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    「理由」(「連行」⑥)

    「すっかり出来上がったな。使い慣れた玩具で責められたのがよかったんじゃないのか」
    「あたしたちの道具の使い方もツボにはまってたのよ、きっと。自分でするとき、今日されたことの真似するんじゃないの?」
    「すげえエッロい臭いがしてますよ。撮ってるおれの方にも漂ってくる」
     緊縛されたまま訳も分からず淫らな責めに晒され、何度も絶頂に達してしまった奈々美の身体は、まだ吊り下げられたままだ。身体中から噴き出させられたを拭う術もなく、項垂れている。つい先ほどまでは口から涎が引くように滴っていたが、今は雫が次々と落ちている。
    「おや、泣いてますねえ、この女は。せっかく、被疑者に過剰なくらいサービスしてやったのに」
     角井が奈々美の髪を掴み、顔を晒し上げた。顔に浮かんだ汗は乾きつつあるようだが、美しい双眸からは涙が溢れている。汗と涙と涎に化粧はあらかた洗い流されてはいたが、それでも顔立ちの美しさは明らかなのが、却って哀れを誘っていることに奈々美は気付いていない。
    (死にたい……)
     しゃくり上げるのを懸命に堪えようとしても、涙は後から後から溢れてくる。身体が揺れるにつれ、自らを吊り下げた縄がギシギシと音を立てる。あれだけの快楽に図らずも悶絶させられたにもかかわらず、縄目は一向に緩みそうもない。刑事を名乗るこの男女は一体何者なのだろう? 奈々美には見当も付かない。
    「ふふ、すっかり身体の力が抜けたんじゃない? そろそろあなたが『逮捕』された理由を教えてあげましょうか」
     奈々美は赤川を睨んだ。しかし、その視線は大分弱々しかった。
    「あたしの顔は知らないの?」
     赤川は奈々美に顔を近づけて、正面から見据えた。瓜実顔の和風美人ではあるが、特に記憶にある容貌ではない。奈々美は困惑しながら首を左右に振った。髪を掴まれたままなので、頭皮に痛みが走る。
    「分かりません。あなたが誰かも知らないんです……。武彦さんのお知り合いなんですか?」
    「知り合いなんて、生やさしいもんじゃないわ」
     赤川は奈々美の周囲を歩き回りながら吐き捨てた。
    「あんたの前に、武彦と付き合っていたのは、あたしよ。この赤川美里」
    「だからどうしたって言うのよ。そんな昔の話、あたしとは関係ありません」
    「言っとくけどね、あたしは武彦と婚約してたの。でも、あんたと出会ってあたしは捨てられたの。妹が昔人身事故を起こして拘置所暮らしをしてたことがあることを持ち出されてね。そんなの、前からあいつには話してたのに。喫茶店に呼び出されてたった5分話しただけ。一方的に別れを告げて、あいつは去ったわ」
     切れ長の目に憎悪が籠もる。奈々美は思わずたじろいだ。
    「何で武彦はあんたに乗り換えたと思う? あんたがあたしより若くて、実家も金持ちだからよ。あんたは親のコネで上場企業の秘書課勤め、あたしはこの歳でも派遣社員だったしね。でも、そんな理由で捨てられるなんてあたしは納得が行かなかった。だから、あいつを追いかけて説明を求めたわ」
     周囲の男たちは薄笑いを浮かべながら赤川の独白を聴いている。もちろん、この様子も原がビデオカメラで撮影していた。
    「そして、ある日の夕方、武彦のマンションで帰りを待ち伏せてた。しばらく待ってたら帰ってきたあいつと揉めてたら、二人組の警官が来た。警官があたしをあいつから引き剥がしたとき、足がもう一人警官の顔に当たったの。そしたら『公務執行妨害の現行犯だ』って言われて手錠をはめられ、パトカーに押し込まれ、警察署に連れて行かれたわ。起訴猶予だったけど、23日間留置場に入れられてみっちり取り調べられたわ」
     奈々美は唾を飲み込み、唇を震わせた。しばらくの沈黙の後、咄嗟に口を開いた。
    「そ、そんなの、あなたが悪いんじゃない」
    「あんたがあの時、警察を呼ばなきゃ、あたしが逮捕されることはなかったのよ。あんた、あの時武彦の部屋にいたのよね? 帰ってくるときにあたしの姿を見つけた武彦が、通報するようにメールしたんでしょ、あんたに」
    「だって、武彦さんのことつけ回していたんでしょう? 犯罪じゃないの」
    「あんたらが勝手に犯罪を作っちまったのさ」
     木内が口を挟んだ。
    「あたしが逮捕された件は扱いは小さいけど新聞にも出たし、職場はクビになった。実家にも帰れない。だって、警察のお世話になった娘が2人もいるなんて噂されたら、家族は生きていけないからね。その後はお決まりの転落の道をたどったってわけ。そんな時に、この人たちに巡り逢ったのよ」
     赤川は木内の方に顎をしゃくった。木内がその後を引き取った。
    「赤川をこんな境遇に堕ちるきっかけとなったあんたに、同じ苦しみを味わわせてくれって頼まれたのさ、報復のためにな。警官の真似は板に付いていただろう。おれたち3人は皆、元警察官だからな」
     奈々美は唖然とした表情を見せる。木内は続けた。
    「おれたちはな、色々とやらかして警察を辞めたか首になったお巡りだ。そこで、伝手をたどって始めたのが、裏の何でも屋みてえなもんだよ。色んなところから依頼を受けて、ちょっと荒っぽい仕事を引き受けてるんだ。その中に、こういう復讐屋みたいな業務もあるのさ」
    「木内さんがこういう趣味があるせいでな、おれたちも女相手の仕事の時には、こういう責め方をする癖が付いちまったんだ。ま、同じようなことをされて、ここまで喜んだ女はいないがな」
     あまりに手前勝手な理屈を並べ立てられ、奈々美は涙をこぼしながら叫んだ。
    「人でなしっ! あたしを逆恨みしてこんなイヤらしい真似してっ」
    「イヤらしいのはオモチャなんか家に隠し持ってるあんたでしょう。ま、武彦は道具好きだからね」
    「とか言いながら、まだ乳首立たせてるよな。またマ×汁垂れ流してるねえ」
     角井がイヤらしい笑みを浮かべながら嘯きつつ、奈々美の乳首を揉み立て始めた。木内が再びバイブを股間に差し入れた。今度は電マを手にした赤川がそれを肉芽に当てる。またしても喘ぎ声を噴きこぼしながら、奈々美は懇願した。
    「もう許してっ! あたしが悪かったです……。もうここから帰してくださいっ」
    「一時しのぎにしおらしいフリしたって許さないわよ」
    「もう一度くらいダウンさせた方が、素直になるだろうな、このオンナは」
     木内がバイブの抽送を激しくする。赤川は電マの振動を強め、角井は乳首を強く摘まんだ。
    「ああぅ、ダメえっ……」
     たちまちのうちに奈々美は全身の痙攣を強めた。吊られた左足の爪先は丸まり、右脚の踵はまた浮いている。
    「逝くときには逝くって口にしなきゃダメって言わなかった? 覚えの悪い女ね」
     赤川がせせら笑いながら電マの先端を再び肉芽にあてがう。
    「ひぐっ……」
     奈々美は口を大きく開けながら絶句し、全身を震わせた
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