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    「捜索」(「連行」④)

    「あら、角井さん、遅かったじゃない」
     奈々美が責めを受けている部屋に、段ボール箱を抱えたもう一人の男が入ってきた。いかにも安物の黒スーツがはち切れそうなほど太っている。箱を奈々美の足元の近くに置くと、彼女の方を下卑た笑いを浮かべながら眺めている。銀縁眼鏡の奥の目に光る助平な色を隠そうともしていない。
    「ちょうど身体検査が終わったところだ。角井にも被疑者の取調べに加わってもらうぜ」
     木内がその場にいる刑事たちを見回しながら告げると、皆が頷いた。奈々美だけが口惜し涙を浮かべて木内たちを睨み付けている。
    「おや、被疑者があたしたちを怖い顔で見てるわ」
     赤川が奈々美を揶揄しながら、顎をつまんだ。奈々美は顔を振ってその手を外そうとするが、意外に握力が強いのか、赤川から逃れることは出来なかった。
    「離してよっ。何であたしが逮捕されなきゃいけないの? どうしてこんなところに連れて来られたのよ?」
    「野川武彦に関わることよ」
    「武彦さん……」
    「そそ、あんたの彼氏よね」
     赤川が意地の悪い笑みを浮かべた。
    「彼が何をしたって言うのよ? あたしも武彦さんも犯罪なんかには関係ないわっ」
     縛られた身体を揺すり立てながら奈々美は叫んだ。その様子を黒服の刑事たちは小馬鹿にしたような表情で眺めている。
    「そうよね、外資系金融のエリートでしたっけ? そんな彼が犯罪に関わってるわけないもんね」
    「なら、あたしを早く解放してっ。何でこんな目に……」
     涙で言葉が詰まる。
    「それを教えてやる前に、この被疑者の身体をほぐしてやろうか。最近は彼氏にも逢えなくて溜まっていそうだからな」
     木内が奈々美の乳首を指で摘まみ転がしながら言った。
    「イヤっ、触んないでっ」
    「われわれに触られるのがそんなにイヤか? 彼氏に義理立てしてるのかな」
     乳首が捻り上げられ、奈々美は悲鳴を上げた。
    「ガサ入れの結果を見せてやれ」
     木内の命令を受け、角井が段ボール箱を開け、中から取り出したものを見ると、奈々美は悲鳴を上げた。
    「クローゼットにこんなものを隠し持っていましたねえ、奈々美さん」
     下卑た表情を顕わにした角井の手にあるのはピンクローターだった。
    「何これ、バイブとか電マもあるわ」
     赤川が取り出したパステルピンクのバイブは、長さ12―13センチといったところか。スイッチを入れて先端にうねらせながら、奈々美の顔に近づけた。奈々美は顔を背けようとするが、背後に立った木内に髪の毛を掴まれ、涙を流しながら必死で目を逸らしていた。
    「彼氏と逢えないからオナニーでもしてたのかな? それとも、彼氏がこういうのを使うのが好きなのかな?」
     角井の揶揄に赤川は応えた。
    「道理で、さっきちょっと“身体検査”しただけで、異様に感じちゃってたのね」
    「われわれに触られるのがイヤなら、このオモチャで彼女の身体をほぐしてやろう。まずは一度逝かせてやれば、少しは取り調べにも協力的になるかもしれんな」
    「絶対にイヤっ、そんなの!」
    「ふふふ、こっちは責め手が3人、あんたは1人でしかも縛られてる。あたしたちに敵うと思う?」
    「被疑者の抵抗力を確かめておいた方が、取り調べもやりやすいでしょうな」
    「せいぜい逝かされないように頑張るんだな。原、被疑者が逝くところをしっかり撮っておいてくれよ」
    「合点です」
     涎を垂らさんばかりに原が応じた。

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