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    「放置」(「容疑者K」②)

     現代の20代女性にとって、正座の姿勢を長く保つのは楽ではない。都会育ちで茶道や華道といった趣味はなく、和室のある部屋で暮らした経験が皆無の香奈にとってはなおさらそうした傾向は強いだろう。だが、正座が苦しいのはそれだけが理由ではなかった。胸元と裾をはだけられたワンピース姿で縛り上げられ、ベッド近くの柱に繋がれている。黒革のアイマスクで視界を遮られ、耳栓をされているため、自らの口から零れる喘ぎ声が増幅されて脳内で響き、羞恥心を擽られる。その上乳首には木製の洗濯挟みを噛まされ、ショーツの上から秘裂に沿って股縄を食い込まされているのだ。
    「ううっ、イヤあっ……」
     香奈は高い声で叫んだ。股縄の肉芽に当たる部分にはいくつかの瘤が作られており、身悶えするたびに微妙な刺激が走る。ショーツの中からはわずかに蜂の羽音のような音が聞こえてくる。振動をわざと最弱に設定されたピンクローターが後門に埋め込まれているからだ。香奈にこんな意地の悪い拘束を施した後、吉本は「おれが戻ってくるまで正座してろ」と命じ、浴室に向かった。自分だけはゆっくり風呂に浸かった後、日中の屈辱的な市中引き回しの刑で汗と涙と体液にまみれた香奈の身体を嬲ろうという企みだった。もちろん、正座を崩したらどんな恥ずかしいお仕置きを加えられるか分からない。
     しかも、下着越しにしか感じられない瘤縄の感触は、刺激としては物足りない。そのくせ、肉芽の充血と樹液の湧出を促すだけに、却ってたちが悪い。ローターに刺激される後門はむず痒さをもたらしてはくるものの、アナル性感はほとんど開発されていない香奈にとって全面的に心地よいものでもない。洗濯挟みのバネはかなり弱められているせいか疼痛は快感に変換されつつあるものの、肉芽の疼きをさらに増してくるばかりだ。
    「ああん、早くお風呂から上がってきて、吉本さん……」
     目隠しと耳栓のせいか、悲壮な呻きに応えられるのかどうかも分からない。上半身を揺すってみると、胸の上下に食い込んだ麻縄が乳房の根を締め上げ、洗濯挟みを噛まされた乳首がさらにそそり立ち、またも性感の高まりを煽られる。
    「たまんない……」
     香奈は思わず膝を崩した。
    「あああんっ」
     今まで尻の下に敷かれていた踵が、ちょうど股縄の部分に当たった。体重が思い切り乗ってしまったため、瘤縄が香奈の肉芽をショーツ越しとはいえ強く擦り上げたのだ。正座の姿勢に戻そうとしたが、脚の痺れがそれを許さなかった。
    (ちょっとぐらい、いいわよね? 吉本さんが出てくるまでこうしててもいいわよね?)
     自らに言い訳しながら、香奈は股間を踵に擦り付け始めた。瘤縄の感触が肉芽を嘖む。身悶えると、乳首と肛門への刺激が肉芽から広がる快感を増幅する。秘裂から大量に溢れ出した熱い粘液が肉芽をくるみ込み、滑りが刺激の質を微妙に変化させる。思わず香奈は背中を仰け反らした。
    「ううん、うっ、ひいっ!」
     香奈は腰を上下左右に動かし、わずかなはずだった快感を貪った。それをしばらく続けると、絶頂に達する前に脚がまた痺れてくる。崩した脚を組み直して今度はもう一方の踵を股間に当てようとしたとき、香奈の手の甲に何かが落ちてきた。
    (何これ……?)
     背中で束ねられた手で何とかその物体を掴み直すと、それはピンクローターのリモコンスイッチだということに気付いた。
    (振動を強くすれば、吉本さんが上がってくる前に逝けるかも?)
     既に後門への刺激は半分以上快感に変わっていた。香奈は掌に握ったスイッチのダイヤルを恐る恐る触った。
    「あっ、ああーっ!」
     刺激が最強になってしまったらしい。香奈は思わず縛られた状態を折った。洗濯挟みに締め付けられた両乳首が太腿とぶつかり、さらなる快感を生む。香奈の性感は沸騰寸前だった。
    「死んじゃうっ……!」
     次の瞬間、香奈の上体は引き起こされた。耳栓が外された直後、頬を張られた。
    「正座してろって言ったの覚えてないのか、あん?」
     髪を鷲づかみにされ、頭を揺さぶられる。
    「だって……」
     目隠しが外されると、嘲笑に片頬を歪めた吉本の顔が眼に入った。こざっぱりとした様子のバスローブ姿が憎たらしく思える。
    「お前、バカか? 目の前の壁を見てみろよ」
     壁の下の方には幅10センチほどの隙間が作られていた。ガラスが貼られているらしい。香奈の掌から取り上げたローターのスイッチを切りながら、吉本は続けた。
    「あの壁の向こうはバスルームだ。身体を洗うために椅子に腰掛けるとな、ちょうどいい具合に部屋の中の様子が見えるんだよ。命令を無視して、オマ×コを踵に擦り付けて悶えるお前の姿をじっくり愉しませてもらったぜ。縛られていながらオナニーするんだから、とんでもねえ淫乱だよな?」
     香奈は吉本から目を逸らした。この狂態を一部始終目撃されていたと知り、にわかに羞恥心がぶり返してくる。
    「股縄オナニーでクリちゃん気持ち良かったんだろうけどさ、マン汁の溢れさせ方はちょっと酷いな。臭いが凄いぜ」
     紅潮した香奈の頬はさらに火照った。
    「おれが風呂から上がるまでのわずかな時間も我慢できないような女は、簡単に逝かせてやるわけには行かないな。もう少し啼いてもらうぜ」
    「そんなっ! 楽にしてお願い、もう少しだったのに……」
     涙を浮かべながら上目遣いで懇願する香奈の顔を満足げに見下ろしながら、吉本は掴んでいた髪を離した。腰を下ろして香奈と目線を合わせると、唇を重ねてきた。
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