まずは両耳が羽根で擽られ始めた。
「いやっ、よしてっ」
あまり性感帯として意識したことのなかった耳からもたらされる感覚は、思いのほか強烈だった。
「耳がそんなに感じるのかな? エッチな身体をなさってますねえ、涼花女王様」
太った方の声が耳元で響く。両手が自由なら払いのけてやるところなのに、背中で縛られた両手首を動かそうとしても、上半身の縄目がきつくなるだけだった。
「ははは、無駄無駄。きっちり緊縛されちゃったら、簡単には縄抜けできないの知ってるだろう」
長身が首筋に息を吹き掛けながら、涼花の抵抗を嘲笑する声が聞こえる。涼花は吐息からも逃れられないまま身悶えするしかなかった。
「ところで、涼花女王様は、なぜ女王様なんかやってるんだ?」
「関係ないでしょ」
太った警官の問いを無視すると、羽根の一つは首筋を這い、もう片方は鳥肌の立った敏感な乳房を撫で回す。
「優しくされてるうちに答えた方が無難だぜ」
長身も先輩警官に加勢する。乳房の裾を這っていた羽根が乳首に押し付けられる。快感が背筋を走ったが、涼花は唇を噛んで辛うじて声を出すのを堪えた。視界を遮られるだけで、これだけ身体が敏感になるとは、想定していなかった。
「あんたはまだ21歳だ。そんな若い女王様は滅多にいないんだよ。風俗をやるにしても、デリヘルやソープ辺りなら、まだ話は分かるんだがね」
「そんな仕事したくないんです……。ああ、胸擽るの止めてっ」
「そんな仕事だと? ヘルスやソープで働く女に失礼だな。お仕置きもんだぜ」
「お仕置きしてほしいんじゃないですかね? SMの女王様って、プライベートではマゾだったりするらしいですし」
「そうかもしれないな。さっきから羽根が乳首を触るたびに、電気に触れたみたいに身体が跳ねてるしな」
「うぅっ……」
涼花は呻いた。両方の乳房が羽根に襲われた。身体を捩っても、刺激からは逃れられない。乳首がどんどん充血して尖ってくるのが自分でも分かる。
「あはんっ、イヤっ」
乳首が指で転がされているらしい。
「ほーら、色っぽい声が出ちゃった。ビンビンに尖ってますよ」
「何だ、もう乳首触ってるのか。もう少し羽根だけで焦らしてやった方が面白かったのに」
もう片方の乳首がぬめった感触に襲われた。吸い付くような卑猥な音が耳を犯す。
「ダメ、何してるのよ!」
「美味しそうな乳首を吸って舐めて差し上げてるんですよ、女王様」
太った警官の卑猥な声が下の方から聞こえた。
「そんなこと止めてぇ……。気持ち悪いっ」
「気持ち悪いとは心外ですねえ、涼花女王様」
もう片方の乳首も同じ感触に襲われる。警察官を名乗る見知らぬ男たちに乳首を舐めしゃぶられるおぞましい感覚に、涼花は嫌悪感に満ちた悲鳴を上げる。だが、警官たちがもたらす刺激がおぞましいだけではなく、快感に転じつつあることを否定できなかった。
「で、さっきの質問に戻ろう。何であんたは女王様なんかやってるんだ? 確かにあんたは美人で背も低くはないがね、この身体の反応を見てるとM女っぽいぞ」
「マゾ男に貢がせたいんじゃないですか? で、その金をホストにでも費やしてるんですよ。きっと」
「そんなことしてません! 止めて、もうしないでえ」
相変わらず乳首を舐めしゃぶられ、涼花は半泣きの声で訴えた。
「泣きべそをかいてちゃ、女王様として恥ずかしいですよ」
「もっと激しく責めてやらなきゃな」
「きゃあっ」
パンティの底が撫でられ始めた。両の乳房も羽根の刺激に曝されている。涼花は切羽詰まったような悲鳴を上げた。
「もう湿ってきてるぞ、ここは」
クロッチをずらされ、秘唇を羽根の動きが襲う。
「止めて、そこだけはっ」
「さっき身分証明書を確認したが、お前はミッション系の名門女子大に通ってるそうじゃないか。お嬢様のくせに金が必要なのか?」
「やっぱりホストにでも貢いでるんじゃないですかね」
「違いますっ! この世界に興味があったからなんです……」
股間に這う羽根に腰を蠢かせながら、涼花は叫んだ。
「ほぉ、お嬢様がお遊びで女王様のバイトとはねえ。もっと金を稼げる仕事もあるだろうに、同じ風俗でもな」
肉芽が刺激され始めた。
「そこ、触らないでっ」
涼花は鋭く叫んだ。
「触るなって言っても、クリちゃんもコリコリ固くなってるし、何やらヌルヌルしてるそ。感じてるんじゃないのか」
「乳首もビンビンですよ。簡単に身体が反応するほど、女王様ってのは刺激に飢えてるんですかね」
「イヤっ、ホントにそこは触らないでっ」
「何を言ってるんだ、もうスケベな臭いを漂わせてからに」
太った方の指が涼花の蜜壺に侵入し始めた。指は何度か中に入ってこようとしたが、その度に涼花は悲鳴を上げた。
「お、おい、マジかよ」
「どうしましたか?」
「この女、処女だぜ。指が入っていかねえ」
太った方の声は驚愕に彩られていた。
「お前、初めてだな?」
目隠しに覆われた目から涙を零しながら、涼花は二度三度頷いた。
「ホントですか、これほどの女が」
「いいから、お前も触ってみろ。そっとな」
「お願い、もう止めてください……」
またしても指が蜜壺を探ろうとした。涼花は腰を捩って逃れようとした。
「本当ですねえ」
長身も驚いたような調子で応じた。
「まさか、処女の女王様がいるとはな」
太った方が嘆息した。涼花女王様は泣き声を堪えつつも、流れる涙は止められなかった。
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