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    二重底

    「あれ?何かすげえデカいシミになってるぜ」
    「そんな恥ずかしいこと言わないで、いや」
     彼女がつい先ほどまで身にまとっていた白い小布の二重底部分を右手で広げ、鼻先に突き付けてやった。
    「ほら、よく見てみろよ。布地から向こうが透けて見えるくらいの濡れ方だぜ。ただ縛られて、筆で耳や首筋や脇腹をくすぐられただけなのに、何だこれは?」
     上下を麻縄にくびられ、敏感になっている胸を左手でクネクネ揉み立てながら、言葉で嬲る。
    「だって、触り方がイヤらしいんだもん。耳元でずっとエッチなことばかり言ってるし。あぁん、ダメ。そこいじられると…。もっと」  「まだおねだりするには早いぜ。少し静かにしてもらおうか」
     胸のあたりを彷徨っていた左手を移動し、小さくとがった鼻をつまむ。彼女は首を小刻みに振りながら、呼吸を確保するため唇が開きっぱなしになる。右手に持っていた小布を丸め、口の奥に突っ込む。
    「うが…」
     小布を舌で口外に押し出す前に、手拭いを歯列の間に噛ませ、端を彼女の後頭部のあたりで素早く結ぶ。手拭いの口にはまった部分には、あらかじめ結びコブが作られている。
    「あんまり唾を出さない方がいいぜ。ノ○パンで帰りの電車に乗りたくなければな」
     無理な注文であることは十分すぎるほど分かっている。唾液の分泌は抑えられるものじゃない。しかも、彼女は猿轡を外されるまでに、そのときを告げる声を幾度も発することになるのだから。布地に遮られ、くぐもった声を。
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