに晒され、何度も絶頂に達してしまった奈々美の身体は、まだ吊り下げられたままだ。身体中から噴き出させられたを拭う術もなく、項垂れている。つい先ほどまでは口から涎が引くように滴っていたが、今は雫が次々と落ちている。
    「おや、泣いてますねえ、この女は。せっかく、被疑者に過剰なくらいサービスしてやったのに」
     角井が奈々美の髪を掴み、顔を晒し上げた。顔に浮かんだ汗は乾きつつあるようだが、美しい双眸からは涙が溢れている。汗と涙と涎に化粧はあらかた洗い流されてはいたが、それでも顔立ちの美しさは明らかなのが、却って哀れを誘っていることに奈々美は気付いていない。
    (死にたい……)
     しゃくり上げるのを懸命に堪えようとしても、涙は後から後から溢れてくる。身体が揺れるにつれ、自らを吊り下げた縄がギシギシと音を立てる。あれだけの快楽に図らずも悶絶させられたにもかかわらず、縄目は一向に緩みそうもない。刑事を名乗るこの男女は一体何者なのだろう? 奈々美には見当も付かない。
    「ふふ、すっかり身体の力が抜けたんじゃない? そろそろあなたが『逮捕』された理由を教えてあげましょうか」
     奈々美は赤川を睨んだ。しかし、その視線は大分弱々しかった。
    「あたしの顔は知らないの?」
     赤川は奈々美に顔を近づけて、正面から見据えた。瓜実顔の和風美人ではあるが、特に記憶にある容貌ではない。奈々美は困惑しながら首を左右に振った。髪を掴まれたままなので、頭皮に痛みが走る。
    「分かりません。あなたが誰かも知らないんです……。武彦さんのお知り合いなんですか?」
    「知り合いなんて、生やさしいもんじゃないわ」
     赤川は奈々美の周囲を歩き回りながら吐き捨てた。
    「あんたの前に、武彦と付き合っていたのは、あたしよ。この赤川美里」
    「だからどうしたって言うのよ。そんな昔の話、あたしとは関係ありません」
    「言っとくけどね、あたしは武彦と婚約してたの。でも、あんたと出会ってあたしは捨てられたの。妹が昔人身事故を起こして拘置所暮らしをしてたことがあることを持ち出されてね。そんなの、前からあいつには話してたのに。喫茶店に呼び出されてたった5分話しただけ。一方的に別れを告げて、あいつは去ったわ」
     切れ長の目に憎悪が籠もる。奈々美は思わずたじろいだ。
    「何で武彦はあんたに乗り換えたと思う? あんたがあたしより若くて、実家も金持ちだからよ。あんたは親のコネで上場企業の秘書課勤め、あたしはこの歳でも派遣社員だったしね。でも、そんな理由で捨てられるなんてあたしは納得が行かなかった。だから、あいつを追いかけて説明を求めたわ」
     周囲の男たちは薄笑いを浮かべながら赤川の独白を聴いている。もちろん、この様子も原がビデオカメラで撮影していた。
    「そして、ある日の夕方、武彦のマンションで帰りを待ち伏せてた。しばらく待ってたら帰ってきたあいつと揉めてたら、二人組の警官が来た。警官があたしをあいつから引き剥がしたとき、足がもう一人警官の顔に当たったの。そしたら『公務執行妨害の現行犯だ』って言われて手錠をはめられ、パトカーに押し込まれ、警察署に連れて行かれたわ。起訴猶予だったけど、23日間留置場に入れられてみっちり取り調べられたわ」
     奈々美は唾を飲み込み、唇を震わせた。しばらくの沈黙の後、咄嗟に口を開いた。
    「そ、そんなの、あなたが悪いんじゃない」
    「あんたがあの時、警察を呼ばなきゃ、あたしが逮捕されることはなかったのよ。あんた、あの時武彦の部屋にいたのよね? 帰ってくるときにあたしの姿を見つけた武彦が、通報するようにメールしたんでしょ、あんたに」
    「だって、武彦さんのことつけ回していたんでしょう? 犯罪じゃないの」
    「あんたらが勝手に犯罪を作っちまったのさ」
     木内が口を挟んだ。
    「あたしが逮捕された件は扱いは小さいけど新聞にも出たし、職場はクビになった。実家にも帰れない。だって、警察のお世話になった娘が2人もいるなんて噂されたら、家族は生きていけないからね。その後はお決まりの転落の道をたどったってわけ。そんな時に、この人たちに巡り逢ったのよ」
     赤川は木内の方に顎をしゃくった。木内がその後を引き取った。
    「赤川をこんな境遇に堕ちるきっかけとなったあんたに、同じ苦しみを味わわせてくれって頼まれたのさ、報復のためにな。警官の真似は板に付いていただろう。おれたち3人は皆、元警察官だからな」
     奈々美は唖然とした表情を見せる。木内は続けた。
    「おれたちはな、色々とやらかして警察を辞めたか首になったお巡りだ。そこで、伝手をたどって始めたのが、裏の何でも屋みてえなもんだよ。色んなところから依頼を受けて、ちょっと荒っぽい仕事を引き受けてるんだ。その中に、こういう復讐屋みたいな業務もあるのさ」
    「木内さんがこういう趣味があるせいでな、おれたちも女相手の仕事の時には、こういう責め方をする癖が付いちまったんだ。ま、同じようなことをされて、ここまで喜んだ女はいないがな」
     あまりに手前勝手な理屈を並べ立てられ、奈々美は涙をこぼしながら叫んだ。
    「人でなしっ! あたしを逆恨みしてこんなイヤらしい真似してっ」
    「イヤらしいのはオモチャなんか家に隠し持ってるあんたでしょう。ま、武彦は道具好きだからね」
    「とか言いながら、まだ乳首立たせてるよな。またマ×汁垂れ流してるねえ」
     角井がイヤらしい笑みを浮かべながら嘯きつつ、奈々美の乳首を揉み立て始めた。木内が再びバイブを股間に差し入れた。今度は電マを手にした赤川がそれを肉芽に当てる。またしても喘ぎ声を噴きこぼしながら、奈々美は懇願した。
    「もう許してっ! あたしが悪かったです……。もうここから帰してくださいっ」
    「一時しのぎにしおらしいフリしたって許さないわよ」
    「もう一度くらいダウンさせた方が、素直になるだろうな、このオンナは」
     木内がバイブの抽送を激しくする。赤川は電マの振動を強め、角井は乳首を強く摘まんだ。
    「ああぅ、ダメえっ……」
     たちまちのうちに奈々美は全身の痙攣を強めた。吊られた左足の爪先は丸まり、右脚の踵はまた浮いている。
    「逝くときには逝くって口にしなきゃダメって言わなかった? 覚えの悪い女ね」
     赤川がせせら笑いながら電マの先端を再び肉芽にあてがう。
    「ひぐっ……」
     奈々美は口を大きく開けながら絶句し、全身を震わせた

    「淫具」(「連行」⑤)

     奈々美の左膝の上に、木内が手にした新たな縄が巻き付けられる。
    「ど、どうするつもりなの?」
    「分からない? 案外鈍いわね」
     奈々美の頭上にある輪に通された縄が下に引かれる。左脚が徐々に引き上げられる。
    「こんな格好、イヤっ」
     奈々美は叫んだが、左脚は腰のあたりまで上がってしまう。奈々美の大事な部分は完全に晒されてしまう。
    「ふふふ、恥ずかしい部分が丸見えになっちゃったよ。最初から大人しくしていれば、こんな格好にされずに済んだのにねえ」
     奈々美を揶揄しながら、木内は輪に繋いだ縄で左足首を繋いだ。奈々美は真っ直ぐに伸ばした左脚を吊り下げられてしまった。
    「なかなか綺麗なオ×ンコしてますね、この被疑者は。バッチシ撮っておかなきゃ」
    「ほら、正面を見てみろ。自分の無様に縛られた格好、なかなか色っぽいと思わないか?」
     原が下卑た口調で言うと、角井も応じた。木内が奈々美の髪を掴み、壁に張られた鏡の方に向ける。2メートルほど向こう側に、Y字型に拘束された自らの姿が映っている。
    (ああ、何でこんなことに……?)
     心の中で嘆きながら涙ぐむ奈々美の姿を、4人の男女が凄惨な笑みを湛えながら眺めていた。

    「まずはこの辺から試してみようかしら」
     赤川はピンクローターのスイッチを入れて振動子にバイブレーションを加えた。
    「い、いやっ」
    「そんなに嫌がるもんじゃないぜ」
     耳にくすぐったい感覚が走る。角井がいつの間にか取り出した筆で耳朶や耳の孔を撫で回している。奈々美は思わず緊縛された上半身を捩った。
    「ああら、耳だけでそんなにイヤらしく悶えちゃってるの? エッチねえ」
    「ヒイっ、止めてっ。ああっ、そこ触んないでっ!」
     先ほどから揉み転がされている乳首がローターの振動に襲われる。馴染みのない感触ではない。羞恥混じりの快感が乳首から全身に広がっていくのを止めるのは困難だ。
    「ふふ、ローターで乳首も刺激したりしてるんだ。武彦さんに教わったの? それとも昔から使ってたのかしら、通販か何かで買って?」
    「もうクリちゃんもピンピンに勃起させてるな。もう頭が皮から飛び出してるぜ」
     敏感な部分に熱い吐息が吹き掛けられる。
    「そんなとこ覗かないでえっ」
    「早くローターか電マで責めてほしいんじゃないの?」
     奈々美の目を覗き込みながら赤川が揶揄った。すると、蕩けそうになっていた奈々美の目に力が戻る。赤川の顔に唾を吐きかけた。赤川は一瞬怯んだ顔をしたが、すぐに凄惨な微笑みを美しい顔に浮かべた。
    「へえ、まだそんな元気があったんだ。いい度胸してるじゃない。だからこそ、あの男もあんたに惚れたのかもね」
     赤川は鼻先を濡らした唾を指で拭い、奈々美の頬に擦り付けた。逃れようとしても、背後から角井が奈々美の髪を掴んで顔が動かないよう固定しているため、逃れようがない。すると、木内が丸めた布を奈々美の口の中に突っ込んだ。真ん中に結び目を作った白い手拭いが歯列の間に喰い込まされる。目を白黒させているうちに手拭いの両端は奈々美の後頭部で結ばれてしまう。猿ぐつわを噛まされたのだ。
    「ふふ、口の中に入れられたの、何だか気付いてる?」
    「ふぐうぅ……」
     奈々美は顔を左右に振りながら気丈にも赤川を睨み付ける。
    「あんたが身体検査されているときに濡らしちまったパンティだよ。捜査員に唾を吐きかけるなんて、暴行の現行犯だぞ。これでまた罪が重くなったな」
    「ぐっ……」
     木内は奈々美の乳房を指先で小突き回した。赤川は憎々しげな顔で奈々美の乳首をマニキュアを塗った指先で弾いている。奈々美は涙を流しながらも、刑事らの行為に抗議することもできず、声もなく咽び泣くしかなかった。すると、下腹部に振動が伝わってきた。耳への筆による責めや乳首へのローターによる刺激が再開されている。
    「うん……ふふぅ」
     木内はローターを手にし、奈々美の秘裂の周辺を触るか触らないかのタッチで刺激している。赤川の操るローターは左右の乳首の周囲を這い回ったかと思うと、図らずも充血してしまった乳頭の先端を擽り回す。角井も筆を耳だけでなく首筋や乳房にも踊らせる。床についたままの右脚の太腿から膝にかけて暖かい感覚が走り抜ける。
    「マ×汁が太腿まで濡らしちゃってるぜ。まだクリちゃんも触ってないのに」
     眉毛を八の字にし、額に汗を浮かべながら責めに耐えている奈々美は、涙の浮かんだ目をあらぬ方向に向けている。
    「いいねえ、その表情。もっとこっち見てよ」
     しゃがんでカメラを構える原が奈々美に声を掛ける。レンズは奈々美の足元から見た全身を狙っている。奈々美は顔を背けようとするが、背後の角井にまた髪を掴まれる。
    「ほら、ちゃんとカメラを見るんだよ。これは取り調べの記録だからな」
    「カメラがイヤなら鏡を見たら? 恥ずかしくて情けない格好で尋問されてるのよ」
     すぐに肉芽が振動に晒される。奈々美は思わず仰け反った。
    「まだ逝くのは早いぞ」
     木内はリモコンのスイッチを操作してローターの振動を弱めると、秘裂から溢れてくる粘液にローターを浸し、再び肉芽に押し付けた。
    「うふん、かはっ……」
    「ローターを普段はこんな風に使ってるのか? それともパンティの上から当ててることが多いのか?」
    「ふふふ、普段しているオナニーを再現してあげてるのよ。被疑者に対してサービスが良すぎるわね、あたしたち」
    「ひぐ、むあああ」
     奈々美の全身が痙攣する。3人は一斉に責め具を身体から離した。
    「まさか、逝っちゃうつもりじゃなかったよな?」
     木内はローターを内股に押し付けながら訊ねた。不自由な腰が前後に蠢く。
    「どうしたの、物欲しそうに。大人の玩具を隠し持ってるだけあるわ、あなたすごいエッチね」
     今度は赤川がローターを奈々美の肉芽に押し付ける。奈々美は抗うような呻き声を上げたが、やがて再び身体を震わせ始めた。
    「はうっ、はがぁっ」
     身体を仰け反らせて痙攣する。
    「もう逝っちゃったのね、恥ずかしい」
     赤川の揶揄の途中で体内に何かが潜り込んでくる感触を覚えた。
    「クリだけで逝ってもつまらないだろう。せっかくバイブも持ってるんだから、これも試してやる」
     バイブはじっくりと挿入され、ゆっくりと抜き差しされる。
    「普段バイブ使うとき、最初からスイッチ入れたりしてるんじゃないだろうな? 最初はスイッチ入れずに動かした方がいいぞ」
     木内がバイブの抽送を行っている間、赤川は乳首にローターを当て、角井がもう片方の乳首を指で揉み転がす。またしても軸足を伝って熱い粘液が足首に向かって垂れていく。奈々美は顔を真っ赤にし、乳首を充血させながら、全身から汗を噴き出している。
    「ふふふ、このくらいの速さで出し入れするのが一番気持ちいいのかな?」
     奈々美は顔を仰け反らせ、右脚の踵を浮かせた。噛み締めた白い布の結び目は溶けたルージュのせいか、やや桃色に染まっている。
    「あぐっ、がへっ! ううぅ……」
    「また逝っちまったのか。まだ大して責めてないのに」
    「こうしてやったらどうかしら」
     バイブの抽送が続く中、赤川がローターを肉芽にあてがった。角井が猿ぐつわの手拭いを下にずらし、口の中に詰め込まれたパンティを取り出したながら、奈々美に命じた。
    「今度は逝くときはハッキリ逝くって言うんだぞ」
    「ああっ、ダメ! また逝っちゃう、逝くっ!」
     またしても右脚の踵を浮かせながら、奈々美は全身を震わせた。しばらく口をパクパクとさせると、顔をガクッと前に倒した。角井が髪を掴んで顔を晒し上げると、視線は宙を彷徨い、口は半開きとなったまま涎を幾筋も垂らしていた。

    「料金所」

     おれは駅前に車を停めて彼女の姿を探したが、彼女がおれの車を見つける方が早かったようだ。彼女は駆け寄ってきて、運転席に座るおれに軽く手を振ると、素早く助手席側に回ってドアを開けてシートに身を沈めた。

     「おいおい、今、君のそばを車が通りすぎたぜ。ヒヤリとしたな」
     「大丈夫よ、十分に余裕はあったでしょう」

     そうだったかも知れない。車は左ハンドルだったせいか、助手席側、つまり右側を走る車との距離感覚がつかみにくく感じるのだ。だが、これでお仕置きの口実ができた。少々強引だが、彼女を罰する理由は何だって構わないのだ。

     「不用意におれを心配させたから、ちょっと懲らしめないとな」

     おれは彼女の左手首をつかみ、後部座席に置いたカバンから手錠を取り出して輪っかをはめた。

     「え??ちょっと、いきなり何…?」
     「だから、お仕置きだよ」

     彼女の右手首を後ろに回し、手錠の片方の輪も掛けた。これで、彼女は後ろ手錠をされてしまった。助手席側のシートベルトを締めると、彼女はシートに縛り付けられた格好になる。おれは自席のシートベルトを着用し、車を発進させた。

     「このまま高速走るの?」
     「そうだよ。外から見ても、手錠はめられてるなんて分からないから、安心しろって」

     しかし、一般道を数分間走行すると、やがて高速道路の入り口に差し掛かる。おれは料金所で車を一時停止し、助手席側のパワーウインドウを引き下げた。当時、ETCはあまり普及しておらず、高速料金は料金所で係員に直接支払うのが一般的だった。初老の係員が料金を告げた。

     「おれの財布さあ、グローブボックスの中に入ってるんだ。取ってくれない?」

     彼女は一瞬、おれに非難がましい目を向けたが、すぐにその視線は膝の上に落とされた。後ろ手錠をはめられ、シートベルトも着用している以上、グローブボックスを開けるのは不可能だ。彼女は無言のまま、頬を紅潮させて俯くしかない。

     「どうしたの?早くしないと、料金所が詰まっちゃうぜ」

     料金所は2つあり、おれの車が停まっている方は、営業車と思しきワゴン車が順番を待っている。もう一方の料金所は、比較的順調に車が流れている。料金所の係員は釣り銭と領収書をおれたちの方に突き出している。無言のまま、「何をもたついてるんだ」と言わんばかりの険しい視線を彼女に向けている。俯いたままの彼女は、額にうっすらと汗をかいている。

     「そうか。君は今、手が使えないんだったね」

     おれはわざと係員に聞えるように言いながら、助手席側のグローブボックスに手を伸ばして財布を取り出した。千円札を係員に差し出している間、後ろ手錠の彼女の身体は小刻みに震えている。係員は無表情・無言で釣りをおれの手に渡しつつ、彼女に意味ありげな視線を送っていた。

     料金所を通過して高速道路に乗ると、3つの車線はいずれも渋滞していた。車が動きそうにもないのをいいことに、おれは右手を助手席側に伸ばし、チューブトップの上から乳×を指でコリコリ触った。

     「イヤ…。さっきは凄く恥ずかしかったんだから!」
     「それだけじゃなかっただろう」
     「あ、あん…」

     スカートの中に手を差し伸べ、下着の二重底になった部分を人差し指と中指でまさぐった。指先は微かなぬめりを感じる。布の上から割れ目に沿って指を上下させると、徐々に粘りが増してくるのを知覚する。

     「やっぱりな」

     おれは濡れた指先を彼女の鼻先に近付けた。彼女は反射的に顔をウインドウ側に背ける。

     「人前でお仕置きをされて、もうこんなになってるんじゃ、確かに恥ずかしいよな。ホテルに着いたらたっぷり拷問してやる。イヤらしい拷問をな」

     チューブトップのボトムから右手を潜り込ませ、乳×を直接弾きながら、おれは彼女に宣言した。彼女は喘ぎ声を漏らしながら、シートに拘束された身体を悶えさせている。このまま渋滞が続くなら、ホテル到着前に一度昇天させてやろうかとの不埒な考えが脳裏にちらついた。

     ※:片手運転は危険なので、絶対真似しないで下さい。わたしも今は安全運転ですw
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