顔にはアイマスクの目隠し。素っ裸の身体を包む網目状のボディースーツ。こんな格好でベッドに横たわる彼女は、上半身を後ろ手に縛られ、脚はM字開脚に拘束された不自由な身体を小刻みに揺らしている。まだどこも触っていないのに、半開きの唇からは密やかな喘ぎ声すら漏れ始めている。
「どうした?」
「あぁ、身体がジンジンするぅ…」
網目から飛び出した乳×はとっくに充血し、身体の中心には微かな煌めきが見える。
「今日は随分泣きを入れるのが早いじゃないか」
「だって、ヘンなスプレー吹きかけたくせに…」
そうだった。おれは彼女を後ろ手・M字開脚に縛り上げた後、胸の膨らみの上で桜色に輝く二つの突起と、草むらの陰からこっそりと顔を覗かせるサーモンピンクの神経の塊に、ある悪戯をしていたのだ。目の見えない顔を左右に振りながら、彼女は身体全体をさっきより切なげに揺すり立てている。全身にはうっすらと汗がにじんでいる。最も敏感な性×帯にあくどい細工をされ、身体中の神経が辛みと甘さの混合した名状しがたい感覚に襲われている。なのに、手足を固縛されている以上、もどかしさだけが体奥にうずたかく蓄積していく。
「そうか、あれってそんなに効くんだ。知らなかったぜ」
「んもぅ、人ごとみたいに…。あん、このままじゃ辛いぃぃ」
「ドMのお前は、この程度じゃ物足りないくせに」
彼女の哀訴を鼻で嗤い、枕元に置いた噴射口付きの小瓶をつかんだ。M字開脚の奥を覗くと、既に彼女は薄暗い部分にやや濁った泉をたたえていた。そいつを確認し、おれは泉の上で屹立している肉芽に、2回ほどスプレーした。
「いやぁ、おかしくなっちゃうぅ。止めてえ」
「じゃあ、お言葉どおり止めてやろう。チェックアウトまでこのまま放置な。あと2時間くらいだから、おれは映画でも観るか」
おれはベッド近くのテーブル上にあった液晶テレビのリモコンを取り、電源を入れた。チャンネルは衛星放送の映画番組にセットされており、昨年大ヒットしたハリウッド映画「ダークナイト」を放映していた。急逝したヒース・レジャー演じる悪役「ジョーカー」が徒党を組んで銀行強盗に入る冒頭のシーン。コマ劇近くの映画館で鑑賞した記憶が蘇る。
「この番組、始まったばかりみたいだな。もう一度観たいと思ってたんだ。いい時間潰しになるな」
「意地悪っ!映画なんか観てないで、何とかしてよぉ」
「何をどうにかして欲しいのか、分かんないなあ」
「ク×がジンジンしてるの、鎮めて。お願い…」
「なら、優しく撫で撫でしてやろうかな」
油彩画で使用される幅5センチほどの平筆で、耐え難いほど充血させているところを2-3回縦に刷いた。それだけで彼女は全身を硬直させる。
「ああぁ、それたまんないっ」
「コチョコチョしてやるか」
おれは筆を小刻みに上下左右に踊らせた。彼女は半開きにした口を大きく開けた後、断続的に叫びながらあごを反らした。不自由な全身が海老のように大きく跳ねた。
「黙って逝っちゃダメじゃないか」
「だって、あっという間に気持ちよくなったんだもん…」
「筆先で嬲られただけでそんなに気持ちよくなれるなら、こうしたらどうかな?」
目隠しのアイマスクを外し、おれは彼女の両乳×を指でクリクリ刺激しながら、草むらに顔を埋めた。体内から流出した粘り気のある液体と、ミントの香りがブレンドされた何とも言えない匂いが鼻を衝く。霞の掛かった彼女の目にも、自分の恥ずかしい部分に奉仕しているおれの頭が真下に見えるはずだ。
「恥ずかしい…。でも、もっとして」
しこったものを上下の唇で挟み、チロチロと舌を這わせる。しこりの周囲で舌を回転させ、再びキスをしてから先端の部分を舌の先でつつく。
「あ…また逝っちゃうぅっ。許して…」
今度は彼女も明確にそのときを告げた。だが、この程度で許してやるつもりなど毛頭ない。おれはカバンからデ×ルドを取り出すため、いったんベッドを離れた。こいつを彼女に使うのは久々だが、果たしてどんな反応を示すだろうか。