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    「敗残」(「手錠」⑦)

    「あ、その美梨って女のパンツ、シミにができてるぜ」
     凉花の身体を嬲っている班長がスキンヘッドに声を掛けた。小太りが美梨の前面に回ってしゃがみ込んだ。
    「あ、ホントだ。クロッチの部分は色が変わっちまってる」
    「止めてっ!」
     美梨が顔を左右に振りながら悲鳴を上げた。「おれたちは事実を口にしてるだけだぜ。おれの指にはさっきからヌルヌルした熱いのが絡まってるんだ」
     ショーツの中から手を引き上げたスキンヘッドが、美梨の目の前で人差し指と中指を広げて見せた。指の間には白く濁りかけた粘液の筋が二本、吊り橋のようになって煌めいていた。
    「イヤあっ!」
     美梨は真っ赤になった顔を必死に背けた。「すんげえエロい臭いさせてるんだ、そりゃ恥ずかしいよなあ」
     スキンヘッドは粘液を美梨の鼻孔の入り口に塗り付けようとした。美梨は双眸に涙を浮かべて抵抗したが、縛られた身で逃れきるのは困難だった。
    「どうだ、あん? お前が盗撮したことを認めるか?」
    「そんなことしてません……」
    「ならば、もっと恥ずかしい目に遭ってもらうぜ。もっと濃いマン汁を垂れ流して恥をかくことになるぞ」
     小太りがいつの間にやら持ち出してきたアタッシュケースを開けて見せた。中には種々のバイブレーターや電動マッサージ器などの淫具が並んでいた。
    「どれがいい? お前に選ばせてやるぜ。最近の警察は民主的になったんだ、喜んでくれよ」
    「そんなもので何をするの? 警察がそんなことするんですか?」
    「お前みたいな助平女には、こういう尋問がピッタリだからな。ほら、電マがいいか? それとも、中に太いバイブを咥え込ませてやろうか?」
    「どっちもイヤっ!」
    「そんなこと言うんだ、せっかく親切に選ばせてやろうってのに」
     スキンヘッドは電マの先に男根を象ったアタッチメントを取り付けると、美梨の鼻先のに突き付けた。
    「電マとバイブ、両方の威力を試してやるよ、そんなこと言うんだったら。経験あるのかもしれないがな」
    「そんなイヤらしいこと、経験ありませんってば」
    「それなら、ここで初体験してみな。白状する前に、たっぷり愉しませてやる。こんな優しい警察はいねえぞ」
     スキンヘッドはいったんアタッチメントを外すと、振動させた電マの先端で両乳首を交互に嬲り始めた。
    「ああ、そんなことしないでえ……」
    「と言いながら、腰をモゾモゾ動かしちゃって。ホントは気持ちいいんだろ?」
    「また股間を熱くしてますぜ、この女」
     尻から差し入れた手で股間を嬲りながら、小太りが卑猥な笑みを浮かべた。
    「早くオマ×コを責めてやるか」
     スキンヘッドはしゃがみ込むと、ショーツの上から電マをあてがい、スイッチを入れた。
    「ああん、イヤっ」
     小太りが乳首を摘まみ転がしている。しばらくショーツの上から電マで股間を責めていたスキンヘッドは、ショーツをずらして女芯をさらけ出した。
    「そこは止めてっ!」
    「何だ、もう蒸れ蒸れじゃないか。早く挿れてほしいんじゃないのか」
     スキンヘッドはアタッチメントを電マに取り付けると、その先端を秘裂に沿ってなぞり始めた。美梨の泣き声が高まってきたところで、先端を肉壺に潜り込ませた。
    「あんっ」
    「まだまだ奥までは責めてやらないからな」 スキンヘッドは振動もしていない先端を小刻みに入り口付近で抽送していた。美梨は歯を食い縛り、その感覚に耐えていた。
    「お前にはまずこれを試してやろう」
     美梨が責められる様子を、凉花の乳首を嬲りつつ見物していた班長は、アタッシュケースからピンクローターを取り出し、凉花に見せた。
    「そんなもの、使わないでください」
    「ローターなんかじゃ不満か? ホントは電マとか家で使ってるのかな?」
    「もしかすると『吸うやつ』がお気に入りかもしれませんぜ」
    「そうかもしれないな。週に何回オナニーしてるんだ、凉花女王様?」
    「そんなことしてませんっ」
    「処女のくせして妙に感度がいいのは、オナニーしてるとしか思えないんだがな。毎晩してるんだろ、ホントは?」
    「もしかすると、SMクラブで男を責めた後、密かにオナニーしてるかもしれませんぜ」
    「勝手な想像しないでっ! ああんっ」
     ローターの振動が乳首に当てられた。それだけで凉花の背筋に電流が走り、腰が浮き上がりそうだった。部下は凉花のショーツの前部を縄で結ぶと、斜め上の方に引っ張り上げた。
    「止めてえ、そこ見ないでえ」
     秘唇をさらけ出された凉花は泣き叫んだ。ショーツに結ばれた縄は凉花の腰に巻き付けられ、固定された。
    「あうっ!」
     ローターの振動が肉芽に当てられた。凉花の前にしゃがみ込んだ班長が振動するローターを巧みに転がすようにして肉芽を苛んでいる。背後に回った部下は乳首を摘まみ転がしている。
    「ああ、もう許してえ」
    「こんなの、まだ責めてるうちに入らないぜ。おい」
     班長は部下に声を掛けた。部下は乳首への責めを止める代わり、先端が黒いゴムに覆われたクリップのようなものを両乳首には取り付けた。クリップから伸びたスイッチボードを操作すると、クリップが振動を開始する。「取って、それ取ってっ」
    「そいつも満更じゃないはずだぜ」
     部下は凉花の背後にしゃがみ込むと、筆を持ち出した。
    「イヤっ、それダメっ!」
     初めての感触に凉花は狼狽の声を上げた。筆は凉花の蟻の門渡りや後門のあたりを擽り回している。そして、肉芽に当てられた振動は強められた。
    「ああん、もうダメっ……」
     腰がプルプル震えたかと思うと、凉花は顔を仰け反らして全身を硬直させた。
    「おい、もう逝っちまったのか? 逝くときには逝くって言わないとダメじゃないか」
    「さっきから焦らされた上に、クリとケツ穴を責められてますからね。普通の女はイチコロですよ」
     部下が下卑た笑いを浮かべた。
    「今度は逝くって言うんだぞ、言わなかったらお仕置きだからな」
     班長と部下は責めを再開した。
    「あん、逝くっ!」
     凉花はいとも簡単に二度目の絶頂に達した。班長と部下は呆れたような表情で顔を見合わせた。
    「もう一人の被疑者はもう逝っちまったぜ、処女のくせに。お前はどうかな?」
     スキンヘッドは電マの先端を小刻みに抽送しながら美梨に尋ねた。美梨は顔を左右に振るだけだった。スキンヘッドは入り口しか責めていなかった先端をいきなり奥に突き入れた。
    「ああんっ、それキツい……」
    「何がキツいんだ?」
     惚けながらスキンヘッドは先端を引き上げると、今度は先端を斜めに挿入した。
    「そこダメえ」
    「Gスポの方がお好きかな?」
     先端に振動が加わり、美梨は絶叫した。背後からは小太りが乳首を相変わらず責め立てている。電マの強烈な振動がGスポットを激しく刺激する。美梨はこの感覚に懸命に抗おうとした。だが、機械的な刺激で巧みに性感帯を責め立てられては、抵抗も儚いものとなるしかなかった。
    「ああん、もう許してっ……。ひうっ!」
     地面についている右足が床から浮き上がり、美梨は宙吊りとなった。そのまま全身を痙攣させ、振り立てられていた顔から汗が飛び散った。凉花に続き、二人目の被疑者・美梨も敗残の姿を晒すしかなかった。
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