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    「軸」(「フットルース」③・完)

     唇を犯していた筆が抜き去られると、柚香は身体を俯せに転がされ、尻を持ち上げられた。すぐさま、工藤の屹立が押し入ってくる。
    「んあっ!」
     腰が律動に襲われるのを期待した。だが、工藤はゆっくりと剛直の先端を体奥に届かせると、動きを止めた。自らのものを柚香の肉壺に馴染ませようとしているかのように、先端だけをピクピクと蠢かせている。
    「あんっ」
     柚香は腰を揺すろうとしたが、工藤の手がガッチリと腰を掴んでいるため、思うように動かせない。そのくせ、先端が小さく体奥を擦り、柚香の感覚中枢を中途半場に煽り立ててくる。
    「もう……お願い、動いてっ」
     焦れた柚香が叫んだ。
    「自分がどんな淫らな顔してるか見てみろよ
     工藤は柚香の髪を掴み上げると、ベッドの上部の壁一面に張られた鏡に映し出した。上気して目は霞み、やや濃いめの眉は八の字に広がっている。
    「ああ、恥ずかしい……イヤっ!」
     柚香は身を揉んで訴えた。
    「イヤなら止めようかな」
     工藤は屹立を抜き去ろうとする。
    「そんなっ、お願いですっ、抜かないでえ!」
    「イヤなんじゃないのか?」
     先端だけを肉壺の入口で軽く抽送しながら、工藤は惚けた。
    「もうイヤって言わないから……言いませんから……」
    「ようし、今の言葉、忘れるんじゃないぞ」
    「イヤあっ、そこダメっ!」
    「イヤって言わないんじゃなかったのか、柚香の嘘つき」
     工藤はコンドームをはめた中指で柚香の後門を抉り始めていた。
    「ツルッと入ってくぞ? こっちも経験済みなんじゃないか?」
    「そんなとこ初めてですっ!」
     鏡に晒し上げられた顔が歪み、目尻から幾筋かの涙が伝っている。そんな自分の表情が浅ましいものに思えてならなかった。その間にも、指はゆっくりと着実に後門を広げ、奥まで押し入ってきていることに、柚香は気付いていなかった。
    「ほら、簡単に広がるじゃないか。こいつはどうだ?」
    「何を入れてるのっ?」
    「さっきお前を逝かせてくれたものだよ」
    「筆なんかダメっ」
    「おれの指と大して変わらない太さだぜ? お前が心を込めて舐めてくれたおかげで、すんなり入ってくぞ」
     工藤は筆の軸を後門に侵入させていった。その半分ほどが埋まった後、小刻みな抽送が開始された。
    「イヤあん、変な感じ……」
     柚香は前後左右に腰を揺すり立てながら、未知の感覚に喘いだ。背中で重ねられた両手を、無意識に開いたり閉じたりしている。髪の毛から離れた手が乳首を揉み立て出すと、腰はさらに淫らに蠢いた。再び奥に押し入った屹立に、肉壺が絡み付いてしまう。
    「オマ×コがキュッキュッと締まるぜ。ケツの穴を弄られるのも悪くないんじゃないのか、あん?」
     筆の軸は後門の襞を掻き出すようにゆっくりと前後運動を続けている。後門の感覚をかき立てられるたびに肉壺が食い締めている肉棒の太さや長さ、熱さが意識させられる。工藤の指の腹が肉芽をも転がし始めた。
    「三点責めってやつだ。こういうのは嫌いかな?」
    「ヤっ、ダメっ! んくっ……ひぐっ、あはぁん……」
     柚香の腰がプルプルと震え、背中が反った。しばらく後、顔をベッドに埋め、激しい喘ぎを繰り返している。
    「まさか、ケツの穴で逝ったんじゃないだろうな? あまりに締まるんで、おれも逝きそうになったぜ」
     工藤は嗤いながら、言葉も発せられずに荒い呼吸を続けている柚香の腰を抱えた。
    「あはんっ!」
     本格的に肉棒の抽送が始まった。もちろん、後門には筆の軸が挿入されたままだ。ゆっくりと大きな動きで体奥を着実に突き上げられたかと思うと、入口のあたりを先端が小刻みな動きで刺激する。腰が大きく「の」の字に旋回し、柚香をかつて味わったことのない感覚に追い込む。断続的に喘ぎが漏れ、時折一オクターブ高い声になる。肉壺から漏れ出した淫液が幾粒もベッドシーツに滴り落ちていることになど気付いていない。
    「あん、もっと突いてえ……突いてよっ! 工藤さん好きぃ……」
     工藤の腰の動きが小さくなると、焦れた柚香が激しい突きを催促する。工藤はそれに応える代わり、筆の軸の抽送を再開した。
    「それダメっ! おかしくなっちゃうぅ……」
    「狂っちまえ、ほらっ」
     器用に筆の軸を操りつつ、工藤は大腰で柚香の肉壺を擦り上げ、体奥を突きまくる。それに合わせて柚香の腰も前後に蠢き、工藤の肉棒がもたらす快美感を存分に貪ろうとしていた。柚香の喘ぎ声がさらに大きくなり、呼吸が切迫してきたところで、また髪の毛が掴み上げられた。
    「自分に向かって言うんだ、『逝くぅっ』って」
     同時に、工藤の抽送もラストスパートとばかりにスピードを増してきた。柚香の視線が、快感に翻弄されて歪んだ鏡の中の自らの蕩けた目と絡み合ったとき、体内で何かが大きく爆ぜた。
    「狂っちゃうっ……! あ、イヤっ、ホントに逝っちゃうっ……逝くっ、あはん逝っくぅっ……」
     肉壺の収縮に負けたのか、工藤も自らを解放した。体内でピクピクと先端が蠢くのを感じ、柚香は鏡に目をやったまま気が遠くなっていった。

    「ひと刷き」(「フットルース」②)

    (↓前回の話)
    http://ropeandcabbageroll.blog.2nt.com/blog-entry-12.html

     乳輪のあたりを巡るように舌がチロチロと蠢いた後、唇が乳首の先端を啄むようなキスを繰り返す。双方の乳首にそのような愛撫を続けながら、右手の指先は毛叢をかき混ぜ、鼠径部を撫で回す。先ほど絶頂に達した後、落ち着きを見せていた柚香のそこは再び熱を持ち始めた。
    「あんっ、もっと……」
     椅子縛りからは解放されたものの、上半身の縛めはそのままにベッドに転がされた柚香はむずかった。両脚は既に開かれているのに、工藤は再び意地の悪い焦らしを継続している。
    「さっき逝ったんだからいいだろ? もう少し愉しめよ」
     乳首の根元が軽く噛まれる。それだけで背筋に電流が走り、秘裂からは熱い雫が垂れるのを自覚しながら、柚香は顔を赤くして羞じ悶えた。すると、工藤の中指が唇に割り入ってきた。
    「うむぐっ」
    「ほーら、おれの指をチ×ポだと思って舐めるんだ。でないと、もう逝かせてやらないからな」
     自らが漏らした淫液の味と臭いが口の中に広がってくる。その羞恥に耐えつつ、柚香は懸命に指に舌を絡ませ、唇で吸った。粘膜が肌に擦れる濡れ音が淫猥に響き、工藤の剛直を口唇愛撫するときよりも恥ずかしさに嘖まれた。
    「ダメだ、舐め方が甘いな。こんなんじゃ、もう触ってやらないぞ」
    「そんな……お願いですから」
    「しょうがないな、こいつで我慢してもらおうか」
     ベッドの宮の上に並んだローターやバイブなどの責め道具の中から、工藤が持ち出して見せたのは筆だった。先ほどまで、柚香の足指や甲を擽っていた書道用だ
    「それはイヤっ! ああんっ……」
    「イヤとか言いながら、その声は何だ、あん?」
     工藤は乳首を舐め転がしながら、筆を秘裂に沿って這わせてくる。鼠径部を撫でさすり、溢れる蜜をすくい取ったりしながら、既に充血している肉芽の周囲を回遊している。
    「ああ、もっと気持ちいいところ……んふんっ……」
    「十分に気持ちいいんだろ? 柚香のスケベな臭いが漂ってきてるぜ」
    「イヤ、ク、クリ……」
    「ちゃんと言わないと分かんないよ」
    「クリトリスを触ってくだ……さ……い」
     最後の方の言葉は聞き取りにくくなっていた。
    「最初からハッキリ言えば、焦らされなくて済んだのにな」
     次の瞬間、肉芽に筆先の一刷きが舞った。
    「ひぃっ」
     筆に肉芽を数回繰り返して転がされた後、工藤は言った。
    「どうせなら、クリちゃんをムキムキにしてやるぜ」
     左手の人差し指と中指で肉芽の両側を押さえ、包皮から露頭させた肉芽の先端を筆が走り抜けた。
    「あはんっ!」
    「ムキムキのクリを筆でコチョコチョされる気分はどうだ?」
     神経の塊を繊細な筆先に擽り回され続け、柚香は緊縛された上体を反らせ、開きっぱなしの両脚を突っ張らせた。執拗な筆責めに肉芽への感覚が鈍ってくると、筆先は蜜壺から溢れた淫液に浸されて尖り、肉芽の根元の周囲を回る。先端に筆先を押し潰すように圧迫される。体内の熾火は大きな炎となって全身に広がってくる。だが、もう一段の爆発をもたらすにはわずかに至らなかった。
    「ほら、また逝っていいんだぜ」
     左手の指が勃起しきった柚香の乳首をひねり回す。筆が強く押し付けられる。かと思うと、肉芽の先端を軽く擽るような愛撫に切り替わる。筆責めは緩急自在に柚香の性感を炙り立てていく。
    「あんっ、もう許してっ!」
    「もう逝っちまうのか?」
    「違うっ、逝けないのっ」
     柚香は叫んだ。
    「さっきから筆で優しくいじめてやってるじゃないか、クリちゃんを?」
     筆の愛撫は続いている。
    「筆じゃダメなのぉ……。クリ舐めてっ、触ってくださいっ!」
     目尻からは涙が一筋流れてきた。汗まみれになった身体が捩られる。
    「筆でコチョコチョじゃダメか? お前、自分がどんな恥ずかしいこと口にしてるか分かってるのか、あん?」
    「意地悪しないで、お願い……あああんっ!」
     筆の軸の先端が肉芽を軽く押し始めた。筆先の柔らかい愛撫と違い、比較的固い竹がリズミカルに触れてくる感触に、柚香は全身をのたうち回らせて応じるしかなかった。
    「んひっ! それ気持ちいいっ……」
     軸の先端が露頭した肉芽をこね回す。乳首は指先で揉まれ、引っ張るように摘ままれる。肉芽が再び規則的に押されると、柚香の喘ぎ声は切ない調子から開けっぴろげに快楽を訴えるトーンに変わる。
    「あんっ、ダメっ! 逝く、逝っちゃうっっ……!」
     柚香は身体を仰け反らせ、腰を震わせた。乱れた呼吸を整える間もなく、より強い感覚が秘裂を包み込む。
    「イヤっ、入れちゃイヤっ」
     筆の軸が肉壺に押し入ってくる。
    「まさか、こんな細いのが気持ちいいなんてこと、ないよな?」
     抽送が開始され、軸の先端がGスポットを着実に突き上げてくる。ここの感覚は工藤が開発したものだけに、柚香を追い込むポイントは把握されている。
    「そこダメですっ……。ああ、また逝っちゃうぅ、工藤さん許してっ! んんっ……ひぃっ!」
     真っ赤にした顔を振り立てながら、柚香は腹を波打たせ、不自由な肩を上下させている。
    「エッチだなあ、柚香は」
     あっという間に絶頂に引き上げられた柚香を見下ろしながら、工藤は嗤った。
    「んぐっ、イヤぁ……」
     喘ぎの絶えない愛らしい口に筆の軸が押し込まれる。
    「クリとオマ×コで逝かせてくれたこの筆に感謝するんだよ」
     唇に咥えさせられた筆がゆっくりと抽送され始めた。柚香はわずかに塩気のある淫液にまみれたそれを、舐めしゃぶるしかなかった。

    「漏出」(「事前合意」③)

    (↓前回までの話)
    http://ropeandcabbageroll.blog.2nt.com/blog-entry-66.html
    http://ropeandcabbageroll.blog.2nt.com/blog-entry-67.html

     涙に霞んだ目が、全裸でソファにふんぞり返った早坂の股間に向けられている。早坂が既に勃起した屹立をこれ見よがしにしごきはじめると、千里の視線はそこに固定された。2メートルほど離れた場所に立たされた千里は両膝を擦り合わせるようにして、半開きとなった口からは、喘ぐような吐息が漏れ出している。
    「ほら、きちんと立っていなきゃダメじゃないか」
    「だって……」
     千里はいったん縄を解かれた後、全裸にバスローブを引き向かれ、改めて厳重に高手小手に縛り上げられていた。乳房の上下を絞るように走る縄は胸元を締め付け、乳首を屹立させている。腰が小さくうねっている。
    「何だ、そのイヤらしい腰の動きは? ほら、脚を肩幅くらいに開いてみろ」
    「はい……」
     千里は素直に早坂に従った。またしても透明な雫が床に垂れ落ちた。
    「今、何か落とさなかったか?」
    「何のこと……?」
    「千里のマン汁が垂れていったんだよ、床に」
    「イヤっ」
     千里は顔を背けた。
    「ちゃんと顔を見せるんだよ。でないと、今日はそのまま朝まで放置だぞ」
     半眼となった目、小さな喘ぎが断続的に漏れる唇。下唇を舐める無意識な舌の動きが早坂の劣情をそそる。額には汗の粒が浮かんでいる。
    「あ、またイヤらしい液がオマ×コから垂れ流しだぜ。乳首もピンピンじゃん」
    「も、もう……」
    「もうどうしてほしいんだ?」
    「ください……」
    「何を?」
    「早坂さんの……チン……」
     震えた声は小さくなり、語尾が聴き取れなかった。
    「なら、まずはその勃起した乳首をおれの口に近付けるんだ」
     寄ってきた千里が腰を屈めてそのとおりにすると、早坂は唇をすぼめて乳首に強く息を吹きかけた。
    「酷いっ……」
    「何が酷いんだ? 乳首舐めてやるなんて一言も言ってないだろ」
     嗤いながら早坂は両乳首に交互に息を吹きかけ、トリミングされた陰毛をまさぐったり、内股を撫で回したりしている。口惜しげな表情で乳首や股間を擦り付ける千里の動きを巧みに避けながらその動作を続けていると、千里は涙を噴きこぼしながら叫んだ。
    「も、もう意地悪しないでっ! くださいっ」
     千里は縛られた身体を屈ませると、早坂の屹立に舌を絡め始めた。すぐにそれを咥え、先端にチロチロと舌を這わせる。
    「もっとこいつが欲しいところに、喰らわせてやるぜ」
     早坂は屹立を千里の口から抜き、彼女をベッドに転がした。背中で重ねられた手首に負担が掛からないよう腰の下に枕をあてがうと脚を開かせ、避妊具を被せたそれの先端で千里の秘裂を上下に擦り始めた。
    「あ、あぁん……」
     亀頭部分を肉芽に擦り付けて千里から悲鳴を搾り取ると、夥しい蜜を吐く彼女の中に押し入った。
    「ひっ、気持ちいぃっ! もっとぉ……」
     早坂は焦らず、先端を肉壺の入り口あたりで小刻みに動かしている。千里は腰を動かしながら、熱を帯びた剛直をさらに奥まで呼び込もうとする。
    「こっちも気持ちいいはずだぜ」
     早坂は腰を千里の臍の方に向けて突き入れ出した。いわゆるGスポットを狙う動きだ。
    「あんっ、ダメっ……大きくなってるっ。どんどん大きくなってる……」
     早坂の剛直は抽送が続くにつれ、膨張度を増していた。そして、千里の肉壺はそれに対抗するように収縮を繰り返している。早坂は小刻みな抽送を続け、Gスポットを刺激する。
    「あんっ、そこイヤぁっ! 逝きそうっ」
    「まだ許さないぞ」
     早坂は怒張を引き抜いた。
    「どうしてっ? もう少しだったのにっ! ああんっ」
     再び早坂が千里の中に侵入してきた。今度はゆっくりとGスポットを突き上げる。
    「ひっ、気持ちいいっ……。もっと、あん、ダメっ」
     千里は早坂の腰に交差させるように脚を絡ませた。抽送の速度が増した。
    「い……逝くっ、逝っちゃうっ、早坂さんっ!」
     腰が大きくグラインドし、腹筋が震えて上下していた。
    「一回逝ったくらいじゃ勘弁してやらないからな」
     早坂は千里の身体を裏返すと腰を持ち上げさせ、背後から貫いた。
    「許してっ!」
     大きなストロークで千里の体奥を突く抽送が始まった。腰を抱えた早坂は腰を大きく動かしたり、亀頭を体奥に馴染ませるようにねじ込み、腰を「の」の字に回したりと、千里の性感を翻弄する。
    「もっと激しく、お願い……」
    「激しくどうしてほしいんだ?」
    「突いてっ! 突いてよぉ……」
    「スケベが。前の旦那も千里の淫乱さに音を上げたんじゃないのか?」
    「ああ、突いてえ……。スケベでも何でもいいのっ」
    「スケベな尻はお仕置きだな」
    「あんっ!」
     早坂が千里の大きく張った尻を平手で叩き始めた。打擲音が部屋中に鳴り響く。その間抽送は止まっているにもかかわらず、千里のそこは剛直を繰り返し喰い締め、絶叫混じりの喘ぎ声が早坂の耳をつんざく。
    「もっと叩いてぇ、腰動かしてぇ」
     抽送が再開された。腰が大きく前後に動き、剛直の先端が体奥を突き上げる。その動きが着実に千里を追い込んでいく。腰の上で重ねられた両手は開ききっている。
    「いいっ、気持ちいいっ……。逝くっ、また逝っちゃう。早坂さんも来てっ!」
     千里の崩れように、早坂も情欲を制御しきれなくなってきた。本能のままに腰を激しく抽送すると、熱い粘液に満たされたそこは怒張を締め付けてくる。
    「ああ、逝きますっ!」
     一声叫ぶと、千里の腰が小刻みに震え出した。早坂はたまらず欲望を解き放った。

     しばらくして剛直を引き抜くと、その先端から白濁した液が漏れていた。
    「ヤバい、コンドームが破れてやがった……」
     興奮から冷めた早坂の表情が硬くなった。
    「きっと大丈夫です、あたし、今日は安全日だから」
    「本当に平気か?」
     早坂は千里の身体を抱き起こしながら尋ねた。
    「あたし、周期がハッキリしてるから……。ねえ、もう一回ください……。このままでいいから」
     背中で固定された手が早坂のそれを優しく愛撫する。一度萎えかけたものに、再び血が集まり始めた。早坂の方を向いた千里が乳首を啄み、その口が徐々に早坂の下半身の方に降りてくる。
    「今度はあたしが上になりたい……」
     積極的な動きを見せる千里に押されるように、早坂はベッドに仰向けになった。千里はしばらく口唇愛撫を続け、十分な硬度を取り戻した剛直にのし掛かった。早坂はそれに手を添えると、千里が腰を重ねてくる。
    「ああんっ」
     しっかりと剛直がはまり込むと、千里は腰を前後に動かし始めた。早坂も負けずに腰を突き上げる。
    「気持ちいい……」
     千里は快美感に溺れながら、早坂に合わせて腰を上下させた。もう一度、早坂の精を搾り取りたかった。今日は彼女にとって安全日などではなく、最も危険な日であることを早坂は知らなかった。早坂がトイレに入っている間に、ベッドの宮に置かれたコンドームに穴を空けたのも千里だった。
    「来てっ……もう一回ちょうだいっ!」
     何度目かの絶頂が近付く中、千里は早坂にねだった。その声だけは一切嘘偽りがなかった。

    「逮捕」(「繋留」・完)

     その場に膝を折った正広の姿を、わたしは見逃さなかった。
    「どうしたんだい、正広君? 彼女のエロい姿に興奮し過ぎちゃったのかな?」
     わたしが近付くと、正広は膝を床についたまま後ずさろうとした。
    「面白いことを思い付いたよ。みんな、彼を押さえ付けてください。後で、皆さんにもたっぷり御礼しますから」
    「やめてくれっ」
     観客たちはこぞって正広を床に組み伏せた。

    「何を嫌がってる? 自分ばかり逝かせてもらって、人に奉仕する気がないなら、痛い目に遭わせるぞ」
     わたしは美奈の髪の毛を掴み、顔を正広の屹立に押し付けた。彼は仰向けに横たわった格好で。腹部に幅広の革製ベルトを嵌められ、腰の両脇に付いた革手錠にそれぞれの手首を拘束されている。「気を付け」の姿勢だ。両脚は先ほどの美奈や知佳と同様に、肩幅ほどに開いた形に固定されている。下半身の着衣はとっくに脱がされ、意外にも太く長い屹立をさらけ出されている。
    「知らない人のなんか舐めたくありません……」
    「分かってないな、お前は。知佳さんを差し出してもらった御礼を、おれに代わってお前がするんだ。たまにはおれみたいな40男よりも、彼みたいな若いのをしゃぶってみたいだろ?」
     美奈は吊り縄から降ろされたものの、後ろ手の緊縛はそのままだった。その不自由な上体を捩って抵抗を見せている。木村が差し出してきた乗馬鞭を、その尻に向けて打った。
    「痛いっ! それイヤですっ」
    「これで何発も打たれたら、尻が痛くてスカートも穿けなくなるぞ。それでもいいのか?」
    「……しますから許して……」
     美奈は涙に濡れた目でわたしを恨みがましく睨んだ後、正広の屹立の先端にキスし始めた。
    「うぅっ!」
     正広は不自由な腰を捩った。
    「こいつのフェラは上手いぞ。そのやり方を後で知佳さんに教えてやるんだな」
     亀頭へのキスを繰り返していた美奈は、その柔らかい唇を被せ、頭を上下させ始めた。正広は快美を訴えている。口唇愛撫が本格化するのを見届けた後、わたしはその場を木村に任せ、知佳に寄っていった。
     全ての観客たちは美奈たちの様子を見物している。こちらも後ろ手の縛めはそのままだったが、尻を床につけ、両脚はM字開脚に拘束されて吊り縄に身体を預けている。こちらもショーツはとっくにはぎ取られており、着衣を身に着けているのは上半身だけだった。
    「これ以上何をするんですか……。もうあたしたちを許してください、あうっ!」
    「指がすんなり入るじゃないか。中もメチャクチャ熱いぞ」
     わたしは乳首を揉みながら、中指を知佳の秘裂に侵入させた。
    「彼とのセックスじゃ、ロクに感じたことがないんだろ? クリちゃんコロコロされただけで逝っちゃうんだから、知佳ちゃんも素質十分なはずなのにな」
     秘裂を指でかき混ぜるようにして、粘膜と淫液が擦れ合う淫らな音を立てて聴かせてやった。
    「ピチャピチャ言ってるよ。縛られて気持ちいいところ弄られるの、いいもんだろう?」
     中指を鉤型に曲げると、「あぁんっ!」と悩ましい声が漏れた。「Gスポットっていうんだよ、ここ。知佳ちゃんは奥よりこっちの方が好きかな?」
    「分かんない……ああっ」
     Gスポットへの攻撃を開始すると、知佳は腰を小さく回して喘ぎだした。指先で摘まんだ乳首がさらにコリコリと充血してくるのが感じられる。
    「うぅっ!」
     野太い呻き声がした方を見ると、美奈が情けない顔をして口の端から白い雫を垂らしていた。
    「おやおや、彼氏はもう逝っちゃったみたいだね。でも、まだ縮んでないみたいだ。若いって素晴らしいなあ」
     真っ赤になって呻く正広の股間はまだ十分に勃起していた。わたしは木村に声を掛けた。
    「美奈に彼のチ×ポを掃除させたら、跨がらせてやってくれ」
     観客からどよめきがわき起こり、「そいつばっかりズルい」との声が漏れた。
    「この後、希望する方には、この女の子のどっちかに口で抜いてもらいますからね。皆さん、もう少し見物していてください」
     木村の笑みが凄惨さを帯びた。観客たちは静かになったが、ますます興奮度を強めているようだった。木村が正広の屹立にコンドームを被せ、白濁に汚れた美奈の顔を一度拭ってやってから、尻を叩いて促した。美奈は覚悟を決めたように、正広の股間に跨がっていった。
    「あうっ、ダメだ、気持ちいいっ!」
    「あはん、ああんっ」
     美奈が正広のそれを呑み込んだ腰を前後に動かし始めた。何度も逝かされた後に、長大な屹立を腹一杯銜え込んでいるのだ。今日初めて受け入れた肉棒の味は格別に違いない。

    「彼氏はわたしの彼女と愉しんでいるよ。われわれももっと親密になろうか」
     知佳の吊り縄を緩めて俯せにすると、彼女は後手縛りのまま跪いて尻を後方に突き出した格好になる。わたしは急いでズボンとトランクスを脱ぐと、嫌がる素振りで左右に振られる腰を両手で抱え、コンドームを被せたそれを尻の方から挿入した。
    「あんっ、しないでっ」
    「セックスの稽古だよ。どんな風に突かれると気持ちいいか分かってれば、彼との夜も面白くなるよ」
     わたしは知佳のやや狭めの秘肉を味わいながら、腰を大きく突き入れた。
    「あはん、あんっ、イヤっ」
    「オマ×コに出し入れされながら、こことかここと弄られると、余計気持ちいいだろ?」
     背後から回した手で乳首をひねり回し、肉芽を擦り上げた。
    「ああん、それ卑怯ですっ」
     刺激の効果を知佳は正直に認めた格好だ。わたしは肉棒を体奥から引き上げ、わざと亀頭で浅瀬をこね回した。Gスポットにも当たるはずだ。
    「あああんっ、ダメっ、ひいっ」
     知佳の身悶えが激しくなった。背後で拘束された両手が開いたり閉じたりしている。一方、背中の両手を開いたまま、美奈は腰を縦に激しく振っていた。

    「あん、気持ちいいっ! 正広さん、もっとっ」
     美奈は全身から汗を噴き出しながら、正広の肉棒がもたらす愉悦を堪能している。正広は不自由な腰を突き上げる。すると、美奈は物足りないのか、自らの腰の動きをさらに大きくする。
    「逝っていいんですよ、美奈さん」
     木村が美奈の乳房を弄り回しながら、彼女を唆している。そして、わたしが腰のストロークを速めると、知佳は顔を上げながら、腰をうねり舞わせている。
    「ああん、ダメっ、もうおかしくなるっ!」
    「おかしくなっていいんだぜ。これでどうだ?」
     わたしは大きく腰を前後させながら、知佳の乳首を捻った。背中が反り、身体が痙攣し始める。もう少しだ――そう思ったとき、正広の呻きが響いた。
    「ううっ、ダメだっ!」
    「来てっ……あたしも逝っちゃうっ!」
     美奈が身体を捩らせながら、顔を仰け反らせた。全身が小刻みに震えている。正広が顔を横に向けて喘いでいる。この2人が絶頂に達する様子を目にして刺激されたのか、知佳の身体が数回跳ねた。
    「あっ、イヤっ……あたしも逝くっ!」
     同時に、わたしも知佳の中で爆ぜた。背筋を貫くような感覚が走るのを自覚していた。次の瞬間、入り口のドアが開き、体格のよいダークスーツの男たちが次々と部屋になだれ込んできた。
    「これ、何か分かるよな? 公然わいせつの現行犯だぞ、お前ら」
     先頭にいた長身の男が、右手に持ったバッジを掲げた。中にいた者は、全員が凍り付いた。確か新宿署の生安担当警部だ。所属と職階が同じで、長身という設定でもあるベストセラー小説の主人公にちなみ、自らを「新宿鮫」と呼ばせている男だった。

    「それで、今日はSMショーをやった後、本番に突入したわけだな?」
     長身がわれわれ4人の顔を見回しながら確認した。観客の男たちは既に連行され、店内に残ったのは、わたしと木村、女2人。警察側は長身を含む3人が睨みを利かせている。女たちは縄を解かれ、服を着ていた。化粧が落ちたままなのが、どこかアンバランスだった。
    「それはそうですが……」
     木村が口ごもる。
    「いずれにしても、話は後でゆっくり聴かせてもらおう。お前らは公然わいせつの現行犯だ。逮捕する」
     わたしと木村は後ろ手に手錠を打たれ、床に引き据えられた。そして、男たちは女2人を取り押さえ、腰の上で重ねられた手首に麻縄を掛け始めた。女たちから悲鳴が上がった。
    「ちょっと待て、女たちは無理矢理させられたんだ。見逃してやってくれっ」
    「逮捕するのに縄で縛るっておかしいだろ、おい?」
     わたしと木村が叫ぶと、長身は口を歪めた。
    「お嬢さんたちに金属の手錠なんか嵌めるのは無粋だからな。それに逮捕ってのはな、人を拘束することを指すんだよ。本来はな」
     美奈と千佳はあっという間に後ろ手に縛り上げられた。単純な後手縛りだが、手際は見事すぎるくらい見事だった。あまりのことに呆然とした表情を晒している。
    「お、お前、そういえば新宿署を首になったんじゃ……?」
    「気付くのが遅いぜ」
     木村の疑問に長身は答えた。
    「ただし、首になったんじゃない。自ら辞めたのさ。警察組織に飽きが来ているんでな。今はある組織の世話になっている。肩書きは『渉外部長』というんだ、覚えておいてくれ」
    「け、警察を辞めたお前がなぜここに?」
    「お前らが妙なSMショーをやってるって情報は、おれが警察にいるときから耳に入っていた。泳がせていたのは、お前らが嬲り回している女がなかなか悪くないと聞いていたからさ。なあ、おれは今も警察には顔が利く。この店には新宿署の誰も踏み込みゃしない。そこでだ、おれたちと協業しないか?」
    「何を勝手なことを」
     木村が立ち上がろうとして男たちの一人に張り飛ばされた。
    「さっきの観客の若いやつらはな、地方でおれたちの仕事を手伝ってもらうことにしたぜ。何せ、人手が足りないんでな」
     長身は女たちに顎をしゃくった。縄尻を取られ、悲鳴を上げながら出口の方に引っ立てられる。美奈はわたしの方を何度か振り返りながら、引きずられていった。
    「あの女たちはこれから3日間、おれたちが取り調べる。その間、留置場みたいな檻の中で寝てもらうが、取調室はこんなちゃちい構造じゃない。立派なプレイルームになっている。釈放される頃には、すっかり従順になっているだろう」
     いったん言葉を切って、長身は続けた。
    「お前らにも、おれたちとの協業について、たっぷり勉強してもらうぜ。決して悪い条件じゃないはずだ、おれたちに逆らわなければな。変な現場なんか行きたくないだろう、今さらその年で?」
     どんな条件を呑まされるか分からないが、逃げられるとは思えなかった。わたしは長身の顔を睨んだが、片頬を吊り上げた笑みが返ってきただけだ。この男が「喜多」という名字だったことを不意に思い出した。

    「涙顔」(「繋留」⑤)

      拍手と歓声が響く中、入り口の方に小走りで駆けていく人影があった。その背後をもう一つの人影が追いかけていく。その後を追うと、小声での会話が聞こえてきた。
    「どうしたんだよ」
    「もう見てるの辛い……あたし、帰っていい?」
     こちらに見えた横顔は、観客の中で唯一の女だった。美奈より少し若いくらいだろうか。切れ長の目と形よく隆起した鼻、ほどよく膨らんだ胸が印象的だ。何よりもショートカットが似合っている。
    「面白くなりそうじゃん。今日はもう予定ないんだろ、最後まで付き合ってくれよ」
     やや軽薄な印象の若い男が女の前に立ちふさがった。
    「そこどいてよ、もう」
    「ここで帰ったら、もったいないですよ。しばらくゆっくりして行かれたらどうです?」
     男の横を通り抜けようとした若い女の肩を掴みながら、わたしは語りかけた。
    「何なんですか、怖い」
    「この娘に帰られたら困りますよね?」
     わたしの問い掛けに、男は目顔で頷いた。娘の膝裏を膝で押すと、他愛もなくその場につんのめった。悲鳴を上げる娘の上体を床に押し伏せ、両腕を後ろに回した形で押さえ付ける。木村が手にしていた麻縄で。腰の上で重ねられた両手首を素早く拘束した。
    「何するの、やめてくださいっ!」
    「まあまあ、お嬢さん。大人しくしないと縄がきつくなりますよ」
     娘の抵抗をいなしながら、木村は両手首を縛めた縄を娘の乳房の上に掛け回し、縄留めした。
    「ほら、もうこれで動けませんよ」
     木村は娘の上体を引き起こし膝立ちの姿勢を強いながら、さらに縄を重ねていった。わたしは娘の身体を支えつつ、どさくさに紛れてピンクのブラウスの上から乳房を触った。Cカップはあると思われる。
    「触んないで、イヤっ」
     娘は上体を捩りながら叫んだ。なかなか感度が良さそうだ。木村はその乳房の下にも縄を掛け、背中から首の左右に通した縄で上下の乳房の縄を引き絞る。顎の下あたりで切り揃えられた黒髪の毛先と、真珠のような小さなピアスが揺れた。木村が縄尻を取って娘を立たせた。
    「美奈が責められてる姿、お気に召しませんでしたかな? 自分も同じ格好になれば、そう悪いものじゃないということがお分かりになりますよ」
     わたしは木村が持ってきた縄束で娘の耳元や首筋を擽りながら言ってやった。娘はあまりの屈辱に声も出せずにわたしを睨んでいる。
    「ところで、この娘の名前は?」
     わたしは娘と一緒だった若い男に訊いた。男はあまりの成り行きのせいか、呆然とした表情を見せていたが、やがて言葉を絞り出した。
    「ち、知佳です」
    「いい名前じゃないか、知佳ちゃん」
    「あたしの名前バラさないでよ、正広……」
    「あ、あの……ここまでされると……」
    「なあに、悪いようにはしない、正広君にも知佳ちゃんにもね。帰るころには、君たちはもっと仲良くなってるかもしれないよ」
     営業用の笑みを二人に見せてやった。
     
     知佳はわたしと木村の手で、美奈の隣に吊り下げられた。その叫びや悲鳴は声にならない。頬を割るように猿轡を噛まされているからだ。わたしは知佳の背後からブラウスの胸元のリボンをほどいて前ボタンを外し、白地に薄桃色の刺繍が施されたブラジャーに包まれた乳房を露出させた。くぐもった呻き声に耳を擽られながらスカートをめくり上げると、同色のショーツに包まれた下半身が現れた。
    「ひはっ!」
     縛られた上体を捩りながら、知佳は悲鳴を上げた。木村がスカートのホックを外して脱がせると、肌色のストッキングに包まれた脚の細さが際立っていた。やや肉感的な美奈とは好対照だ。木村がブラジャーを押し下げて乳房を露出させると、薄いピンクの乳首が尖りを主張するように顔を出した。
    「おや、あなたもこういうの嫌いじゃないのかな? 乳首が立ってますねえ」
     わたしは知佳の乳首を指先で弾いた。知佳はやや太い眉根を寄せながら、わたしに恨みがましい視線を投げた。わたしが乳首を揉み始めると、木村がパンティストッキングの腰回りに手を入れた。
    「すいません、それは……。そこまで脱がすのはちょっと……」
     傍で心配そうに見守っていた正広が口を出した。知佳がその方に救いを求めるような目を向けた。
    「じゃ、パンツまで脱がすのはやめよう」
    「ホントですか?」
    「ただし、条件がある。これからちょっと彼女に小手調べを試してみるけど、最後までそれを我慢したら、このまま解放しよう」
    「そんな……」
    「大丈夫さ、彼女はそこでションベンを漏らした美奈ほどの経験はないだろう? 少し遊んでみるだけさ」
     こちらの様子を窺っていた美奈がわたしを睨んだ。足首の縄だけがほどかれていたが、脚を閉じる気力はないようだ。その近くには、竹棒が転がっていた。
    「こいつくらいなら、全然我慢できますよ。知佳さんは美奈さんほどエッチじゃないでしょう? 皆さん、さっきみたいに過激じゃありませんが、また愉しんでいただけますよ」
     木村が観客に向けて笑顔を見せた。

    「ん……んんっ」
     知佳の両乳房の裾から、震動するピンクローターが頂点に向けて渦を描くように上っていく。わたしと木村の二人で片方ずつの膨らみを分け合い、乳房の肌に触れるか触れないかのあたりでローターを這わせていた。
    「こんなの使ったことあるかな?」
    「今時の女の子はローターどころか電マなんかも使ってるそうですよ」
    「だったら、こんなヘボいオモチャなんかで感じないよね?」
     わたしは乳輪のあたりに当てたローターを乳首の先端に触れさせた。
    「んーっ、くふっ!」
     木村がわたしに倣うと、知佳は猿轡を噛まされた顔を仰け反らせた。
    「あん? こんなのイヤだって?」
    「やめてほしいんですか、知佳さん?」
     震動で乳首をこね回すと、知佳は哀願するような表情でわれわれを交互に見た。
    「じゃ、やめようかな」
     しばらくローターで乳首を責めた後、わたしはさらに充血した先端に吸い付いた。木村も同調し、われわれは乳首を舐め転がし、音を立てて吸い、甘噛みした。
    「あむっ! むむっ……」
     乳首を木村に任せ、わたしは知佳の背後に回って尻の方からショーツの舟底を擦り上げた。彼女は慌てて脚を閉じたが、一歩遅かった。
    「ひぎっ!」
    「ほーら、パンツの上からでもクリちゃんの場所分かっちゃった」
    「すっかり勃起してるんでしょ? パンツがしっとりしてませんか?」
     知佳の悲鳴が一段高くなったのは、そう問い掛ける木村が乳首の根元を噛んだせいかもしれない。
    「彼女は逝きやすい方かな?」
     正広は黙って首を振った。無言なのは、彼とのセックスでは見せたことのない感じ方を知佳が示しているためだろうか。
    「そうか、ならこんなイタズラではしたない反応なんかしないよな」
     わたしはショーツ越しに肉芽を捉えた。知佳の腰が左右に動く。知佳の股の力が抜けた瞬間、脚を開かせると、木村とともにさっきまで美奈の脚を拘束していた竹棒の両端に両足首を括り付けた。
    「美奈と同じ格好でつまらないでしょうが、知佳ちゃんが痴漢される様子をたっぷりご覧ください」
     わたしは尻の方から回した手で知佳の肉芽を攻略し始めた。人差し指と中指の根元で挟み、力を入れたり抜いたりを繰り返す。中指の腹で転がす。震動を加える。
    「ほら、こんな痴漢されるみたいな触り方されたら、感じるどころじゃないよな?」
     知佳は猿轡を噛みしめながら、喘ぎ声を懸命に押し殺そうとしていた。額には汗が滲み、形のよい顎を伝って胸の方に落ちる。木村は人差し指と中指の背で挟んだ乳首の先端を親指でリズミカルに転がしている。その様子を観客たちは声を押し殺しながら眺めていた。
    「なんか彼女、あまり感じてないみたいですよ」
     木村が知佳の耳たぶを噛みながらわざとらしく口にした。
    「そうなのか? パンツの上からちょっと触ってるだけなのに。クリちゃん、直に触ってほしいのかな?」
     わたしはショーツの中に手を入れた。
    「あれっ、アソコが随分熱いな。ヌルヌルだよ」
    「ひひっ、いはん」
     知佳の悲鳴が大きくなるのを尻目に、わたしは中指の腹で肉芽を転がした。しばらくその感覚を愉しむと、ショーツの中から引き出した指を知佳の鼻先に突き付けた。顔が背けられた。
    「なあに、これ? 指から湯気が出てるよ。それに、この濡れよう」
     指先を観客にかざして見せた。
    「おぉ、濡れてる!」
    「この女も逝かされちまうか?」
     下卑た笑みを浮かべた男たちから喜びと期待の声が上がった。
    「感じちゃったら、この娘はパンツも脱がされちゃうんですよ。そこまでエッチじゃないでしょう、きっと」
     わたしはまた手をショーツの中に差し入れると、肉芽を転がす責めを再開した。知佳の喘ぎがまた店内に響く。
    「マジ、痴漢みてえ」
     オタク男が叫ぶ。わたしは右手で肉芽を責め立てる一方で、知佳の臍の方から左手もショーツの中に入れた。前後から肉芽を挟撃してみることにしたのだ。木村が乳首責めを続けている中、知佳の腰が小刻みに捩られる。
    「はが……んぐっ……」
     指の動きを激しくした。知佳は腰を震わせ、顔を小さく左右に振り立てた。
    「ひ……ひぐっ……」
     その瞬間、全身の痙攣が大きくなった。一瞬の間の後、知佳は項垂れた。わたしは猿轡を外しながら、知佳に尋ねた。
    「まさか、逝っちゃったんじゃないよね?」
    「逝ったら脱がされるんですから、そんなことはないでしょう」
     木村が調子を合わせた。
    「じゃ、観客のみんなに訊いてみましょう。逝きましたか、この娘は?」
     正広が気が気でない様子で周囲を見回す中、観客から声が飛んだ。
    「逝った逝った!」
    「早く脱がせろぉ!」
    「逝ってませんっ! 正広君、助けてっ」
     涙を浮かべた知佳が正広に縋るように叫んだ。正広は狼狽えたように曖昧な頷きを繰り返すだけだった。
    「ほぉ、逝ってないんですか。なら、美奈に訊いてみよう。この知佳ちゃんは逝ったかな?」
     傍らで吊られた美奈はしばらく、痛ましげに知佳の顔を見つめていた。知佳が涙顔を美奈に向けている。
    「……逝ったと思います……」
    「そんなっ!」
     知佳の叫びに美奈の言葉が重なった。
    「嘘はつけません……。この娘、逝ってしまいました」
    「イヤっ。やめてっ」
     早速、木村が知佳のショーツを膝のあたりまで引き下ろした。逆三角形のやや濃いめの茂みが姿を見せる。
    「すっかり愉しんでたじゃありませんか。嘘を吐くとお仕置きですよ」
     木村が繊毛を梳くように撫でた。知佳の絶望の悲鳴が上がった。
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