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    「口唇」(「手錠」⑩)

    「ほら、早く舐めるんだよ」
     凉花と美梨は足枷を外された代わり、女たちの前に首鎖で引きずられ、跪かされた。衣擦れの音がするのは、女たちの股間の褌が取り去られているからだろう。女芯の臭いが鼻腔に突き刺さる。
    「イヤっ、できないわっ」
    「おかしいわよ、何でこんなことさせられるのっ?」
     凉花と美梨が口々に叫ぶが、背後から首鎖を引き絞られ、髪の毛を掴まれて揺さぶられ、尻を蹴飛ばされる。
    「とっとと言うことを聞いた方がいいぞ。お前らも早く釈放されたいだろ? でないともっと勾留されることになるが、それでもいいのか」
    「お前ら、女同士だからどこを責めればいいか分かってんだろ? いい加減にしろよ。いつまでも渋ってんなら、浣腸してやりましょうかね、班長?」
    「いいな。逝かせられなかったら勾留延長、クソを漏らしても勾留延長ってことにするか。そっちの方が面白いかもな」
     凉花と美梨から異口同音に悲鳴が上がった。椅子に縛り付けられている女たちも猿轡越しに大きな呻き声を漏らしている。
    「浣腸器、持ってきます!」
    「止めてください、やりますから、やりますから許して……」
    「やらせていただきますからお許しください、とか言えんのか」
     泣訴する凉花の尻に鞭が飛んだ。
    「酷いっ、浣腸なんて……」
    「屁理屈こねてないで、いい加減おれたちに従うんだよ」
     美梨は尻を蹴飛ばされ、理不尽さに呻き泣いた。
    「ほら、相手のオ×ンコはすぐ前にあるぞ。舐めてみりゃ、どこをどうすればいいか自然に分かるだろうよ」
     凉花は班長に顔を目隠しの女の股間に押し付けられた。
    「お前は右隣の女と違って処女じゃねえからな、男のものを舐めたことくらいあるだろう? その要領で、クリを吸ってやりゃいいんだよ」
     頭上から長身らしき声が響き、美梨も同じように左側の女の股ぐらに口を持って行かれた。同性の股間を舐めさせられる屈辱のせいか、二人ともしばらく顔を左右に振りつつ、身体を震わせていた。
     やがて、右側の女がショートヘアを振り立てて喘ぎ始めた。
    「うぅっ、くく……」
     凉花の舌が女の秘裂を這い始めた。要領を掴みかねているのか、唇と舌は秘裂の周辺を彷徨っている。時折、舌や鼻が肉芽をかすめると、女は悩ましげな呻き声を上げる。
    「ほほぉ、焦らしてるのか? 処女のくせになかなかのテクニシャンだな」
     背後にいるスキンヘッドらしき男が凉花の頭を撫で、乳首を弄んだ。
    「あふん」
    「何気持ちよがってるんだ? 感じるのはお前じゃない。目の前のお姉さまを感じさせてやるんだ」
     頭上から班長の声が響き、首鎖を引っ張られた。首輪が細首に喰い込み、思わず凉花は呻いた。
    「お、こっちもなかなか上手いな。どこでこんなやり方を覚えたんだ?」
     美梨は女の秘裂に沿って舌を上下に這わせる動きを繰り返している。肉芽を舐める一方、蟻の門渡り付近で舌を躍らせたりされ、目隠しの女は細身の身体を悶えさせている。
    「その調子で頑張るんだぜ」
     長身は美梨の乳首をカリカリと転がし、肛門を擽った。
    「あんっ、止めてっ」
    「この程度で舐めるのを止めたら、勾留延長の上にお仕置きだぞ。文句を言ってる暇があったら、もっと心を込めてご奉仕するんだよ、このお姉様に」
     お姉様と言われた細身の女は猿轡の下から悲鳴を吹きこぼしながら、全身を悶えさせている。
    「お姉様たちをもっと気持ちよくさせてやろうか」
     班長が言った。スキンヘッドがどこからか搾乳機のような機械を数組持ち出してきた。“お姉様”たちが顔を左右に振って呻き声を高くする。
    「ふふふ、お前らはこれが何だか知ってるな。二人の被疑者に教えてやろう。これは『ニップルドーム』といってな、乳首を吸い出すようなカップをおっぱいに取り付けて、気持ちよくさせる道具だ。吸い出された乳首はバイブやブラシで刺激されるから、とても感じるんだ」
    「こいつらはブラシが好きでしたね」
    「よく覚えてるじゃないか。早速取り付けてやれ」
    “お姉様”たちの上下を縄で括り出された乳房に「ニップルドーム」が設置される。乳首がドームに吸われ、柔らかなブラシに包み込まれる。そしてブラシが回転し始めた。
    「あぐっ」
    「がはっ」
     二人の“お姉様”たちの悶え方が激しくなった。一方で、凉花と美梨からは悲鳴が上がった。
    「こいつらにも『ニップルドーム』付けてやった方がいいんじゃないですか? 可哀想にねえ」
     長身が嗤う。
    「今まで素直じゃなかったお仕置きだぜ。どうせまた気持ちよくなりそうだがな、こいつらは」
     班長の嘲るような声が続いた。凉花と美梨の乳首は、快感をもたらず「ニップルドーム」ではなく、木製の洗濯バサミを噛まされた。
    「バネは弱めてあるからな。こいつらみたいなマゾにはちょうどいいぜ」
     凉花と美梨は乳首から生じる痛みに耐えつつ、“お姉様”たちの股間への口唇愛撫を続けるしかなかった。

    https://www.youtube.com/watch?v=xSX7AmAqfKk

    「部屋」(「手錠」⑨)

    「ほら、ちゃんと歩くんだよ」
     首輪に付けられたリードを引っ張られ、尻に鞭が当てられる。涼花が背後を睨むと、さらに尻が鞭打たれる。
    「だ、だって……」
     美梨は背後で鞭を振るう男を睨んだ。涼花と美梨の二人は首輪だけでなく、革製の足枷まではめられていた。両足首を繋ぐ鎖の長さは二十センチほどしかなく、上半身を高手小手に縛られた上に首輪のリードを引かれながら鞭打たれたりしたら、却って歩みは遅くなる。
    「お願い、鞭は止めてっ。ちゃんと歩きますから……」
     涼花は双眸に涙を溜めながら男たちに哀願した。
    「おやおや、女王様がそんな簡単に泣きを入れちまって、悔しくないのか?」
     鞭を振るう男が尻の方から涼花の尻に右手を差し入れた。
    「あうっ……」
    「何すんのよっ」
     涼花と同じように、別の男に股間を指弄されている美梨も呻いた。
    「ふふふ、こんな格好で引き回されてるのに、お前ら二人とも何でこんなになってやがるんだ、あん?」
     二人の男が差し出した指は半透明の粘液に濡れていた。その指を二人のそれぞれの頬に擦り付けられても、悔しげに顔を歪めるしかなかった。
    「ほら、しっかり歩くんだ。それとも、またさっきみたいに貞操帯はめてやろうか? クリにローターが当たるようにしてな」
    「いいですね、班長。部屋に付くまでに逝っちまったりして。そしたら、またお仕置きですね」
     班長と部下がそんなあくどい冗談を交わしている間にも、涼花と美梨は別の部下たちの指で肉芽をネチっこく転がされ、乳首をひねり回されている。
    「いや、早く次の部屋に連れて行きましょうよ。そこでこいつらを“尋問”した方が、ずっと面白いですぜ」
     涼花の縄尻を持ったスキンヘッドが下卑た笑みを見せた。そんなことを口にしながらも、背後から回した手で涼花の乳首をいやらしく弄っている。涼花がキッとした目で背後を睨むと、スキンヘッドは涼花の背中を突き飛ばした。上半身も下半身も不自由な涼花はつんのめって膝をついた。
    「痛いっ」
     美梨も同じように突き飛ばされた。こちらも膝をついてしまい、背後の男たちに悔しげな目を向けた。
    「二人ともまだ目は死んでないな。隣の部屋に入ってもその調子を続けるんだぞ、分かったか」
     班長は片頬を吊り上げながら言った。二人の女は涙を浮かべながら、そのにやけ顔を睨み付けた。

    「さあ、入るんだ」
     涼花と美梨が扉をくぐると、数メートル先には全裸に剥かれた二人の女が一人掛けのソファに縛り付けられていた。二人とも頭に黒い麻袋のようなものを被せられて顔は見えず、上半身は涼花と美梨と同様に後ろ手に緊縛され、両脚はM字開脚の形に麻縄で固定されていた。股間は白い褌で覆われ、辛うじて丸出しは避けられている。
    「ふふふ、仲間がいて心強いか?」
     立ちすくんでいる涼花たちに班長が声を掛けた。
    「あの人たちは何なの? これから何をするつもりなの?」
    「早くあたしたちを解放してください。お願いですから……」
     気丈に班長を問い詰める美梨の声は震えを帯び、涼花の懇願は涙混じりとなっている。それを耳にした顔のない女たちはくぐもった悲鳴を上げながら身悶えたが、彼女たちを縛める縄は緩みそうにもなかった。
    「今、ここに四人の女がいるが、これから二人だけは釈放してやろう。後の二人は引き続き取り調べだ」
    「な、何ですか、それは?」
    「全員釈放してよ、どうせみんなありもしない罪で捕まえたんでしょう」
    「生意気なことを抜かしてるんじゃねえぞ、こら」
     スキンヘッドが美梨の頬を張り、小太りが尻に数発バラ鞭を喰らわせた。美梨は頬を歪めながら鞭打ちの屈辱に耐えていた。
    「あんまり逆らうと釈放が遠くなるぞ? ルールは簡単だ。涼花と美梨の二人が、そこの柱に縛られている女のオ×ンコを舐め舐めするんだ。先に逝かせた方が釈放、もう一人は引き続き勾留だ。逆に、今椅子に座ってる女たちは、逝かされず我慢した方が釈放、先に逝かされた方が勾留継続だ。涼花は向かって右側、美梨は同じく左側の女にクンニしてもらうぜ」
     涼花と美梨があまりのことに口も利けず、その場にへたり込みそうになっていると、それぞれの縄尻を引かれ、「しっかりしろ」と尻を平手打ちされた。一方で、椅子に縛られた女たちはいずれも顔を左右に振り立てながら、声にならない悲鳴を上げた、恐らく、麻袋の下では猿ぐつわを噛まされているに違いない。
    「何をするの、止めてっ」
     涼花と美梨には黒革のアイマスクが施された。
    「簡単に逝っちまっちゃ面白くないからな、少しはハンデがあった方がいいだろう、あん?」
     班長が嗤って続けた。
    「いつまでも麻袋を被せられてちゃ、こいつらのよがり顔が見えなくて興ざめだ。外してやれ」
     椅子に縛られた女たちの顔がさらけ出された。涼花たちからは見えなかったが、二人とも革製の猿ぐつわを噛まされていたものの、十人並み以上の美人と察せられる。いずれも涙を零しながら顔を左右に振りつつ、呻き泣きを続けていた。

    https://www.youtube.com/watch?v=gXUHb_l-1HU

    「恥辱」(「手錠」⑧)

    「うぅ……」
     凉花は呻きながら、コンクリートの床から上体を起こそうとしたが、責めに疲れ果てた身体はなかなか言うことを聞かなかった。縄は解かれた代わり、後ろ手に手錠をはめられ、檻付きの部屋に転がされていた。
     しかも、口には自ら濡らしてしまったショーツを詰め込まれ、粘着テープを貼られており、言葉を発することはできない。その代わり、金属製の貞操帯を穿かされ、肉芽に直接当たるようにローターの振動子を仕込まれてた上で、施錠されている。振動は不規則に生じ、様々な刺激を送り込んではくるものの、振動そのものは弱いため、性感が高まってもそれが爆発することはない。美梨も同じ要領で拘束され、ローターの刺激に呻吟している。
    「お前ら二人とも逝っちまったから、尋問は一時休憩だ。少しだけ休ませてやる」
     班長はそう言って、凉花と美梨の二人を留置場のような部屋に閉じ込めたのだ。ローターの刺激で先ほど頂点に達した性感は中途半端に膨れ上がらされ、またしても股間に粘液を滴らせることになる。ようやく身体を起こした凉花は、上半身を壁にもたれさせ、床に転がされている美梨を見やった。凉花と目が合った美梨も何とか身を起こすと、粘着テープを貼られた口を壁に擦り付けた。何度も同じことを試しているうちに、テープは剥がれ、美梨は口に詰められていたショーツを舌で口の外に出した。美梨は大きく呼吸している。肩と腹が動いている。股間をローターに刺激されながらテープを剥がすのは、体力を消耗させられるに違いない。
    「あなたのテープも取ってあげるから、動かないで」
     呼吸を整えた美梨は凉花に寄ってきて、口を凉花の口に近付けた。テープの端を口に咥え、横に動かす。テープが剥がれ出す。粘着力が強かったため、テープを剥がされるたびに軽い痛みが生じたが、文句は言えないテープが剥がれ、ショーツを舌を用いて吐き出すと、凉花は大きく息を吸い込んだ。ふと、ローターの刺激が強くなり、凉花は呻いた。もう少しであえぎ声が出そうだった。貞操帯を外すのは難しそうだった。
    「どうしてあたしたち、こんな目に遭ってるんですか?」
     振動が弱くなってようやく発した凉花の問いは自然に敬語となった。恐らく、美梨は二十代後半くらいの年頃と見えたからだ。美梨は答えた。
    「分からないわ。わたしは恵比寿のスパを出たら、お巡りみたいなのに囲まれて、携帯を取り上げられたの。そしたら、携帯に更衣室の盗撮動画が入っていて、そのまま手錠をはめられて、ここに連れ込まれたの。あなたも似たような感じ? あんっ」
     美梨のローターの振動も強くなったらしいが、その反応を凉花は笑えなかった。凉花もここに至るまでの経緯を話した。SMの女王様の仕事のことは口にしたくなかったが、話を理解してもらうには、そのことも打ち明けるしかなかった。幸い、美梨は変な顔もせずに聞いてくれた。
    「警察がこんなことするはずはないわ。取り調べにしたって、縄で縛って拷問まがいのことをするなんてありえない。あたしたち、何かの理由で嵌められたのよ。何とか、ここから逃げられないかしら……」
     しかし、凉花にも妙案はなかった。所持品は全て警察を名乗る男たちに没収されている。美梨も同じだろう。彼らに力で敵うはずもない。
    「何とか、これ外せないかしら……」
     腰の上で拘束された両手を動かしてみた。手錠の冷たさと固さを再認識させられるだけだった。またローターの振動が強まり、凉花は呻いた。美梨も同じ状態に陥っているようだった。
    「被疑者同士で、ガールズトークに花を咲かせてるとはな。ローターの刺激は物足りないかな?」
     班長ら四人が入ってきた。
    「早くここから出してっ! あんたたちが本物の警察じゃないってことは分かってるのよっ」
     美梨が気丈に叫んだ。
    「まだ取り調べは終わっていない……と言いたいところだが、お前らがおれたちに素直に従えば、帰してやらなくもない」
    「どういうことですか、それ?」
    「まずは、隣の部屋に入ってもらおう。話はそれからだ」
     班長が鉄格子の鍵を外し、四人が次々と檻の中に入ってきた。いったん凉花と美梨の手錠を外すと、班長は言った。
    「まず、今着ているものを全て脱いでもらおうか。少しでも逆らったら、もっと酷い罰を与えるぞ」
     凉花と美梨はしばしお互いの顔を見合わせたが、美梨は凉花に頷いてみせると、ブラウスのボタンを自ら外し始めた。凉花も渋々着衣を脱ぎだした。小太りが鍵を取り出して貞操帯を外した。
    「また濡らしてやがる」
     粘液にまみれたローターを見せられた二人の女は恥辱に顔を赤らめた。
    「意外に素直だな、お前ら。隣の部屋には、四つん這いで行ってもらうからな。こいつを着けて」
     長身が両手に持った赤い首輪を示した。ご丁寧にも、鎖のリードが既に取り付けてあった。
    「そんなのイヤですっ! 人間の扱いじゃないわ……」
     凉花は顔を左右に振って抗議した。
    「なら、裸のまま縛り上げて連行するぞ」
    「まだそっちの方がマシよ。あたしも首輪なんてイヤ」
    「ようし、分かった。こいつらを厳しく縛り上げろ」
    「はい」
     スキンヘッドが持って来たアタッシュケースには、何本もの麻縄が詰め込まれていた。それらが取り出され、凉花を長身が、美梨を小太りがそれぞれ高手小手に縛り上げた。縄が身体に喰い込むたび、二人の女は小さく呻いた。乳房の上下を縄でくびられ、首の両側から通された縄と両脇から伸びた縄で縦にも乳房を固められる。乳房のサイズが一回り大きくなったように思えた。
    「縄で縛られただけで乳首ピンピンさせやがって」
     班長が凉花の、スキンヘッドが美梨の乳首をそれぞれ弾いた。二人の女は口惜しさに呻いた。
    「この格好なら、首輪を嵌めるのに好都合だぜ」
     班長とスキンヘッドがそれぞれの女に首輪を付けようとした。
    「約束が違うわっ」
    「許してっ」
     二人の女が叫んだが、背後で縄尻を持った男たちに文字通り首根っこを押さえ込まれ、容易に首輪を嵌められてしまった。
    「よく似合うぜ、二人とも」
     首輪のリードを引かれ、凉花と美梨は屈辱の涙を零した。

    「敗残」(「手錠」⑦)

    「あ、その美梨って女のパンツ、シミにができてるぜ」
     凉花の身体を嬲っている班長がスキンヘッドに声を掛けた。小太りが美梨の前面に回ってしゃがみ込んだ。
    「あ、ホントだ。クロッチの部分は色が変わっちまってる」
    「止めてっ!」
     美梨が顔を左右に振りながら悲鳴を上げた。「おれたちは事実を口にしてるだけだぜ。おれの指にはさっきからヌルヌルした熱いのが絡まってるんだ」
     ショーツの中から手を引き上げたスキンヘッドが、美梨の目の前で人差し指と中指を広げて見せた。指の間には白く濁りかけた粘液の筋が二本、吊り橋のようになって煌めいていた。
    「イヤあっ!」
     美梨は真っ赤になった顔を必死に背けた。「すんげえエロい臭いさせてるんだ、そりゃ恥ずかしいよなあ」
     スキンヘッドは粘液を美梨の鼻孔の入り口に塗り付けようとした。美梨は双眸に涙を浮かべて抵抗したが、縛られた身で逃れきるのは困難だった。
    「どうだ、あん? お前が盗撮したことを認めるか?」
    「そんなことしてません……」
    「ならば、もっと恥ずかしい目に遭ってもらうぜ。もっと濃いマン汁を垂れ流して恥をかくことになるぞ」
     小太りがいつの間にやら持ち出してきたアタッシュケースを開けて見せた。中には種々のバイブレーターや電動マッサージ器などの淫具が並んでいた。
    「どれがいい? お前に選ばせてやるぜ。最近の警察は民主的になったんだ、喜んでくれよ」
    「そんなもので何をするの? 警察がそんなことするんですか?」
    「お前みたいな助平女には、こういう尋問がピッタリだからな。ほら、電マがいいか? それとも、中に太いバイブを咥え込ませてやろうか?」
    「どっちもイヤっ!」
    「そんなこと言うんだ、せっかく親切に選ばせてやろうってのに」
     スキンヘッドは電マの先に男根を象ったアタッチメントを取り付けると、美梨の鼻先のに突き付けた。
    「電マとバイブ、両方の威力を試してやるよ、そんなこと言うんだったら。経験あるのかもしれないがな」
    「そんなイヤらしいこと、経験ありませんってば」
    「それなら、ここで初体験してみな。白状する前に、たっぷり愉しませてやる。こんな優しい警察はいねえぞ」
     スキンヘッドはいったんアタッチメントを外すと、振動させた電マの先端で両乳首を交互に嬲り始めた。
    「ああ、そんなことしないでえ……」
    「と言いながら、腰をモゾモゾ動かしちゃって。ホントは気持ちいいんだろ?」
    「また股間を熱くしてますぜ、この女」
     尻から差し入れた手で股間を嬲りながら、小太りが卑猥な笑みを浮かべた。
    「早くオマ×コを責めてやるか」
     スキンヘッドはしゃがみ込むと、ショーツの上から電マをあてがい、スイッチを入れた。
    「ああん、イヤっ」
     小太りが乳首を摘まみ転がしている。しばらくショーツの上から電マで股間を責めていたスキンヘッドは、ショーツをずらして女芯をさらけ出した。
    「そこは止めてっ!」
    「何だ、もう蒸れ蒸れじゃないか。早く挿れてほしいんじゃないのか」
     スキンヘッドはアタッチメントを電マに取り付けると、その先端を秘裂に沿ってなぞり始めた。美梨の泣き声が高まってきたところで、先端を肉壺に潜り込ませた。
    「あんっ」
    「まだまだ奥までは責めてやらないからな」 スキンヘッドは振動もしていない先端を小刻みに入り口付近で抽送していた。美梨は歯を食い縛り、その感覚に耐えていた。
    「お前にはまずこれを試してやろう」
     美梨が責められる様子を、凉花の乳首を嬲りつつ見物していた班長は、アタッシュケースからピンクローターを取り出し、凉花に見せた。
    「そんなもの、使わないでください」
    「ローターなんかじゃ不満か? ホントは電マとか家で使ってるのかな?」
    「もしかすると『吸うやつ』がお気に入りかもしれませんぜ」
    「そうかもしれないな。週に何回オナニーしてるんだ、凉花女王様?」
    「そんなことしてませんっ」
    「処女のくせして妙に感度がいいのは、オナニーしてるとしか思えないんだがな。毎晩してるんだろ、ホントは?」
    「もしかすると、SMクラブで男を責めた後、密かにオナニーしてるかもしれませんぜ」
    「勝手な想像しないでっ! ああんっ」
     ローターの振動が乳首に当てられた。それだけで凉花の背筋に電流が走り、腰が浮き上がりそうだった。部下は凉花のショーツの前部を縄で結ぶと、斜め上の方に引っ張り上げた。
    「止めてえ、そこ見ないでえ」
     秘唇をさらけ出された凉花は泣き叫んだ。ショーツに結ばれた縄は凉花の腰に巻き付けられ、固定された。
    「あうっ!」
     ローターの振動が肉芽に当てられた。凉花の前にしゃがみ込んだ班長が振動するローターを巧みに転がすようにして肉芽を苛んでいる。背後に回った部下は乳首を摘まみ転がしている。
    「ああ、もう許してえ」
    「こんなの、まだ責めてるうちに入らないぜ。おい」
     班長は部下に声を掛けた。部下は乳首への責めを止める代わり、先端が黒いゴムに覆われたクリップのようなものを両乳首には取り付けた。クリップから伸びたスイッチボードを操作すると、クリップが振動を開始する。「取って、それ取ってっ」
    「そいつも満更じゃないはずだぜ」
     部下は凉花の背後にしゃがみ込むと、筆を持ち出した。
    「イヤっ、それダメっ!」
     初めての感触に凉花は狼狽の声を上げた。筆は凉花の蟻の門渡りや後門のあたりを擽り回している。そして、肉芽に当てられた振動は強められた。
    「ああん、もうダメっ……」
     腰がプルプル震えたかと思うと、凉花は顔を仰け反らして全身を硬直させた。
    「おい、もう逝っちまったのか? 逝くときには逝くって言わないとダメじゃないか」
    「さっきから焦らされた上に、クリとケツ穴を責められてますからね。普通の女はイチコロですよ」
     部下が下卑た笑いを浮かべた。
    「今度は逝くって言うんだぞ、言わなかったらお仕置きだからな」
     班長と部下は責めを再開した。
    「あん、逝くっ!」
     凉花はいとも簡単に二度目の絶頂に達した。班長と部下は呆れたような表情で顔を見合わせた。
    「もう一人の被疑者はもう逝っちまったぜ、処女のくせに。お前はどうかな?」
     スキンヘッドは電マの先端を小刻みに抽送しながら美梨に尋ねた。美梨は顔を左右に振るだけだった。スキンヘッドは入り口しか責めていなかった先端をいきなり奥に突き入れた。
    「ああんっ、それキツい……」
    「何がキツいんだ?」
     惚けながらスキンヘッドは先端を引き上げると、今度は先端を斜めに挿入した。
    「そこダメえ」
    「Gスポの方がお好きかな?」
     先端に振動が加わり、美梨は絶叫した。背後からは小太りが乳首を相変わらず責め立てている。電マの強烈な振動がGスポットを激しく刺激する。美梨はこの感覚に懸命に抗おうとした。だが、機械的な刺激で巧みに性感帯を責め立てられては、抵抗も儚いものとなるしかなかった。
    「ああん、もう許してっ……。ひうっ!」
     地面についている右足が床から浮き上がり、美梨は宙吊りとなった。そのまま全身を痙攣させ、振り立てられていた顔から汗が飛び散った。凉花に続き、二人目の被疑者・美梨も敗残の姿を晒すしかなかった。

    「対面」(「手錠」⑥)

    「せっかくだから、お互いの顔が見えるようにしてやろうか」
     「え、せっかく目隠ししたのに、もう外してやるんですか? 目が見えない方が女は感じるでしょう」 
    「いや、実はな……」 
     班長と部下の間でひそひそ話がなされているようだが、凉花にはその中身は聞こえない。
    「なるほど、そいつは楽しみですね」
      含み笑い混じりに部下が答える。不安に怯える凉花の目隠しが外された。予想どおり、目の前二メートルほど先にには後ろ手に縛り上げられた女が立たされている。比較的背は高く、ショートカットで、目鼻立ちは整っている。白いブラウスのみを身に着けた上半身に喰い込む縄が、豊かな胸を絞り出し、余計に大きくなっているようだ。凉花がその姿を見つめていると、目を逸らした。つい視線を釘付けにさせてしまったことを、凉花は心密かに恥じた。
     「凶器を隠し持っていた女王様と、盗撮犯のご対面だ。どっちも綺麗な顔して、やることはえげつないぜ」
      班長が揶揄した。
     「あ、あたしとこの人をどうしようっていうの?」
      凉花の前に吊された女が叫んだ。声がわずかに震えている。
     「まずはこうしてやるんだよ」 
     女を連行してきたと思われる小柄で小太りの私服刑事が、ブラウスの前ボタンを乱暴に引きはだけた。刺繍があしらわれた白いブラジャーが顔を出した。
     「何するんですか? イヤらしいこと止めてください!」 
    「われわれはイヤらしい気持ちでやっているんじゃない。お前みたいな女を早く白状させないといけないからな」 
    「止めてってばっ!」
     「うっ……」 
     小太りがその場に蹲りそうになった。女が履いている靴のヒール部分で、足を踏まれたらしい。
     「おい、今のは公務執行妨害だぞ。処罰が必要だな」 
     女を連行してきたとみられるもう一人のスキンヘッドの刑事が、女の頬に平手打ちを喰らわすと、左膝の上に縄を巻き付け始めた。
     「今度はどうしようっていうの?」
      スキンヘッドがニヤリと笑った。縄は女の頭上にぶら下がった輪に通された。
     「こ、こんな恥ずかしいっ……」
      女の左脚は膝を起点に吊り上げられてしまった。そのため、スカートがめくれ上がり、パンストに包まれた白いショーツが丸見えとなっている。
     「われわれに逆らうから、こんな格好にされちまうんだよ、美梨(みり)ちゃん」
      スキンヘッドがイヤらしい笑いを浮かべながら、女の頬を突いた。痛みが引いたのか、小太りが立ち上がり、美梨と呼ばれた女の頬を張ると、美梨の前にしゃがんだ。 
    「こうしてやる」
      小太りは黒いストッキングの股間部分に爪を立て、思い切り破った。白いショーツに思わず凉花は目を奪われた。
     「イヤっ、何でそんなことを」
      小太りはショーツの二重底となっている部分に中指の腹を這わせ始めた。小太りに代わってスキンヘッドが引きはだけたブラウスに続き、ブラジャーを引き下げた。形の良い乳房がまろび出る。
     「なぜ乳首が立ってるんだ? コリコリさせやがって。お前は取り調べされながら、エッチな気分になってるのか、あん」
      スキンヘッドは淡い桃色の乳首を指先でやわやわと揉み立てている。スキンヘッドはショーツの底をつつき回しながら、鼻先をそこに近づけている。
     「何か、スケベな臭いがしてきたぞ。お前、こういう風にされるのが好きなのか、被疑者のくせに」
     「イヤらしいことしないでっ! ああ、あなたたちは本当に警察官なのっ? 弁護士が来たら訴えてやるっ」
     「弁護士に、縛られて身体をちょっと触られただけで、乳首を勃起させながらパンツ濡らしましたって訴えるのか? そんな被疑者をまともに弁護するような弁護士はいないぞ、あん?」 
     スキンヘッドが美梨の乳首を長く引き伸ばすようにしながら嘲った。
     「お前ももう一人の被疑者が羨ましいんだろう」
      班長が凉花の乳首を掌で転がしてきた。
     「イヤっ、もう許してっ!」 
    「ここはどうかな?」
      尻の方から差し入れた手の指が、凉花のショーツの底を前後に撫で付ける。
     「触んないで、痴漢!」 
    「そう言いながら、指が何やら粘ついてきたぞ。お前も目の前の女みたいに、尋問を愉しんでるんじゃないのか?」
     「もう濡らしてるんですか? ったく、だらしねえ。オ×ンコを直接触られたわけでもねえくせに。ちょっとパンツ触ってるだけですよね、班長?」
      身体の前面から部下が乳首を捻り転がしてくる。その快美感に、凉花は人の字縛りの身体を悶えさせた。
     「どうやら、凉花女王様は尋問を痴漢プレイと勘違いして愉しんでるみたいだな。ほら、パンツの上からでも分かるぞ、ここがコリコリしてきてるのが。処女のくせに、ここがこんなに大きくなってるのは、毎晩自分で弄ってるせいか?」
     「ああん、そこ触らないで! きったない手で……」
     「おれの手を汚してるのは、お前が漏らしてる粘っこい汁だぜ。クチャクチャ音もしてきた。何だか、エッロい臭いも漂ってきたぞ。処女の女王様が、情けないこった」
     「あああ、もうイヤっ。ダメえ……!」
      凉花の腰が小刻みに震え始めた。しばらく薄布の上から肉芽を弄り続けていた班長は、凉花がもう一声呻いた時点で、手を引いた。部下も乳首から指を離した。思わず、凉花は班長を振り返った。 
    「処女のくせに、痴漢みたいに触られて逝っちまおうってのか? 気の早い女王様だぜ。お前の前にいる女が出来上がるまで、お預けだな」 
     凉花は自らの顔に口惜しげな感情が走ったことに気付かなかった。
     「お前はそろそろもっと敏感なところを集中的に嬲ってほしいのか?」
      凉花と同じように尻の方から差し入れられた手でショーツの船底を弄り回されている美梨はかぶりを振った。
     「この女も乳首を勃起させてますぜ。そろそろクリを触ってやってもいいじゃないですかねえ」
     「そうだな、触ってほしかったらおねだりしてみろ」 
    「だ、誰が……ああっ!」 
    「大サービスだ。パンツの上からなんてまどろっこしいやり方じゃなく、直接触ってやるぜ。あーあ、もうオ×ンコ熱くしてやがるなあ」
     「止めて、そこだけは……」
      背後を振り返って美梨は叫んだ。
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